過去問

「社労士試験 徴収法 印紙保険料についてどれだけ覚えていますか?」 過去問・徴-59

今回は印紙保険料について出題された過去問を集めて見ました。

印紙保険料は、ほかの概算保険料などと取り扱いが違うので、別ものとして捉える必要がありますが、

追徴金など共通の事項で規定を混同しないようにしたいところです。

それでは最初の問題を見てみましょう。

この問題は、日雇労働被保険者にスポットが当たっていて、事業主が納付する保険料について問われていますので確認していきますね。

 

日雇労働被保険者が負担する保険料は?

(平成28年雇用問9B)

事業主は、その使用する日雇労働被保険者については、印紙保険料を納付しなければならないが、一般保険料を負担する義務はない。

 

解説

解答:誤り

事業主は、日雇労働被保険者について、印紙保険料一般保険料の両方を負担する必要があります。

印紙保険料は、2分の1の額を負担し、一般保険料についても事業主負担分が規定されていますので、その額を納付します。

逆にいうと、日雇労働被保険者も印紙保険料や一般保険料を納付する義務があるということになります。

印紙保険料の額については、この機にお手持ちのテキストで確認されてみてくださいね。

で、この印紙保険料は雇用保険印紙を使って納付することになりますが、

雇用保険印紙を購入しようとするときは、雇用保険印紙購入通帳を公共職業安定所長から交付してもらう必要があります。

ただ、この通帳には有効期限があって、期限後も使用するときは更新することになるのですが、

更新手続きをどうするのかが次の問題の論点になっていますので見てみましょう。

 

雇用保険印紙通帳の有効期間が切れそうな時は

(令和2年雇用問9E)

雇用保険印紙購入通帳の有効期間の満了後引き続き雇用保険印紙を購入しようとする事業主は、当該雇用保険印紙購入通帳の有効期間が満了する日の翌日の1月前から当該期間が満了する日までの間に、当該雇用保険印紙購入通帳を添えて雇用保険印紙購入通帳更新申請書を所轄公共職業安定所長に提出して、有効期間の更新を受けなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

雇用保険印紙購入通帳の有効期間は、保険年度ごとになっているので、

期限が切れる1ヶ月前である3月1日から3月31日までの間に、

雇用保険印紙購入通帳を添えて申請書を所轄公共職業安定所長に提出することで更新手続きができます。

ちなみに、雇用保険印紙の購入は、公共職業安定所ではなく、郵便局となっていますので区別しておく必要がありますね。

さて、印紙保険料を滞納したらどうなるのかについて見ていくことにしましょう。

事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合、印紙保険料に関する帳簿を作って、毎月納付状況を政府に報告する必要がありますが、

もし印紙保険料の納付を怠っていることがわかった場合、認定決定が行われます。

この認定決定の通知がどのように行われるのか次の問題を読んでみましょう。

 

印紙保険料を滞納したときの認定決定の方法

(平成25年雇用問9C)

事業主が印紙保険料の納付を怠ったことにより、所轄都道府県労働局歳入徴収官が行う認定決定の通知は、納入告知書によって行われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

印紙保険料認定決定は「納入告知書」で行われます。

で、認定決定された場合、滞納した印紙保険料だけでなく、追徴金も一緒に納付しなければなりません。

追徴金は、いわばペナルティになるわけですが、その額はどのようになっているのでしょうか。

下の問題を見てみましょう。

 

印紙保険料の場合の追徴金の額

(平成26年雇用問10D)

事業主が、印紙保険料の納付を怠ったことについて正当な理由がないと認められる場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は調査を行い、印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされているが、当該事業主は、当該決定された印紙保険料の額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)に100分の10を乗じて得た額の追徴金を納付しなければならない。

 

解説

解答:誤り

追徴金は、100分の10ではなく、認定決定された印紙保険料の額の「100分の25」です。

ちなみに、認定決定された印紙保険料の額に1000円未満の端数がある場合は切り捨てになりますので、

印紙保険料の額が1000円未満の場合は追徴金は発生しません。

では最後に、滞納した印紙保険料の納付方法について確認しておきましょう。

 

印紙保険料を滞納したときの納付方法は?

(平成24年雇用問9D)

事業主が印紙保険料の納付を怠った場合には、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、その納付すべき印紙保険料の額を決定し、これを事業主に通知することとされており、この場合、当該事業主は、現金により、日本銀行(本店、支店、代理店及び歳入代理店をいう。)又は所轄都道府県労働局収入官吏に、その納付すべき印紙保険料を納付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

認定決定された印紙保険料は「現金」で納付する必要がありますので、口座振替はできないということになります。

口座振替ができないという意味では、通常の印紙保険料も口座振替ができないですね。

 

今回のポイント

  • 事業主は、日雇労働被保険者について、印紙保険料一般保険料の両方を負担する必要があります。
  • 雇用保険印紙購入通帳の有効期間は、保険年度ごとになっており、期限が切れる1ヶ月前である3月1日から3月31日までの間に、雇用保険印紙購入通帳を添えて申請書を所轄公共職業安定署長に提出することで更新手続きができます。
  • 印紙保険料認定決定は「納入告知書」で行われます。
  • 追徴金は、100分の10ではなく、認定決定された印紙保険料の額の「100分の25」です。
  • 認定決定された印紙保険料は、「現金」で納付する必要があります。

 

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