『社労士試験 雇用保険法 「賃金日額」と「基本手当の日額」の関係についての復習です』過去問・雇-58

雇用保険法の基本手当は、社労士試験でも頻出の項目ですが、その基本となるのが「賃金日額」と「基本手当の日額」です。

ですが、少し知識があいまいだと、どっちがどのような定義だったか関係だったかがゴチャゴチャにになりやすいので整理して置くようにしましょう。

それでは最初の問題に入りたいと思います。

1問目は、賃金日額の元となる賃金についての論点になっていますので見ていくことにしましょう。

 

賃金日額の算定になる賃金とは

(平成30年問3B)

接客係等が客からもらうチップは、一度事業主の手を経て再分配されるものであれば賃金と認められる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

チップは基本的に賃金日額を計算するときの賃金にはなりませんが、

もらったチップが一度事業主の手に渡り、事業主から再分配されるものは賃金となります。

ちなみに、「賃金に含まれない」ものとしては、他に労基法による休業補償費や解雇予告手当、健康保険法の傷病手当金などがあげられます。

で、そもそも賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された、最後の6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180で割った金額になります。

(臨時に支払われる賃金や3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金は除きます)

この「180」というのは半年分のカレンダー上の日数(歴日数)ということになるのでしょう。

賃金が、月給制であれば、ほぼ一定の金額になるので良いのですが、

時給や日給で働いている人にとっては、毎日働いているとは限らないので、

歴日数で計算されると賃金日額の金額が少なくなって困る人もいると思います。

そのようなケースに対応するために、「最低保障」もあります。

最低保障って労働基準法でも聞いたことがありますが、雇用保険法ではどのように計算するのか見てみましょう。

 

出来高制の場合に、賃金日額はどのように計算されるか

(平成30年問3D)

賃金が出来高払制によって定められている場合の賃金日額は、労働した日数と賃金額にかかわらず、被保険者期間として計算された最後の3か月間に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び3か月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の総額を90で除して得た額となる。

 

解説

解答:誤り

賃金が、時給日給出来高制請負制で支払われる場合は、賃金の総額を90で割るのではなく、

  1. まず原則通りに、最後の6ヶ月間の賃金総額 を180で割り、
  2. 最後の6ヶ月間の賃金総額 を、(歴日数ではなく)労働日数 で割って100分の70を掛ける

で、高い方が賃金日額となります。

ちなみに、労働基準法の平均賃金を計算するときの最低保障は、まず、

  • 3ヶ月の賃金の総額をその暦日数で割った金額  と、
  • 3ヶ月の賃金の総額をその労働日数で割って100分の60を掛けた金額

の高い方が平均賃金となります。

労基法の平均賃金のキーワードは「3ヶ月」と「100分の60」ですね。

双方の違いを押さえて引っかけ問題が出ても対応できるようにしたいところです。

さて、次に「基本手当の日額」の計算方法について見ていくことにしましょう。

下の問題では60歳以上65歳未満の受給資格者について問われていますので確認していきますね。

 

基本手当の日額の計算方法

(令和元年問2ウ)

受給資格に係る離職の日において60歳以上65歳未満である受給資格者に対する基本手当の日額は、賃金日額に100分の80から100分の45までの範囲の率を乗じて得た金額である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

受給資格者が、60歳から65歳未満の場合、基本手当の日額は、「賃金日額」×「100分の80から100分の45までの範囲の率」ということになっています。

60歳未満の場合、上限の100分の80は同じですが、下限は100分の45ではなく、「100分の50」となっていますので注意しましょう。

60歳未満の方が下限の率が高いのは、子育てなどで支出が多い世代が含まれているので、60歳以上の方と比べて高い水準になっているのでしょうね。

ところで、失業期間中に、もしアルバイトなどをして収入があった場合、ハローワークには知らせないといけないのでしょうか。

次の問題でチェックしてみましょう。

 

受給資格者に収入があったときはどうする?

(平成26年問2イ)

受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得たときは、収入を得るに至った日の後における最初の失業の認定日に、管轄公共職業安定所長にその収入の額を届け出なければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

受給資格者が、失業の認定期間中に収入があったときは、収入を得た日から最初に来る失業認定日に、収入の額を届け出る必要があります

これは、自己の労働である程度の収入があると、基本手当の日額の金額が調整されるからなんですね。

仮に1日の短期バイトだったとしても、その日については働いたことで収入があるんだから、基本手当の全額を支給する必要はないよね、ということになります。

ちなみに、「自己の労働による収入」というのは、原則として1日の労働時間が4時間未満で、就職とはいえない程度のものを指します。

なので、たとえば、メル○リなどで服や家具などを売って得たお金は、自己の労働による収入にはなりません。

では最後に、受給資格者が収入を得たときに、基本手当の日額にどのような影響を与えるのか確認しておきましょう。

 

受給資格者が収入を得たときの基本手当の日額への影響

(平成26年問2ウ)

受給資格者が失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合、その収入の1日分に相当する額に雇用保険法第19条第2項に定める額を控除した額と基本手当の日額との合計額が賃金日額の100分の80に相当する額を超えないときは、基本手当の日額に100分の80を乗じ、基礎日数を乗じて得た額を支給する。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、基本手当の日額の減額は行われません。

受給資格者に収入があったとき、基本手当の日額についてどのような影響があるのかというと、

基本手当の日額」と「収入ー1312円」を合わせた金額が、「基本手当の日額の80%」を超えない場合は減額されません

また、「基本手当の日額」と「収入ー1312円」を合わせた金額から「基本手当の日額の80%」を引いた額が、

基本手当の日額の金額よりも多い場合は、基本手当の支給額はゼロです。

まずは、この2つの要件を押さえてしまいましょう。

 

今回のポイント

  • チップは基本的に賃金日額を計算するときの賃金にはなりませんが、もらったチップが一度事業主の手に渡り、事業主から再分配されるものは賃金となります。
  • 賃金日額は、算定対象期間において被保険者期間として計算された、最後の6ヶ月間に支払われた賃金の総額を180で割った金額になります。
  • 賃金が、時給日給出来高制請負制で支払われる場合は、
    1. まず原則通りに、最後の6ヶ月間の賃金総額 を180で割り、
    2. 最後の6ヶ月間の賃金総額 を、(歴日数ではなく)労働日数 で割って100分の70を掛ける

    この2つの高い方が賃金日額となります。

  • 受給資格者が、60歳から65歳未満の場合、基本手当の日額は、「賃金日額」×「100分の80から100分の45までの範囲の率」ということになっていて、60歳未満の場合は、上限の100分の80は同じですが、「100分の50」となっています。
  • 受給資格者が、失業の認定期間中に収入があったときは、収入を得た日から最初に来る失業認定日に、収入の額を届け出る必要があります
  • 基本手当の日額」と「収入ー1312円」を合わせた金額が、「基本手当の日額の80%」を超えない場合は減額されません
  • 基本手当の日額」と「収入ー1312円」を合わせた金額から「基本手当の日額の80%」を引いた額が、基本手当の日額の金額よりも多い場合は、基本手当の支給額はゼロです。

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