概算保険料の申告・納付は、一括有期事業を含んだ継続事業と、有期事業で扱いが違いますので、その違いを意識しながら知識を定着させましょう。
過去問演習も大切ですが、テキストなどで表にまとめてあるのがあれば、それを何度も復習するのも方法です。
本試験までに間に合えばいいので、コツコツ続けていきましょう。
それでは過去問に進んでいきたいと思います。
最初の問題は、一括有期事業における概算保険料の申告と納付期間が論点になっています。
普通の有期事業とどのような違いがあるのでしょうか。
一括有期事業の概算保険料の申告と納付の期間は?
(平成23年労災問10B)
有期事業の一括とされた事業においては、概算保険料の申告・納付の期限は、継続事業(保険年度の中途に保険関係が成立した事業及び特別加入の承認があった事業を除く。)と同様に、保険年度の6月1日を起算日として40日以内とされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
一括された有期事業は継続事業と同じ扱いになりますので、概算保険料の申告と納付は、6月1日を起算日として40日以内に行うことになります。
ちなみに、 保険関係が保険年度の中途で成立した継続事業の場合、保険関係が成立した日(翌日起算)から50日以内に概算保険料を申告・納付を行う必要があります。
では、概算保険料の納付額ですが、どのように算定して納付するのでしょうか。
継続事業の場合の規定について次の問題で確認しましょう。
継続事業の概算保険料の金額
(令和元年労災問8D)
継続事業で特別加入者がいない場合の概算保険料は、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下本肢において同じ。)の見込額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料に係る保険料率を乗じて算定する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続事業の概算保険料の額は、原則としては
「その保険年度に使用するすべての労働者かかる賃金総額の見込額×一般保険料率」
ということになるのですが、
賃金総額の見込額が直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、
「直前の保険年度に使用したすべての労働者にかかる賃金総額」
を当年の見込額として一般保険料率を掛けて算定します。
ちなみに、端数処理として、賃金総額に1000円未満の端数は切り捨てとなります。
さて、次は有期事業の概算保険料について見てみましょう。
先ほどの継続事業では、成立してから50日以内に概算保険料の申告と納付を行うことになっていましたが、
有期事業の場合はどうなっているのでしょうか。
有期事業の概算保険料の納付期限
(平成27年労災問9B)
建設の有期事業を行う事業主は、当該事業に係る労災保険の保険関係が成立した場合には、その成立した日の翌日から起算して20日以内に、概算保険料を概算保険料申告書に添えて、申告・納付しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
有期事業の概算保険料の申告と納付は、成立日の翌日から起算して20日以内となっています。
継続事業と比べるとかなり期間が短いですね。
有期事業は、その名のとおり事業の終わりが来ることが確定しているので、
小規模の建設工事であれば短期間で終了して保険関係が消滅してしまうこともあるわけです。
なので、概算保険料の納付に50日も待っていられないというところでしょうね。
それでは、有事事業の概算保険料の額について見ておきましょう。
継続事業との違いに注目したいですね。
有期事業の概算保険料の額は?
(平成27年労災問9D)
複数年にわたる建設の有期事業の事業主が納付すべき概算保険料の額は、その事業の当該保険関係に係る全期間に使用するすべての労働者に係る賃金総額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は切り捨てる。)の見込額に、当該事業についての一般保険料率を乗じて算定した額となる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
概算保険料の額は、継続事業であれば年度ごとに区切っていましたが、有期事業の場合は事業の全期間に使用する賃金総額の見込額に一般保険料を掛けて算出します。
ということは、何年も続く長期間の事業の場合は保険料も相当な額になりますね。
なので、延納の制度を使って分割払いにすることもできるわけですね。
では最後に、労働保険料の納付先について確認しておきましょう。
労働保険料の納付先
(平成30年雇用問9オ)
雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業の一般保険料については、所轄公共職業安定所は当該一般保険料の納付に関する事務を行うことはできない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
公共職業安定所へ労働保険料の納付はできません。
通常、労働保険料は、日本銀行または都道府県労働局収入官吏もしくは労働基準監督署収入官吏に納付することになっています。
どうして、公共職業安定所が労働保険の納付の事務をしていないのかというと、受験勉強時代に聞いた話だと、公共職業安定所は忙しいから、と言っていました。
真偽のほどは分かりませんが。笑
今回のポイント
- 一括された有期事業は継続事業と同じ扱いになりますので、概算保険料の申告と納付は、6月1日を起算日として40日以内に行うことになります。
- 継続事業の概算保険料の額は、原則としては「その保険年度に使用するすべての労働者かかる賃金総額の見込額×一般保険料率」ということになるのですが、賃金総額の見込額が直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、「直前の保険年度に使用したすべての労働者にかかる賃金総額」を当年の見込額として一般保険料率を掛けて算定します。
- 有期事業の概算保険料の申告と納付は、成立日の翌日から起算して20日以内となっています。
- 有期事業の概算保険料の額は、事業の全期間に使用する賃金総額の見込額に一般保険料を掛けて算出します。
- 通常、労働保険料は、日本銀行または都道府県労働局収入官吏もしくは労働基準監督署収入官吏に納付することになっていますので、公共職業安定所へ労働保険料の納付はできません。
毎日の勉強のヒントにどうぞ♫
本試験日まではまだ1ヶ月もあります。
1ヶ月しかないと考えるとしんどいですが、
1ヶ月もある、と思うだけで気持ちが楽になりますし、
気持ちが楽になると冷静に前進することができますので、時間を味方につけましょう♫
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