過去問

「社労士試験 国民年金法 遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金を事例問題で総復習!」過去問・国-65

年金科目で事例問題は知識を総動員する形になりますので、本試験には出てほしくありませんが、

勉強する上では総復習になりますので力試しに積極的に活用したいところです。

しかも、国民年金と厚生年金の両方の知識が問われますから横断学習にもなりますので、

勉強の段階では勇気を持って挑んでみるようにしましょう。

それでは、今回は平成25年問9の問題を見ていきたいと思います。

主なテーマは、遺族基礎年金や寡婦年金、死亡一時金となっていますので、それぞれの支給要件や併給などを確認していきましょう。

 

問題文:平成25年問9

ある男性が学校を卒業後20歳で会社に就職し、厚生年金保険に7年間加入し会社を退職した。また、退職後は第1号被保険者として国民年金の保険料を27年間支払った。この男性が 54歳で死亡した場合の死亡に関する給付等について、次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、男性は障害基礎年金の受給権を取得したことがない。

 

母が受け取れる給付はどれ?

(選択肢A)

男性が死亡した当時、生計を維持していた者が同居していた80歳の母(老齢基礎年金のみ受給中)だけである場合、母は遺族として、死亡一時金と遺族厚生年金の受給権を取得し、すべて受給することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

こちらの問題では併給がポイントになりますね。

まず、80歳の母は亡くなった男性と生計維持関係があるので、死亡一時金と遺族厚生年金の受給権があります。

で、併給ですが、母が65歳未満であれば併給できませんが、65歳以降であれば、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給できますので、こちらもクリアですね。

では、次は妻が論点の問題なのですが、寡婦年金がポイントになってきます。

この妻が受け取れる給付の種類はどうなっているのでしょうか。

 

子のいない妻が受け取れる給付

(選択肢B)

男性が死亡した当時、生計を維持していた者が結婚して以後25年間同居していた50歳の妻だけである場合、妻は遺族として、寡婦年金と死亡一時金と遺族厚生年金の受給権を取得するが、寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方のみを選択することとなり、死亡一時金を選択した場合、遺族厚生年金も受給できる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

この妻は50歳なので、寡婦年金の支給は60歳からですが、支給要件を満たしていれば受給権は発生します。

ただ、寡婦年金死亡一時金は掛け捨て防止の性格があるので、どちらを受給するかを選ぶ形になります。

すぐにもらえる死亡一時金か、5年間支給される寡婦年金のどちらかの選択というわけです。

ちなみに、寡婦年金を選んだ場合、60歳になったときに寡婦年金と遺族厚生年金は併給できないので注意が必要ですね。

さて、次の選択肢は「子」について問われています。

生計維持の要件は満たしているので、遺族基礎年金が登場します。

ここでもポイントになるのは、遺族基礎年金と死亡一時金の関係性です。

 

遺族が子だけの場合は?

(選択肢C)

男性が死亡した当時、生計を維持していた者が同居していた12歳と15歳の子だけである場合、当該子らは遺族として、遺族基礎年金と遺族厚生年金と死亡一時金の受給権を取得し、すべて受給することができる。

 

解説

解答:誤り

遺族基礎年金が支給される場合は死亡一時金は支給されません。

先ほども述べたように、死亡一時金は掛け捨て防止の側面がありますので、

遺族基礎年金という保険給付が受給できるのであれば死亡一時金を支給する必要はありませんね。

なので、この場合は遺族基礎年金と遺族厚生年金を受給することになります。

では、今度は同順位の遺族についての取り扱いに目を向けてみましょう。

次の問題では、兄弟について問われていますが、

複数の同順位の遺族がいる場合、請求や支給についてどのような規定になっているのか確認しましょう。

 

兄弟が受け取れるものはある?

(選択肢D)

男性が死亡した当時、生計を維持していた者が同居していた50歳の弟と60歳の兄だけである場合、2人は遺族として、死亡一時金の受給権のみが発生するが、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その1人に対してした支給は全員に対してしたものとみなされる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

同順位の遺族が2人以上あるときは、

  • その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、
  • その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす

と規定されています。

それぞれの遺族に対して請求や支給を受け付けていたら事務処理がややこしくなりますから、

請求も支給も一人の遺族に対して行うということですね。

最後の問題は、遺族基礎年金の支給要件がテーマになっています。

遺族基礎年金は、生計維持要件を満たした「子」が支給対象となりますが、

次の問題のケースはどうなるのでしょうか。

 

連れ子にも遺族基礎年金は支給される?

(選択肢E)

男性が死亡した当時、生計を維持していた者が5年間同居していた内縁関係の45歳の妻と男性と養子縁組をしていない13歳の妻の連れ子だけである場合、妻は死亡一時金と遺族厚生年金の受給権を取得し、すべて受給することができるが、当該遺族には遺族基礎年金の受給権は発生しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

遺族基礎年金は、配偶者(夫・妻)については事実婚でも大丈夫ですが、

連れ子は養子縁組をしていないと遺族基礎年金の対象者になりません。

 

今回のポイント

  • 65歳以降であれば、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給できます。
  • 寡婦年金死亡一時金は併給できず、どちらを受給するかを選ぶ形になりますが、寡婦年金を選んだとしても、60歳になったときに寡婦年金と遺族厚生年金は併給できません。
  • 遺族基礎年金が支給される場合は死亡一時金は支給されません。
  • 同順位の遺族が2人以上あるときは、
    • その1人のした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、
    • その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす

    と規定されています。

  • 遺族基礎年金は、配偶者(夫・妻)については事実婚でも大丈夫ですが、連れ子は養子縁組をしていないと遺族基礎年金の対象者になりません。

 

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