過去問

「社労士試験 労災保険法 特別支給金の効率的な押さえ方」過去問・労災-60

特別支給金」は、言ってしまえば本体の保険給付のおまけのようなイメージがありますが、

本体の保険給付だけでも大変なのに、特別支給金もあるのか、、、と思うと気が重くなってしまいますね。

ただ、内容については、本体の保険給付と似た要件が多いのと、独自路線を走っているもの(たとえば休業特別支給金の時効など)

があるので、まずは少数派から押さえていくと効率的ですね。

それでは過去問に入っていきましょう。

最初の問題のテーマは、「特別加入者」です。

特別加入者と特別支給金の関わりについて見ていくことにしましょう。

 

特別加入者と特別支給金

(平成28年問7D)

特別給与を算定基礎とする特別支給金は、特別加入者には支給されない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

特別支給金の中でも、特別給与を算定基礎とする特別支給金については、特別加入者は対象外になります。

(定率や定額で支給される特別支給金については特別加入者も対象になります)

なぜなら、特別給与というのは、ケガや発病の日以前1年間に支払われた、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金のことで、

いわゆるボーナスのことを指しますので、中小企業主や一人親方にないものですよね。

なので、ボーナスを算定基礎とした傷病特別年金や障害特別年金などといったものは特別加入者は対象外となるわけです。

で、労災保険法では、第三者行為災害でケガなどをした場合に、第三者からの損害賠償と保険給付とで調整が行われるのですが、

特別支給金ではどのような規定になっているのか見てみましょう。

 

第三者行為災害の場合、特別支給金はどうなる?

(令和2年問7C)

第三者の不法行為によって業務上負傷し、その第三者から同一の事由について損害賠償を受けていても、特別支給金は支給申請に基づき支給され、調整されることはない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、第三者行為災害については、特別支給金と損害賠償との調整が行われる旨の規定がないので、損害賠償との調整は行われません。

これは、特別支給金は社会復帰促進等事業の一環として被災した労働者の療養生活の援護をする性質のものなので、

被災した労働者の損害を補うものではないので、特別支給金では調整が行われないという判例があります。

さて、特別支給金はどのようにして申請を行うのかというと、原則としては、本体の保険給付の申請と同時に行うのですが、

特別支給金の申請について下の問題を読んでみましょう。

 

傷病特別支給金の支給申請

(平成28年問7C)

傷病特別支給金は、受給権者の申請に基づいて支給決定されることになっているが、当分の間、事務処理の便宜を考慮して、傷病補償年金または傷病年金の支給を受けた者は、傷病特別支給金の申請を行ったものとして取り扱って差し支えないこととされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

本体の保険給付である傷病(補償)年金は、労基署長の職権で支給決定されますが、傷病特別支給金は労働者が支給申請するのが原則になっています。

しかし、通達により当分の間、事務処理を簡単にするために、傷病(補償)年金の支給を受けたら傷病特別支給金の申請をしたものとして取り扱っても良いことになっています。

では、次に特別支給金の時効についてみていきましょう。

下の問題では、遺族特別支給金について問われていますので確認しましょう。

 

遺族特別支給金の時効

(平成24年問6E)

遺族特別支給金の支給の申請は、労働者の死亡の日の翌日から起算して2年以内に行わなければならない。

 

解説

解答:誤り

遺族特別支給金の支給申請は、労働者の死亡の翌日から起算して、2年ではなく「5年」以内に行う必要があります。

で、ほとんどの特別支給金の時効は5年なのですが、時効が「2年」のものが一つだけあるのです。

覚えるとすれば、こちらの方を覚えておくと良いと思いますが、いったい何の特別支給金なのでしょうか。

 

休業特別支給金の時効は?

(令和2年問7D)

休業特別支給金の支給は、社会復帰促進等事業として行われているものであることから、その申請は支給の対象となる日の翌日から起算して5年以内に行うこととされている。

 

解説

解答:誤り

休業特別支給金時効は、支給対象となる日の翌日から起算して「2年」以内に行うことになります。

ちなみに、この休業特別支給金には、特別給与を算定基礎とする、いわゆるボーナス特別支給金がありませんので合わせて押さえておきましょう。

 

今回のポイント

  • 特別支給金の中でも、特別給与を算定基礎とする特別支給金については、特別加入者は対象外になります。
  • 第三者行為災害については、特別支給金と損害賠償との調整が行われる旨の規定がないので、損害賠償との調整は行われません。
  • 傷病特別支給金は、傷病補償年金または傷病年金の支給を受けた者は、傷病特別支給金の申請を行ったものとして取り扱われ、労働者からの申請は必要ありません。
  • 遺族特別支給金の支給申請は、労働者の死亡の翌日から起算して、「5年」以内に行う必要があります。
  • 休業特別支給金時効は、支給対象となる日の翌日から起算して「2年」以内に行うことになります。

 

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