過去問

「社労士試験 雇用保険法 被保険者の資格取得と確認について再チェック!」過去問・雇-73

今回は、被保険者の「資格取得」と「確認」について問われた過去問を見ていきたいと思います。

「確認」については、事業主からの届出労働者からの請求公共職業安定所長の職権で行われますが、

労働者の被保険者としての状態を特定するものなので、失業等給付などにも大きく関わってきますよね。

給付の前段階として大切な項目ですので再チェックしていきましょう。

それでは過去問を見ていきたいと思います。

まずは、短期雇用特例被保険者の資格取得について確認します。

適用除外の状態から資格を取得するタイミングがどうなっているのか見ておきましょう。

 

短期雇用特例被保険者が資格を取得するタイミング

(平成26年問5A)

100日の期間を定めて週あたり労働時間が35時間で季節的に雇用されていた者が、引き続き30日間雇用されるに至った場合は、その30日間の初日から短期雇用特例被保険者となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

短期雇用特例被保険者は、4ヶ月以内の期間で季節的業務に雇用される場合は適用除外となりますが、

引き続き雇用されることになった場合、4ヶ月目の初日から被保険者の資格を取得することになります。

短期雇用特例被保険者になるタイミングが、引き続き雇用されることになったときではないことに注意が必要ですね。

それでは、いよいよ「確認」について見ていくことにしましょう。

「確認」というのは、被保険者としての義務や権利を特定することです。

たとえば、就職して雇用保険の被保険者になった場合は、保険料の納付義務が発生しますし、

退職したら、基本手当などの受給を受ける権利が生じる可能性がありますから、

「確認」のタイミングで、その人がどのような状態になっているのかを特定するわけですね。

で、この「確認」を誰が請求できるのかが次の問題で問われていますので見てみましょう。

 

被保険者についての確認請求ができるのは誰?

(平成23年問7B)

雇用保険法第8条の規定に基づき厚生労働大臣に対して被保険者になったこと又は被保険者でなくなったことの確認を行うよう請求をすることができるのは、現に適用事業に雇用されている者に限られず、過去に適用事業に雇用されていた者も含まれる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

確認の請求の内容は、「被保険者になったこと」や「被保険者でなくなったこと」について行うわけですが、

請求ができるのは、「被保険者」と「被保険者であった者」となります。

「被保険者でなくなったこと」について確認をするときは、仕事を辞めているわけですから、「被保険者であった者」からの確認の請求になりますね。

また、直近に辞めた適用事業より前の適用事業についても確認ができます。

たとえば基本手当の受給資格要件を確認するのに、一つの適用事業だけで判断するとは限りませんもんね。

とはいっても、確認の請求がいつまでさかのぼって出来るのか気になりますよね。

次の問題では、確認請求に時効があるのかがどうかが論点になっていますので見てみましょう。

 

確認請求に時効はある?

(平成26年問4B)

被保険者であった者に係る資格取得の確認の請求をする権利は、離職後2年を経過すれば時効によって消滅する。

 

解説

解答:誤り

確認請求については、時効の規定がないので問題文は誤りです。

法8条では、「いつでも」確認の請求ができる、と規定していますのから、時効はないと言えそうですね。

ちなみに、雇用保険法で出てくる時効は「2年」で、失業等給付などを受ける権利や、返還、不正受給にかかる徴収の権利に対して適用されています。

それでは、確認請求を実際にどのようにするのかについて見ておきましょう。

 

確認請求はどうやって行う?

(平成29年問3B)

文書により、一般被保険者となったことの確認の請求をしようとする者は、その者を雇用し又は雇用していた事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に所定の請求書を提出しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働者による確認請求は、文書口頭で行うことができますが、請求する先は、事業所の所在地を管轄している公共職業安定所になります。

労働者の住所を管轄しているハローワークではないということですね。

では最後に、被保険者の資格取得届や資格喪失届の提出があったのに、そのような事実がないと認められた場合の通知について確認しましょう。

 

届出の事実がないと認められたら?

(令和2年問1B)

公共職業安定所長は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出があった場合において、被保険者でなくなったことの事実がないと認めるときは、その旨につき当該届出をした事業主に通知しなければならないが、被保険者でなくなったことの事実がないと認められた者に対しては通知しないことができる。

 

解説

解答:誤り

資格取得届や資格喪失届の提出があった時に、「被保険者となったこと」や「被保険者でなくなったこと」の事実がないと認めるときは、事業主だけでなく、労働者本人にも通知する必要があるので、問題文は誤りです。

でないと、たとえば求職の申込をしようとする人に、被保険者でなくなった事実がないという通知が行かないと困ったことになりますからね。

 

今回のポイント

  • 短期雇用特例被保険者は、4ヶ月以内の期間で季節的業務に雇用される場合は適用除外となりますが、引き続き雇用されることになった場合、4ヶ月目の初日から被保険者の資格を取得することになります。
  • 確認の請求の内容は、「被保険者になったこと」や「被保険者でなくなったこと」について行うわけですが、請求ができるのは、「被保険者」と「被保険者であった者」が対象です
  • 確認請求については、時効の規定がありません
  • 労働者による確認請求は、文書口頭で行うことができますが、請求する先は、事業所の所在地を管轄している公共職業安定所になります。
  • 資格取得届や資格喪失届の提出があった時に、「被保険者となったこと」や「被保険者でなくなったこと」の事実がないと認めるときは、事業主だけでなく、労働者本人にも通知する必要があるので、問題文は誤りです。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

人の本能として、「なんで?」と疑問を持つことは当然のことです。

どうしてこんな制度になっているのかと気になるところですが、

目下の目標を「試験の合格」とするなら、

湧きあがった疑問の解明は合格後のお楽しみに取っておきましょう(^^)

 

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