このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働に関する一般常識から「労働契約法」の「懲戒」について見てみようと思います。
労働契約法からみた懲戒はどのように社労士試験で出題されているのか確認しましょう。
労働契約法に規定されている「懲戒」とは
(令和元年問3C)
労働契約法第15条の「懲戒」とは、労働基準法第89条第9号の「制裁」と同義であり、同条により、当該事業場に懲戒の定めがある場合には、その種類及び程度について就業規則に記載することが義務付けられている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働契約法の「懲戒」と労基法の「制裁」は同じ意味で、事業場に懲戒の定めがある場合は、その種類や程度について就業規則に記載する必要があります。
まず、労働契約法第15条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合、懲戒の権利を濫用したものとしては無効となる旨の規定になっています。
また、労働契約法では「懲戒」と言いますが、労基法上では「制裁」と呼ばれています。
制裁の定めをする場合は、相対的必要記載事項として就業規則に記載する必要がありますので、
労働契約法の懲戒も同様に、就業規則に記載しなければならない旨の通達が出ています。
では、最高裁判例から懲戒について見てみましょう。
社労士試験でどのように問われているのでしょうか。
懲戒処分が権利の濫用と認められたケース
(平成29年問1D)
従業員が職場で上司に対する暴行事件を起こしたことなどが就業規則所定の懲戒解雇事由に該当するとして、
使用者が捜査機関による捜査の結果を待った上で当該事件から7年以上経過した後に諭旨退職処分を行った場合において、
当該事件には目撃者が存在しており、捜査の結果を待たずとも使用者において処分を決めることが十分に可能であったこと、
当該諭旨退職処分がされた時点で企業秩序維持の観点から重い懲戒処分を行うことを必要とするような状況はなかったことなど判示の事情の下では、
当該諭旨退職処分は、権利の濫用として無効であるとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働契約法第16条には、
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
と規定しています。
諭旨退職処分に7年もかかったのは、捜査機関の捜査結果を待っていたという理由があったにしろ、
事件の目撃者もいたわけで、自社で懲戒処分を行うことは十分できたはずと判断され、
7年後のタイミングで諭旨退職処分という重い処分を行う必要がなかったとされたため、権利の濫用として無効になったのです。
もし、本試験で判例が出題された場合、該当する条文を思い出したうえで、世間一般的に話が通るものかどうかという尺度でも判断されてみると良いと思います。
今回のポイント
- 労働契約法の「懲戒」と労基法の「制裁」は同じ意味で、事業場に懲戒の定めがある場合は、その種類や程度について就業規則に記載する必要があります。
- 労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定しています。
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