過去問

「厚生年金法 サッと読むだけで理解できる障害厚生年金の支給要件」過去問・厚-37

試験勉強をしていたときに障害年金と聞くと、障害厚生年金であれ、障害基礎年金であれ私はアレルギー反応を起こし「勉強したくない」衝動によくかられていました。

それは今でもそうですが。笑

勉強したくないと言ってもある程度勉強しておかないと合格できないわけですから、どうやったら少しでも苦手意識を克服できるかと試行錯誤していましたところ、

「毎日少しでも会っておく」

ことが私の場合の解決策でした。

心理的な距離を開けてしまうと、ますます苦手意識が増してしまいますので、逆に毎日5分でもいいので苦手箇所に触れていると、

少しずつ自分の心が開いていくのが分かりましたので勉強を進めることができました。

あなたも苦手箇所をお持ちでしたらお試しください。

今からでも大丈夫です!

 

障害厚生年金の支給要件

(平成23年問4D)

傷病の初診日において65歳未満の被保険者であり、障害認定日において障害等級の1級、2級又は3級に該当する程度の障害の状態にあり、かつ保険料納付要件を満たしているときは、当該障害に係る障害認定日が65歳に達する日前までになくても、障害厚生年金を支給する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

障害厚生年金の支給要件は、

  1. 初診日において被保険者であったこと
  2. 障害認定日障害等級の状態にあること
  3. 保険料納付要件満たしていること

となっているので、障害認定日が65歳の前でなくても大丈夫です。

ちなみに、障害を負った原因については業務上、業務外関係ありません。

次の問題も年齢に関することですが、老齢厚生年金の場合、20歳未満だと合算対象期間になってしまいますが、

障害厚生年金の場合はどうなるのか見ておきましょう。

 

未成年でも被保険者であればオッケー?

(平成26年問3E)

厚生年金保険の被保険者であった18歳の時に初診日がある傷病について、その障害認定日に障害等級3級の障害の状態にある場合には、その者は障害等級3級の障害厚生年金の受給権を取得することができる。

 

解説

解答:正

先ほどの支給要件のとおり、障害厚生年金の場合は、初診日に被保険者であれば大丈夫なので、

たとえ18歳であったとしても他の要件を満たせば障害厚生年金は支給されます。

では障害厚生年金の他の支給要件として、「障害認定日」がありますが、それがどういうものだったのか確認しましょう。

 

障害認定日の定義とは

(平成25年問2E)

厚生年金保険法第47条に定める障害認定日は、初診日から起算して1年6か月を経過した日又は当該障害の原因となった傷病が治った日(その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。)のいずれか早い方である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

障害認定日は、

  • 初診日から起算して1年6月を経過した日
  • その期間内にその傷病が治った日

どちらか早い方になります。

で、問題文にあるように、

傷病が治った日というのは、ケガや病気の症状が固定してこれ以上治療しても現状より症状が良くならないケースも指します

たとえば、右足を骨折した場合であれば、治療してリハビリをすればケガをする前の状態に戻る可能性が高いですが、

不幸にして切断してしまった、となったら傷口の治療を行うことはできるでしょうが、ケガをする前の状態には戻れません。

なので、必要な治療をしてそれ以上症状が良くならないところまできたら「治った」と判断されるわけです。

さて、ケガや病気をして障害認定日を迎えたものの、

そのときは障害等級に該当しなかった場合は障害厚生年金を受け取ることはできません。

でも年月が経って症状が重くなり障害等級に該当することも十分あり得るわけです。

その時に障害厚生年金を請求する仕組みが「事後重症」と言われるものですが、

その事後重症の要件を次の問題でチェックしましょう。

 

事後重症の場合の障害厚生年金の請求はどうする?

(令和元年問3A)

傷病に係る初診日に厚生年金保険の被保険者であった者であって、かつ、当該初診日の属する月の前々月までに、国民年金の被保険者期間を有しない者が、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったが、障害認定日後から65歳に達する日までの間に、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至った場合、その期間内に、障害厚生年金の支給を請求することができる。

 

解説

解答:誤

「65歳に達する日」ではなく、事後重症の場合、障害等級に該当する状態になったら「65歳に達する日の前日」までに障害厚生年金の請求をする必要があります。

問題文が長いので本試験場で緊張している場では見逃してしまうかもしれませんが、

「心は熱く、頭は冷静に」

の心意気で1文字たりとも見逃さないようにしっかりと問題文を読みましょう。

では最後に事後重症に関する問題をもう一問見ておきましょう。

やはり、事後重症による障害厚生年金の「請求」についての論点になっています。

 

65歳を過ぎても事後重症による障害厚生年金の請求はできるのか

(平成29年問7D)

いわゆる事後重症による障害厚生年金について、障害認定日に障害等級に該当しなかった者が障害認定日後65歳に達する日の前日までに当該傷病により障害等級3級に該当する程度の障害の状態となり、初診日の前日において保険料納付要件を満たしている場合は、65歳に達した日以後であっても障害厚生年金の支給を請求できる。

 

解説

解答:誤

「65歳に達した日以後」ではなく、「65歳に達する日の前日」までに請求する必要があります。

問題文中に「保険料納付要件」という記載がありましたので、こちらも確認しておきましょう。

保険料納付要件とは、

  1. 初診日前日において
  2. 初診日の属する月の前々月までに「国民年金の被保険者期間」がある時
  3. 保険料納付済期間保険料免除期間を合わせた期間が、上記の国民年金の期間の「3分の2」以上

あることが必要です。

厚生年金の被保険者であれば、会社が被保険者のお給料から保険料を天引きして納付するので保険料納付要件の心配はありませんが、

国民年金の場合は自分で納付するので、ちゃんと納付しているのかチェックしているのですね。

 

今回のポイント

  • 障害厚生年金の支給要件は、
    1. 初診日において被保険者であったこと
    2. 障害認定日障害等級の状態にあること
    3. 保険料納付要件満たしていること

    となっています。

  • 障害厚生年金の場合は、初診日被保険者であれば大丈夫なので、たとえ18歳であったとしても年齢に関係なく、他の要件を満たせば支給されます。
  • 障害認定日は、
    • 初診日から起算して1年6月を経過した日
    • その期間内にその傷病が治った日

    どちらか早い方になります。

  • 保険料納付要件とは、
    1. 初診日前日において
    2. 初診日の属する月の前々月までに「国民年金の被保険者期間」がある時
    3. 保険料納付済期間保険料免除期間を合わせた期間が、上記の国民年金の期間の「3分の2」以上

    あることが必要です。

  • 事後重症の場合、障害等級に該当する状態になったら「65歳に達する日の前日」までに障害厚生年金の請求をする必要があります。

 

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