「社労士試験 徴収法 増加概算保険料と追加徴収の押さえ方とは」徴-56

今回は、増加概算保険料追加徴収について取り上げたいと思います。

これらはどちらも、概算保険料の一部ですが、

「どんな要件で成立して」、「本体の概算保険料の延納とどう違うのか」、「増加概算保険料と追加徴収で違う点はどこか」、

といった点から押さえていくと整理しやすいかもしれません。

それでは早速見ていきましょう。

1問目は、増加概算保険料の成立要件です。

どういった条件がそろえば増加概算保険料を納付しなければならないのか見てみましょう。

 

増加概算保険料の成立要件

(平成23年労災問8B)

労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

増加概算保険料が発生する要件は、

  • 増加後の保険料算定基礎額の見込額が、増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200超え 「かつ
  • 増加後の保険料算定基礎額の見込額に基いて算定した概算保険料の額と、既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であること

となっています。

で、問題文のように最初は労災保険の適用しかなかったところに、労働者の数が増えたと言った理由で雇用保険も適用されることになった場合、

上記の要件に該当したら、増加概算保険料の申告と納付が必要になります。

では、増加概算保険料の申告はいつまでにすればいいのでしょうか。

下の過去問を見てみましょう。

 

増加概算保険料の申告と納付の期限は?

(平成23年労災問8A)

継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当するに至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行なわなければならないが、有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働者の増加などの理由で増加概算保険料の納付要件に該当した場合は、「賃金総額の増加が見込まれた日」から「30日以内」に納付書で納付することになります。

また、1問目のように、労災保険と雇用保険の両方が成立することになったことで増加概算保険料の納付要件に該当した場合は、

一般保険料が変更になった翌日から「30日以内」に納付書で納付します。

これらは、継続事業、有期事業ともに同じです。

さて、概算保険料に延納の制度があり、労働保険料を分割払いできましたが、増加概算保険料の場合はどうなのでしょう。

保険料が2倍を超えてしまったわけですから、こちらも延納できるといいのですが、、、

 

増加概算保険料って延納できる?

(令和2年雇用問8C)

概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主が、増加概算保険料の納付について延納を希望する場合、7月1日に保険料算定基礎額の増加が見込まれるとき、3回に分けて納付することができ、最初の期分の納付期限は7月31日となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これは、概算保険料についてすでに延納が認められていれば、増加概算保険料についても延納できるよ、という規定になっています。

最初の延納分の納付は、30日以内に納付するのですが、概算保険料の時と違って

期間の半分(2ヶ月)を過ぎていてもその期の分として納付できます。

つまり、本体の概算保険料の場合、4〜7月の第1期では、保険関係の成立が7月だったとすると、

4月から見たときに2ヶ月以上経過しているので、

第1期と第2期を合体させた保険料を、成立時から50日以内に納付する必要があります。

しかし、増加概算保険料の場合は、要件に該当した時から30日後に、その期の分を納付すればよく、

次の期間の保険料と合体することはありません

なので、問題文のケースでは、7月31日に最初の分の納付を行い、延納も3回に分けて行うことができるというわけです。

では、次は「追加徴収」について見てみましょう。

追加徴収というのは、概算保険料を追加で徴収する、ということですが、どのような規定になっているのか確認していきますね。

 

追加徴収のルール

(平成30年労災問9ア)

政府が、保険年度の中途に、一般保険料率、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、法律上、当該保険料の額について追加徴収が行われることとなっている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

追加徴収の場合、増加した保険料の金額に関係なく徴収されることになっています。

増加概算保険料のように、保険料が2倍を超えたとか、差額が13万円以上といったものがないということですね。

しかも、追加徴収する場合は、通知を発する日から30日を経過した日を納期限にして、

納付金額と納期限を事業主に「通知しなければならない」と規定されています。

でも、もし逆に保険料が引き下げられることがあったとしたら、保険料の還付は行われるのでしょうか。

答えは「NOです」。笑

保険料の引き下げで還付をするという規定はないんですね。

さて、最後に追加徴収される概算保険料分も延納できるのかどうかを確認しておきましょう。

 

追加徴収される概算保険料も延納できる?

(平成27年雇用問9B)

概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主が、労働保険徴収法第17条第2項の規定により概算保険料の追加徴収の通知を受けた場合、当該事業主は、その指定された納期限までに延納の申請をすることにより、追加徴収される概算保険料を延納することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

本体の概算保険料について延納が認められている場合は、追加徴収分についても申請をすれば延納をすることができます。

あくまでも「申請」が必要ということですね。

 

今回のポイント

  • 増加概算保険料が発生する要件は、
    • 増加後の保険料算定基礎額の見込額が、増加前の保険料算定基礎額の見込額の100分の200超え 「かつ
    • 増加後の保険料算定基礎額の見込額に基いて算定した概算保険料の額と、既に納付した概算保険料の額との差額が13万円以上であること

    となっています。

  • 労働者の増加などの理由で増加概算保険料の納付要件に該当した場合は、「賃金総額の増加が見込まれた日」から「30日以内」に納付書で納付することになります。
  • 概算保険料についてすでに延納が認められていれば、増加概算保険料についても延納できるよ、という規定になっています。
  • 最初の延納分の納付は、30日以内に納付するのですが、概算保険料の時と違って最初の期については、2ヶ月を超えていなくてもその期の分として納付できます。
  • 政府が、保険年度の中途に保険料率の引上げを行ったときは、増加した保険料の額の多少にかかわらず、保険料の額について追加徴収が行われることとなっています。
  • 本体の概算保険料について延納が認められている場合は、追加徴収分についても申請をすれば延納をすることができます。

 

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