過去問

「社労士試験 国民年金法 サクサクわかる!合算対象期間の考え方」過去問・国-54

合算対象期間は、社労士試験全体の中でも厄介な項目ですよね。(私だけ??)

私が受験勉強をしていたとき、テキストを読んでも問題演習をしていても、ちっとも知識として定着しなかったのを今でもよく覚えています。苦笑

なんでこんなに面倒なのかと考えてみたら、老齢基礎年金の仕組みの中でも、後付けの制度なのでしっくりこないのかな、と思いました。

老齢基礎年金を受け取るには、65歳になったときに、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が10年以上必要ですが、以前は25年でした。

25年もの期間が必要なわけですから、要件を満たすことができず、老齢基礎年金を受け取れない、いわゆる「無年金」の人が続出したわけです。

なので、年金額には反映されないけど受給資格期間に含めることのできる合算対象期間の仕組みができたんですね。

ですが、社労士試験の勉強をする我々にとって、合算対象期間をマスターするのは大変なことには変わりないわけで、

これを克服するにはどうすればいいのか、ということになるのですが、とにかくマメに触れておくことが一番いいですね。

1回で覚えよう、理解しようとせず、サラッとでもいいので1日1回はテキストの該当箇所を見る、という積み重ねが大切ですね。

めげずにコツコツやっていきましょう。

それでは最初の問題です。

1問目は、第2号被保険者と合算対象期間についての論点です。

第2号被保険者というと厚生年金の被保険者でもあるわけですが、合算対象期間があるのでしょうか?

 

第2号被保険者で合算対象期間になる期間がある?

(平成23年問7A)

第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満及び60歳以上の期間は、合算対象期間とされる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳未満60歳以上の期間は保険料納付済期間とはならず、合算対象期間になるのですが、

これは、第1号被保険者の被保険者期間が20歳以上60歳未満だからですね。

国民年金の被保険者期間は、20歳から60歳までの40年間で満タンになるので、

それ以外の期間は、国民年金の保険料納付済期間としては扱わないよ、と考えるのが良さそうですね。

さて、次は国会議員と合算対象期間についての関係について見ていきましょう。

国会議員と合算対象期間って、なんだか取り合わせとしてしっくりこないのですがね、、、

 

国会議員と合算対象期間

(平成25年問6C)

60歳以上65歳未満の期間を含む国会議員であった期間のうち、昭和36年4月1日から昭和55年3月31日までの期間は、老齢基礎年金の合算対象期間に算入される。

解説

解答:誤

60歳以上65歳未満ではなく、「60歳未満」国会議員であった期間で、昭和36年4月1日から昭和55年3月31日までの期間は、合算対象期間となります。

昭和36年4月1日から昭和55年3月31日までの期間というのは、その期間、国会議員の方は適用除外になっていたので、国民年金に入りたくても入れなかったんですね。

その後、昭和55年4月1日から昭和61年3月31日までは任意加入できるようになり、加入しなかった期間はこちらも合算対象期間となります。

で、昭和61年4月1日からは第1号被保険者として強制被保険者となりました。

話を元に戻すと、昭和36年4月1日から昭和55年3月31日までの期間は、国民年金に入りたくても入れなかった(別の年金制度がありました)のですから、

その期間のせいで受給資格期間が満たせなくなるのも公正に欠けますので合算対象期間になったのでしょう。

では、外国籍の方が日本国籍に帰化した場合の取り扱いについて見ていくことにしましょう。

もともと外国籍だった方が帰化したということは、ゆくゆく老齢基礎年金を受給することになる可能性が高いですよね。

でも、受給資格期間のことを考えてみると、せっかく帰化したのに受給資格期間を満たせず、老齢基礎年金がもらえないことも十分にあり得ます。

それを解決するにはどうすればいいのか、という視点で次の問題を読んでみましょう。

 

日本国籍を取得した場合の合算対象期間

(平成25年問8A)

20歳前から引き続き日本に住所を有する、昭和29年4月2日生まれの外国籍の者が、30歳で日本人と結婚しその後永住許可を受けた。20歳から永住許可を受けた日の前日までの期間は合算対象期間となる。(問題文を一部再構成しています)

 

解説

解答:誤

日本国籍取得したり、永住許可を受けた人で、合算対象期間になるのは、「永住許可を受けた日の前日まで」ではなく、「昭和56年12月31日まで」の期間です。

そもそも合算対象期間の取り扱いができるのは、

  • 20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者(永住許可を受けた者)

に限られます。

で、昭和36年4月1日から昭和56年12月31日までの期間は国民年金の適用除外になっていたので、

  • 昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者で、日本に住所を有していた20歳以上60歳未満の期間のうち、昭和36年4月1日から昭和56年12月31日までの期間

合算対象期間ということになります。

これも先ほどの国会議員のときと同じく、国民年金の「適用除外」がキモになっていますね。

国民年金に入りたくても入れなかった期間が合算対象期間になるというわけですね。

しかし、日本国籍を取ったとしても、必ずしも日本国内に住んでいたとは限りません。

外国に住んでいたということも十分想定できますよね。

そんな場合の国民年金はどのように規定されているのかを下の問題で見ておきましょう。

 

日本国籍は取ったけど、日本にいなかった場合の取り扱いは?

(平成25年問6E)

昭和36年5月1日以後、国籍法の規定により日本国籍を取得した者(20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者に限る。)で日本に住所を有していなかった20歳以上60歳未満の期間のうち、昭和36年4月1日から日本国籍を取得した日の前日までの期間は、老齢基礎年金の合算対象期間に算入される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

  • 昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者で
  • 日本に住所を有していなかった20歳以上60歳未満の期間のうち
  • 昭和36年4月1日から日本国籍を取得した日の前日までの期間は

合算対象期間となります。

ただし、20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者に限られます。

さて最後に、任意加入と合算対象期間について見ておきましょう。

国会議員のところでも少し触れましたが、任意加入できるにも関わらず加入しなかった場合は合算対象期間になります。

ですが、任意加入してたけど保険料を納付しなかったときにどうなるのかが下の問題で問われています。

 

任意加入被保険者で保険料が未納の時は、、、

(平成26年問10B)

昭和29年4月2日生まれの女性が、厚生年金保険の被保険者であった夫の被扶養配偶者として国民年金の任意加入被保険者になっていた間の保険料を納付していなかった期間については、合算対象期間となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

国民年金の任意加入被保険者だったにも関わらず保険料が未納になっていた場合、合算対象期間となります。

受給資格期間には参入されますが、保険料を納めていないので老齢基礎年金の額に反映されないというわけですね。

 

今回のポイント

  • 第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳未満60歳以上の期間は保険料納付済期間とはならず、合算対象期間になります。
  • 60歳未満」国会議員であった期間で、昭和36年4月1日から昭和55年3月31日までの期間は、合算対象期間となります。
  • 昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者で、日本に住所を有していた20歳以上60歳未満の期間のうち、昭和36年4月1日から昭和56年12月31日までの期間合算対象期間となります。
  • 昭和36年5月1日以後日本国籍を取得した者で、日本に住所を有していなかった20歳以上60歳未満の期間のうち、昭和36年4月1日から日本国籍を取得した日の前日までの期間は、合算対象期間となります。(ただし、20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者に限られます。
  • 国民年金の任意加入被保険者だったにも関わらず保険料が未納になっていた場合、合算対象期間となります。

 

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