「徴収法 5分でわかる請負事業の一括要件」過去問・徴-39

請負事業の一括は、有期事業の一括と似ていますが、一括できるのは「建設の事業」だけで、立木の伐採は一括できません。

それに一括されるのは単なる「事業」ではなく、元請負人の事業と、下請負人ということで別の会社の事業を一括するというお話なのです。

なので、有期事業と違って「分離」という用語が出てくるところが請負事業の一括の特徴でもありますね。

今回は、そんな請負事業の一括に関する過去問を集めましたので見ていくことにしましょう。

 

請負の事業が一括される業種は?

(平成26年労災問9B)

機械器具製造業の事業が数次の請負によって行われる場合には、労働保険徴収法の規定の適用については、それらの事業は一の事業とみなされ、元請負人のみが当該事業の事業主とされる。

 

解説

解答:誤

数次の請負事業を一括できるのは、「機械器具製造業」ではなく、「建設」の事業となります。

「数次の請負」ときたら「建設!」と反応できたらこっちのものですね。

で、「一括」という言葉が出てきておりますが、何を一括するのかを確認しておきましょう。

労災保険は一括されるものとして、雇用保険はどうなるのか、ですね。

 

雇用保険も一括の対象となるの?

(平成26年労災問9D)

労災保険の保険関係が成立している建設の事業が数次の請負によって行われる場合であって、労働保険徴収法の規定の適用については、元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合においても、雇用保険に係る保険関係については、元請負人のみが当該事業の事業主とされることなく、それぞれの事業ごとに労働保険徴収法が適用される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

請負の事業の一括労災保険にかかる保険関係だけで、雇用保険についてはそれぞれの事業ごとに適用されます。

これは有期事業の一括でもそうです。

で、請負事業の一括は有期事業の一括と同じで、法律上当然に行われます。

ただ、有期事業の一括は事業主が同一人ですが、請負事業の一括は数次の請負が一括されるので、一括される事業主が複数いるんですね。

なので、法律上当然に請負事業が一括されたとしても、なんらかの事情で

「保険関係は別々にしたいんですけど」

という話が出てくることがありそうです。

つまり、下請負事業を下請負事業から「分離」するときにどのように手続きをするのか、下の過去問で確認しましょう。

 

請負事業の一括を分離するためには

(平成27年労災問10A)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けようとするときは、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内であれば、そのいずれかが単独で、当該下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出して、認可を受けることができる。

 

解説

解答:誤

下請負事業の分離認可申請は、「いずれかが単独」ではなく、「元請負人及び下請負人が共同で」行う必要があります。

保険関係が成立した日の翌日から起算して「10日以内」との記述は正しいです。

でも、「10日以内」というのはなかなかシビアな期限のような気がするのは私だけでしょうか。。。

何があっても10日以内に手続きをしなければならないのでしょうか??

 

もし期限内に申請ができない理由があったら、、、

(平成27年労災問10D)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の下請負人を事業主とする認可申請書については、天災、不可抗力等の客観的理由により、また、事業開始前に請負方式の特殊性から下請負契約が成立しない等の理由により期限内に当該申請書を提出できない場合を除き、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、「天災、不可抗力等の客観的理由」や「下請負契約が成立しない」などやむを得ない理由で期限内に、分離の申請書が提出できなかったときは、期限後でも提出することができます

ちなみに、下請負人の分離は、下請負人の事業の概算保険料が160万円以上あるか、請負金額が1億8000万円以上であれば可能です。

なので、下請負人とは言っても、そこそこの規模がないと分離できないんですね。

さて、請負事業の一括を分離することができたら、今度は下請負人が元請負人にかわって事業主になるわけですが、

下請負人のそのまた下請負人などに対してはどのような立場になるのかを最後に見ておきましょう。

 

分離の認可を受けたら下請負人の立場は?

(平成27年労災問10E)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けた場合、当該下請負人の請負に係る事業を一の事業とみなし、当該下請負人のみが当該事業の事業主とされ、当該下請負人以外の下請負人及びその使用する労働者に対して、労働関係の当事者としての使用者となる。

 

解説

解答:誤

事業主となった下請負人は、自分以外の下請負人やその労働者に対しては、「使用者」になるわけではなく、保険料を納付するための事業主になるだけです。

 

今回のポイント

  • 請負事業の一括は、一括できるのは「建設の事業」だけで、立木の伐採は一括できません。
  • 請負の事業の一括労災保険にかかる保険関係だけで、雇用保険についてはそれぞれの事業ごとに適用されます。
  • 下請負事業の分離認可申請は、「元請負人及び下請負人が共同で」行う必要があります。
  • 問題文のとおりで、「天災、不可抗力等の客観的理由」や「下請負契約が成立しない」などやむを得ない理由で期限内に、分離の申請書が提出できなかったときは、期限後でも提出することができます
  • 事業主となった下請負人は、自分以外の下請負人やその労働者に対しては、「使用者」になるわけではなく、保険料を納付するための事業主になるだけです。

 

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