「社労士試験 徴収法 罰則についての取扱説明書」過去問・徴-48

徴収法での罰則は、事業主だけでなく労働保険事務組合も対象になることがあり、罰則を課す目的は労働保険料の納付にフォーカスしていますね。

事業主や労働保険事務組合がきちんと労働保険料を納めるよう、罰金刑だけでなく懲役刑もくっついているのが印象的です。

では、早速最初の問題を見ていきましょう。

下の問題は「雇用保険印紙」についての論点になっています。

事業主が雇用保険印紙の受払状況をきちんと報告しないとどうなるのでしょうか。。。

 

雇用保険印紙の報告をしなかったとき、罰則はある?

(平成27年雇用問8C)

日雇労働被保険者を使用している事業主が、印紙保険料納付状況報告書によって、毎月におけるその雇用保険印紙の受払状況を翌月末日までに所轄都道府県労働局歳入徴収官に報告をしなかった場合には、当該事業主に罰則規定の適用がある。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合、印紙保険料に関する納付状況を毎月、翌月末までに報告する必要がありますが、

この規定に違反すると、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。

ちなみに、1ヶ月まったく日雇労働被保険者を使用しなくて、印紙保険料のやりとりがなかったとしても報告はしなけばなりませんので、毎月なんらかの形で報告が要るということですね。

また、報告どころか、雇用保険印紙を貼らなかったり消印をしなかった場合も同様の罰則があります。

では、次は命令違反の罰則規定を見てみましょう。

行政側が事業主に対して出した命令に従わなかったとき、事業主に対して罰則が課せられますが、労働保険事務組合の時はどうなるのか次の問題で確認しましょう。

 

労働保険事務組合へも罰則が、、、?

(平成23年雇用問10C)

事業主が、労働保険徴収法第42条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は文書を提出せず、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した場合には罰則規定が適用されるが、労働保険事務組合については、同様の場合であっても罰則規定は適用されない。

 

解説

解答:誤

問題文のケースでは、事業主と同じく労働保険事務組合へも罰則が適用されます。

問題文にある「第42条」というのは、

「行政庁は、厚生労働省令で定めるところにより、保険関係が成立し、若しくは成立していた事業の事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体に対して、

この法律の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。」

というものです。

たとえば、労働保険料の納付について、行政が事業主や労働保険事務組合に報告をするよう命じたにもかかわらず、それを無視した場合、罰則が適用されるということですね。

労働保険事務組合も事業主の委託を受けて業務をしているわけですから、事業主同様の責任があるということになるんでしょうね。

で、罰則は「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」となっています。

さて、次は行政の立入を拒否したときの罰則規定を見てみましょう。

これはいかにも罰則の対象になりそうですが、どのように規定されているのでしょうか。

 

行政の立入検査を拒否したときの罰則

(令和元年雇用問10B)

行政庁の職員が、確定保険料の申告内容に疑いがある事業主に対して立入検査を行う際に、当該事業主が立入検査を拒み、これを妨害した場合、30万円以下の罰金刑に処せられるが懲役刑に処せられることはない。

 

解説

解答:誤

事業主が、行政庁の職員の立入検査拒否したり妨害した場合は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」になるので懲役刑も規定されています。

懲役まであるというのは正直意外でしたが、そこまでしないと公正に労働保険料を徴収することが難しいのかもしれませんね。

さて、次は労働者に対する不利益な取り扱いをした場合の罰則を見ていきましょう。

雇用保険の暫定任意適用事業の事業主は、使用される労働者の2分の1以上が希望するときは、任意加入の申請をする必要があります

下の問題は、雇用保険の適用を希望した労働者に対して事業主が不利益な取り扱いをした場合の罰則規定となっています。

 

雇用保険に入ることを希望した労働者に不利益な取り扱いをしたら?

(平成27年雇用問8D)

雇用保険暫定任意適用事業の事業主が、当該事業に使用される労働者が労働保険徴収法附則第2条第1項の規定による雇用保険の保険関係の成立を希望したことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをした場合には、当該事業主に罰則規定の適用がある。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働者が雇用保険の保険関係の成立を希望したことを理由にして、その労働者に対して解雇などの不利益な取り扱いをした場合は、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金になります。

ちなみに、この罰則は、違反をした人だけでなく、法人に対しても同様の罰金刑が課せられます。

先ほどの話は雇用保険の保険関係が成立していましたが、そもそも事業主が雇用保険に入らなかった場合はどうなるのでしょうか。

労働者への不利益な取り扱いで罰則がありますから、入る義務のある雇用保険に入らなかったらやはり罰則はありそうですね。

 

労働者が希望したのに雇用保険に入らなかった事業主に対しては、、、

(平成23年雇用問10E)

雇用保険暫定任意適用事業の事業主が、当該事業に使用される労働者の2分の1以上が希望する場合において、その希望に反して雇用保険の加入の申請をしなかった場合、当該事業主には罰則規定が適用される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

雇用保険暫定任意適用事業の労働者が2分の1以上希望したにも関わらず、事業主が雇用保険に入らなかった場合は、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。

 

今回のポイント

  • 事業主は、日雇労働被保険者を使用した場合、印紙保険料に関する納付状況を毎月、翌月末までに報告する必要がありますが、この規定に違反すると、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。
  • 行政からの命令に違反して報告をしなかったり、虚偽の報告をしたり、文書を提出しない、もしくは虚偽の記載をした文書を提出した場合は事業主同様に労働保険事務組合にも罰則があります。
  • 事業主が、行政庁の職員の立入検査拒否したり妨害した場合は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」になるので懲役刑も規定されています。
  • 労働者が雇用保険の保険関係の成立を希望したことを理由にして、その労働者に対して解雇などの不利益な取り扱いをした場合は、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金になります。
  • 雇用保険暫定任意適用事業の労働者が2分の1以上希望したにも関わらず、事業主が雇用保険に入らなかった場合は、6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金となります。

 

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