「労災保険法 もう怖くない!業務災害の事例問題の攻略テクニック」過去問・労災-41

労災保険法の事例問題といったら

「〇〇の場合は業務災害にあたる」

といったもので具体的な例をあげて出題されますね。

テキストに載っているわけでもないのにどうやって判断するんだ?と思いますよね。

でも大丈夫です。

よほどの難問でない限り、問題文中の正誤を判定するキーワードを読み取ることができれば正解できます。

今回は、業務災害についての事例問題を集めてみましたので見ていくことにしましょう。

ちなみに、業務災害の事例問題についてはこちらの記事もありますのでご一緒にどうぞ。

参考記事:「労災保険法 業務災害の事例問題を攻略するちょっとしたコツ」過去問・労災-26

 

作業の合間に災害が起きたら

(平成28年問2E)

以前にも退勤時に約10分間意識を失ったことのある労働者が、工場の中の2℃の場所で作業している合間に暖を採るためストーブに近寄り、急な温度変化のために貧血を起こしてストーブに倒れ込み火傷により死亡した場合、業務上の死亡と認められる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

問題文では「作業している合間」と書かれているのと、2℃という寒い作業環境で「暖を採る」という行動は、

業務遂行性」と「業務起因性」が認められるので、業務上の死亡と認められます。

業務遂行性」というのは、労働者が労働契約などに基づいて事業主の支配下にある状態をいいますので、事業場内にいる状態であれば業務遂行性が高くなります。

業務起因性」は、ケガや病気が業務に起因して生じたもので、業務と傷病の間に相当因果関係があることをいいますが、

問題文の場合は、「作業している合間」とありますので、業務と傷病との間には因果関係があるとされます。

なので、問題文のケースでは業務上の死亡となります。

では次は自動車の運転に関する過去問になりますが、業務性の有無を判断できる言葉はどこにあるのか見てみましょう。

 

その時の状況が業務なのかどうかを判断

(平成26年問1B)

自動車運転手Aは、道路工事現場に砂利を運搬するよう命ぜられ、その作業に従事していた。砂利を敷き終わり、Aが立ち話をしていたところ、顔見知りのBが来て、ちょっと運転をやらせてくれと頼んで運転台に乗り、運転を続けたが、Aは黙認していた。Bが運転している際、Aは車のステップ台に乗っていたが、Bの不熟練のために電柱に衝突しそうになったので、とっさにAは飛び降りようとしたが、そのまま道路の外側にはね飛ばされて負傷した。このAの災害はAの職務逸脱によって発生したものであるため、業務外とされている。

 

解説

解答:正

問題文のケースでは業務外となります。

ここでのキーワードは「顔見知りのB」ですね。

Aの仕事である砂利を運搬する作業とは何の関係もない人が自動車を運転した結果の負傷なので、業務とは何の関連もないですよね。

ですから、Bの私的行為のせいでケガをしても業務災害にはなりません。

では次のケースはどうでしょう。

災害が起きた車の運転手は、車を所有している会社とは関係のない運転手です。

これだけ聞くと「業務災害にはならないじゃないの?」と思いますが、問題文を確認しましょう。

 

違う会社のトラックを運転していても、、、

(平成29年問1B)

A会社の大型トラックを運転して会社の荷物を運んでいた労働者Bは、Cの運転するD会社のトラックと出会ったが、道路の幅が狭くトラックの擦れ違いが不可能であったため、D会社のトラックはその後方の待避所へ後退するため約20メートルバックしたところで停止し、徐行に相当困難な様子であった。これを見かねたBが、Cに代わって運転台に乗り、後退しようとしたが運転を誤り、道路から断崖を墜落し即死した場合、業務上として取り扱われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

今回の場合は、先ほどの過去問と違って、遊んでいたわけではなく、業務上の問題を解決しようとして起こったものです。

確かにBが運転したトラックは、別会社のトラックですが、車を通行させて業務を遂行しようとして起こった災害ですので、業務遂行性、業務起因性の両方を満たすとされたのです。

ちなみに、これらの状況はすべて実際に起こったことで通達からの出題になっています。

さて、次は「食事」が原因で災害が起こりました。

食事が業務に関係するかどうかを判断するには、やはり問題文に書かれているキーワードがカギとなっています。

そのキーワードはどこにあるでしょうか。

 

ポイントは会社がどれだけ関わっているか

(平成29年問1C)

乗組員6名の漁船が、作業を終えて帰港途中に、船内で夕食としてフグ汁が出された。乗組員のうち、船酔いで食べなかった1名を除く5名が食後、中毒症状を呈した。海上のため手当てできず、そのまま帰港し、直ちに医師の手当てを受けたが重傷の1名が死亡した。船中での食事は、会社の給食として慣習的に行われており、フグの給食が慣習になっていた。この場合、業務上として取り扱われる。

 

解説

解答:正

問題文のケースでは業務災害となります。

キーワードは「会社の給食」で、慣例的に行われていたことです。

自分で持参したお弁当で中毒になったのであれば、業務とは何の関係もなかったでしょうが、

会社の給食ということであれば事業主の支配下、管理下にあり業務遂行性と業務起因性の両方の要件を満たすことになるので業務災害となったのです。

だいぶ感覚がつかめてきたでしょうか。

こういった事例問題では、正誤を判断するキーワードが書かれていることが多いので、冷静に読み進めていきたいですね。

それを踏まえて最後の問題を読んでみましょう。

 

たとえ宿舎での災害であっても業務上と認められれば、、、

(平成28年問2D)

建設中のクレーンが未曽有の台風の襲来により倒壊するおそれがあるため、暴風雨のおさまるのを待って倒壊を防ぐ応急措置を施そうと、監督者が労働者16名に、建設現場近くの、山腹谷合の狭地にひな壇式に建てられた労働者の宿舎で待機するよう命じたところ、風で宿舎が倒壊しそこで待機していた労働者全員が死亡した場合、その死亡は業務上の死亡と認められる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

宿舎で災害にあったのですが、「待期するよう命じられた」ので宿舎にいたわけで、つまりは業務命令で宿舎に待機していて災害にあったのですから業務災害とされたのです。

 

今回のポイント

  • 業務災害と認められるためには、「業務遂行性」と「業務起因性」の要素を満たしている必要があります。
  • 「業務遂行性」というのは、労働者が労働契約などに基づいて事業主の支配下にある状態を言い、「業務起因性」は、ケガや病気が業務に起因して生じたもので、業務と傷病の間に相当因果関係があることをいいます。
  • 事例問題では、正誤を判断するキーワードが書かれていることが多いので、冷静に読み進めていくようにしたいですね。

 

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