「国民年金法 これを読めば分かる!老齢基礎年金への振替加算の考え方」過去問・国-36

たとえば専業主婦の方は、昭和61年4月以後に第3号被保険者になっていても、旧法の時は任意加入だったので、いざ老齢基礎年金を受け取ろうとしても、

加入期間が短くて老齢基礎年金の額が少なくなる可能性があります。

なので、厚生年金などで加給年金額として加算されていた分を(満額ではないとしても)、専業主婦の老齢基礎年金に振り替える制度を作りました。

これが振替加算ですよね。

頭では分かっていても、いろいろと要件があるので難しく感じてしまうのは私だけでしょうか。。。苦笑

ですが、順を追って知識を積み上げて理解していくようにしましょう。

最初の問題は、振替加算の制度の内容が論点になっています。

 

振替加算の制度について

(平成22年問3C)

老齢厚生年金または障害厚生年金の加給年金額の計算の基礎となっていた配偶者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の老齢基礎年金の額に加算額を加算する特例が設けられている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

先ほどの例でいくと、夫が受給している老齢厚生年金などで加給年金額が加算されている専業主婦の方が65歳になった時、専業主婦の方は老齢基礎年金が一般的には受給できるようになります。

と同時に、これまで夫に支給されていた加給年金額の支給がなくなりますので、一定の要件を満たすと専業主婦の方の老齢基礎年金に振替加算が加算されるのですが、

振替加算の額について、もし夫が障害厚生年金を受けていたため加給年金額が出ていた場合、傷害等級によって振替加算の額が変わることはあるのでしょうか?

 

障害等級で振替加算の額が変わる??

(平成22年問4E)

老齢基礎年金の受給権者の配偶者が障害等級1級の障害厚生年金の受給権者であり、加給年金額を受けていたことにより当該老齢基礎年金に加算される振替加算の額は、その配偶者が障害等級2級に該当するときの額の1.25倍の額になる。

 

解説

解答:誤

障害等級によって振替加算の額が変わることはありません。

振替加算の額は、

224,700円 × 改定率 × 受給権者の生年月日によって定められた率」

となっていますので、障害等級が影響することはありません。

ちなみに、振替加算の受給権者の生年月日が若いほど、振替加算の額が少なくなるように率が決まっています。

なぜかというと、 若い人ほど、任意加入の期間が短くなり、昭和61年4月以降の第3号被保険者の期間が長くなるので、確実に老齢基礎年金を受け取れる額が上がっていくからですね。

では障害年金に関する過去問をもう少し見ておきましょう。

今度は、専業主婦の方が障害基礎年金を受給していたのを老齢基礎年金に変更した場合の取り扱いです。

 

障害基礎年金から老齢基礎年金へ変更になった場合、、、

(令和元年問8E)

障害基礎年金を受給中である66歳の女性(昭和28年4月2日生まれで、第2号被保険者の期間は有していないものとする。)は、67歳の配偶者(昭和27年4月2日生まれ)により生計を維持されており、女性が65歳に達するまで当該配偶者の老齢厚生年金には配偶者加給年金額が加算されていた。この女性について、障害等級が3級程度に軽減したため、受給する年金を障害基礎年金から老齢基礎年金に変更した場合、老齢基礎年金と振替加算が支給される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

障害等級が3級になったということは、障害基礎年金が支給停止されるので、老齢基礎年金に切り替えた場合、振替加算が支給されるようになります。

つまり、振替加算は老齢基礎年金が支給される時に一緒に加算されるもので、障害基礎年金などを受給している間は振替加算がつくことはありません。

さて先ほど、振替加算は老齢基礎年金につくものだと申し上げましたが、そもそも老齢基礎年金の額が「ゼロ」だった場合はどうなるのでしょう。

はたして本体の老齢基礎年金がなくても振替加算はつくのでしょうか。。。

 

本体の年金額がゼロでも大丈夫?

(平成27年問9E)

日本国籍を有する甲(昭和27年4月2日生まれの女性)は、20歳から60歳まで海外に居住し、その期間はすべて合算対象期間であった。また、60歳以降も国民年金に任意加入していなかった。その後、甲が61歳の時に、厚生年金保険の被保険者期間の月数を240か月以上有する乙(昭和24年4月2日生まれの男性)と婚姻し、65歳まで継続して乙に生計を維持され、乙の老齢厚生年金の加給年金額の対象者となっていた場合、甲が65歳になると老齢基礎年金の受給要件に該当するものとみなされ、振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、合算対象期間や学生納付特例期間しかなくても、他の要件を満たせば振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給されます。

では最後に、老齢基礎年金の支給を繰上げたり、逆に繰下げた場合に振替加算の取り扱いがどうなるのかを確認しておきましょう。

 

振替加算と老齢基礎年金の繰上げ繰下げの関係とは

(平成30年問5オ)

振替加算は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求をした場合は、請求のあった日の属する月の翌月から加算され、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算される。

 

解説

解答:誤

老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしたときは、「請求のあった日の属する月の翌月から」ではなく、「65歳に達した日の属する月の翌月から」振替加算が加算されます。

一方、支給繰下げをした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算されることになります。

まとめると、

  • 繰上げ →65歳に達した日の属する月の翌月から
  • 繰下げ →申出のあった日の属する月の翌月から

ということになります。

 

今回のポイント

  • 老齢厚生年金または障害厚生年金の加給年金額の計算の基礎となっていた配偶者が、老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の老齢基礎年金の額に加算額を加算する特例が設けられていて、これを振替加算といいます。
  • 振替加算の額は、「224,700円 × 改定率 × 受給権者の生年月日によって定められた率」となっています。
  • 振替加算は老齢基礎年金が支給される時に一緒に加算されるもので、障害基礎年金などを受給している間は振替加算がつくことはありません。
  • 合算対象期間や学生納付特例期間しかなくても、他の要件を満たせば振替加算額に相当する額の老齢基礎年金が支給されます。
  • 老齢基礎年金の支給繰上げの請求をしたときは、「請求のあった日の属する月の翌月から」ではなく、「65歳に達した日の属する月の翌月から」振替加算が加算されます。
  • 支給繰下げをした場合は、申出のあった日の属する月の翌月から加算されることになります。

 

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