「労基法 これを読めばわかる!みなし労働時間制の攻略!」過去問・労基-32

みなし労働時間制で私が受験勉強の時に悩んでいたのは、「届出」ですね。

たとえば、事業場外のみなし労働時間制ではどんなときに届出が必要なのか、労使委員会で決議しても労基署に届け出なければならないのはどんな時か、などですね。

これらについては、過去問演習を通じて「間違えながら」覚えるのが早いです。

「間違える」というのは、それだけイベント記憶として脳に刻まれますから。笑

なので、間違えることを恐れず腐らず繰り返し解いていきましょう。

それでは最初は、事業場外のみなし労働時間制についての過去問です。

 

事業場外のみなし労働時間制で労基署へ届出が要らないケースとは?

(令和元年問6C)

労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、当該労使協定を所轄労働基準監督署長に届け出る必要はない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

原則として事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、所轄労働基準監督署長に届け出る必要があります

ただ、協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、届け出る必要はありません。

たとえば、外回りの営業と社内での事務処理の時間を合わせて法定労働時間を超えないのであれば、時間外の残業もないわけなので、労基署に届ける必要はない、ということですね。

では次はコロナの影響で浸透しつつある在宅ワークについての要件を扱った過去問になります。

在宅ワークが事業場外のみなし労働時間制として認められるには、どのようなことをクリアする必要があるのでしょうか。

 

在宅勤務は無条件で事業場外のみなし労働時間制に適用される??

(平成22年問5E)

労働基準法第38条の2に定めるいわゆる事業場外労働のみなし制は、情報通信機器を用いて行う在宅勤務の場合、どのような要件の下でも、結局は当該通信機器を通じて使用者の管理を受けることとなるため、適用されない。

 

解説

解答:誤

「どのような要件の下でも適用されない」わけではなく、一定の要件を満たせば、在宅勤務事業場外のみなし労働時間制として適用されます。

問題文のように、情報通信機器を用いて行う在宅勤務において、事業場外労働のみなし制が適用されるためには

  1. 当該業務が、起居寝食等私生活を営む自宅で行われること。
  2. 当該情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態におくこととされていないこと。
  3. 当該業務が、随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと。

となっています。

文中にある、「情報通信機器」というのは、一般的にはパソコンが該当すると思われますが、労働者の個人所有による携帯電話などもありえるので、実態に即して判断するものとされています。

また、「使用者の指示により常時通信可能な状態」とは、労働者が自分の意思で通信可能な状態を切断することが使用者から認められていない状態を指します。

たとえば、上司からメールが来たら、すぐに対応しなければならないような状態で、会社にいる時と変わらず、常に指揮命令下にある状態だと事業場外のみなし労働時間制に適用されない、ということです。

なので、部下が在宅ワークしているからと言って、ガチガチに拘束してしまうと、事業場外のみなし労働時間制とは認められず、定時過ぎても働いているようなら残業代を支払うことになりかねませんね。

ちなみに、こちらは通達からの出題になっています。

リンクを貼っておきますので、ご興味のある方はご自由にご参考にされてくださいね。

 

参考記事:基発第0728002号 (平成20年7月28日 ページの後半に記載)

 

次は、労使委員会についての問題を見ていきましょう。

 

労使委員会の決議でどんなことができる?

(平成22年問7D)

労働基準法第38条の4第1項に定めるいわゆる労使委員会は、同条が定めるいわゆる企画業務型裁量労働制の実施に関する決議のほか、労働時間・休憩及び年次有給休暇に関する労働基準法上の労使協定に代替する決議を行うことができるものとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労使委員会は、企画業務型裁量労働制や、労働時間・休憩及び年次有給休暇に関する労使協定に代替する決議を行うことができます。

ちなみに労使委員会で労使協定に代替する決議になるためには、その委員の5分の4以上の多数による議決が必要です。

ただし、賃金の一部控除や、従業員の委託による預貯金の管理についての労使協定は、労使委員会の決議に代えることはできません

さて、この労使委員会のメンバーはどのように決められているのでしょうか。

次の過去問でチェックしましょう。

 

労使委員会の労働者側委員はどのように決められる?

(平成22年問7E)

労働基準法第38条の4第1項に定めるいわゆる労使委員会の労働者側委員は、当該事業場の労働者の投票又は挙手によって選出されなければならない。

 

解説

解答:誤

労使委員会の労働者側委員は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者任期を定めて指名されることが必要です。

で、このように決められた労使委員会ですが、その労使委員会をもってしても、きちんと所轄労基署に届け出なければならない事項があります。

最後にそれは何なのかを確認しておきましょう。

 

36協定についての届出は労使委員会で決議されても省略できない?

(平成29年問4A)

労働基準法第36条(以下本問において「本条」という。)に定める時間外及び休日の労働について、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第7条により労働時間等設定改善委員会が設置されている事業場においては、その委員の5分の4以上の多数による議決により決議が行われたときは、当該決議を本条に規定する労使協定に代えることができるが、当該決議は、所轄労働基準監督署長への届出は免除されていない。

 

解説

解答:正

問題文のとおり、36協定にかかる労使協定は、労使委員会の決議に代えることができますが、所轄労基署への届出は必要です。

ちなみに、労基署への届出が必要なのは、この36協定だけです。

 

今回のポイント

  • 原則として事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定は、所轄労働基準監督署長に届け出る必要がありますが、協定で定める時間が法定労働時間以下である場合には、届け出る必要はありません。
  • 一定の要件を満たせば、在宅勤務事業場外のみなし労働時間制として適用されます。
  • 労使委員会は、企画業務型裁量労働制や、労働時間・休憩及び年次有給休暇に関する労使協定に代替する決議を行うことができます。
  • 労使委員会の労働者側委員は、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者任期を定めて指名されることが必要です。
  • 36協定にかかる労使協定は、労使委員会の決議に代えることができますが、所轄労基署への届出は必要です。

 

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