このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、健康保険法の「時効」について見てみようと思います。
そもそも時効の対象となる給付なのか、時効が発生するとしたら起算日はいつなのかについて過去問を通して確認しましょう。
療養の給付を受ける権利の時効は?
(令和3年問4ア)
療養の給付を受ける権利は、これを行使することができる時から2年を経過したときは、時効によって消滅する。
解説
解答:誤り
「療養の給付」は、時効の問題は生じません。
療養の給付は、現物給付でその場で給付されるものですから、そもそも時効という概念がありません。
では、「療養費」の場合はどうでしょうか。
一旦、自己負担で全額費用を負担しますので、時効がありそうですね。
下の過去問で確認しましょう。
療養費の時効の起算日はいつ?
(平成30年問7D)
療養費の請求権の消滅時効については、療養費の請求権が発生し、かつ、これを行使し得るに至った日の翌日より起算される。例えば、コルセット装着に係る療養費については、コルセットを装着した日にコルセットの代金を支払わず、その1か月後に支払った場合、コルセットを装着した日の翌日から消滅時効が起算される。
解説
解答:誤り
問題文の場合、「療養費」の消滅時効の起算日は、コルセットを装着した翌日ではなく、コルセットの代金を支払った日の翌日となります。
「療養費」の消滅時効は、療養費の請求権が発生して、かつそれを行使し得るにいたった日の翌日から起算されます。
つまり、コルセットの代金を支払って、「療養費をください」と協会けんぽなどに請求をすることができるようになると、時効が発生するということになります。
では最後に、出産手当金の時効について見てみましょう。
原則として、保険給付を受ける権利は、その権利を行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅します。
となると、出産手当金の権利を行使することができる時というのは、いつのことを指すのでしょう。
出産手当金の消滅時効の起算日
(令和元年問4ウ)
出産手当金を受ける権利は、出産した日の翌日から起算して2年を経過したときは、時効によって消滅する。
解説
解答:誤り
出産手当金の消滅時効は、出産した日の翌日から起算するのではなく、「出産のため労務に服さなかった日ごとにその翌日から起算」します。
つまり、出産手当金全体をひとくくりにするのではなく、1日ごとに時効が発生するという考え方になりますね。
今回のポイント
- 「療養の給付」は、時効の問題は生じません。
- 「療養費」の消滅時効は、療養費の請求権が発生して、かつそれを行使し得るにいたった日の翌日から起算されます。
- 出産手当金の消滅時効は、「出産のため労務に服さなかった日ごとにその翌日から起算」します。
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