「社労士試験 徴収法 理由もなく苦手なメリット制(継続事業・一括有期事業)の攻略法」徴−46

メリット制」と聞いてゾッとするのは私だけでしょうか。

社労士試験の受験勉強をしているときは、メリット制の過去問を解いたりテキストを読むのが苦手でしたね。

年金科目などもそうなのですが、自分が苦手だと思っている箇所については、できるだけマメに触れておいた方が仲良くなりやすいです。

勉強するスパンが長いと苦手意識だけが頭に残るので、そういった意識がなくなるまで、

できれば毎日、一問でも問題を解いたり、テキストを開けて読むなどしておくと、

苦手意識よりも、「あ、ここはこうなってるんだ」というプラスの意識の方が多くなってくるのでオススメです。

では今回は、令和2年度の社労士試験問題を取り上げましたので見ていきましょう。

 

継続事業を一括したらメリット収率の取り扱いはどうなる?

(令和2年労災問9E)

継続事業の一括を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、一の事業として指定された事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、指定された事業以外の事業については保険関係が消滅するので、これに係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、指定事業のメリット収支率の算定基礎に算入しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

継続事業の一括では、指定事業以外の一括された方の事業の保険関係は消滅してしまいますので、一括前の保険料や給付については、指定事業のメリット収支率の算定に影響はありません

収支率というのは、3年の間にどれだけの業務災害があって保険給付したのかによって将来の保険料率を判断するためのものです

収支率が100分の85を超えたら保険料率が上がりますし、逆に100分の75以下であれば保険料率が引き下げられます。

ただ、収支率を算定するのに、通勤災害にかかる保険給付や二次健康診断等給付などの給付は算定に含まれません。

で、その「保険料」ですが、どの保険料のことを指しているのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

メリット制で上下する保険料率はなに?

(令和2年労災問9A)

メリット制においては、個々の事業の災害率の高低等に応じ、事業の種類ごとに定められた労災保険率を一定の範囲内で引き上げ又は引き下げた率を労災保険率とするが、雇用保険率についてはそのような引上げや引下げは行われない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

メリット制で保険料率が上下するのは労災保険率だけで、雇用保険率には影響ありません。

先ほども述べたとおり、メリット収支率を計算するときは、どれだけ業務災害があったかということを見ますので、

失業の救済を目的にしている雇用保険の保険料率を上下するわけにはいきませんよね。

で、業務災害が多ければ、労災保険率が上がりますし、業務災害がなければ下がります。

車の任意保険みたいなものですかね。

では、具体的にどの保険年度でメリット収支率を算定するのか次の問題で確認しましょう。

 

メリット収支率はどうやって算定する?

(令和2年労災問9D)

令和元年7月1日に労災保険に係る保険関係が成立した事業のメリット収支率は、令和元年度から令和3年度までの3保険年度の収支率で算定される。

 

解説

解答:誤

令和元年7月1日に労災保険の保険関係が成立した事業のメリット収支率は、「令和元年度から令和3年度」ではなく、「令和2年度から令和4年度」までの収支率で算定されます。

メリット制は、連続する3保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(基準日)において労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上経過したものについて算定されるので、

丸3年以上連続するのは問題文の場合、令和4年度の3月31日が基準日の場合が最短になります。

つまり、令和2年4月1日から令和5年3月31日までの期間ということになりますね。

言いかえると、令和元年度は保険年度の途中で一年に満たないので、次の年度である令和2年度から令和4年度の3保険年度で算定するわけですね。

ではメリット収支率を算定する方法をもう少し詳しくみてみましょう。

先ほど、メリット収支率を計算するときに「どれだけ業務災害があったか」ということを書きましたが、具体的な数字には何が使われるのか、というのが次の問題の論点になっています。

 

メリット収支率を算定するときに特別支給金も対象になる?

(令和2年労災問9C)

メリット収支率の算定基礎に、労災保険特別支給金支給規則の規定による特別支給金で業務災害に係るものは含める。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

メリット収支率の計算に特別支給金で業務災害分も含まれます。

ちなみに、メリット収支率の計算方法は、

(保険給付の額 + 特別支給金の額) ÷ (保険料の額 × 第1種調整率)

となっています。

この、「保険給付の額 + 特別支給金の額」は、基準日以前の連続する3保険年度間における、業務災害に関するものになります。

で、たとえば兼業などで複数の事業に勤めている複数事業労働者が業務災害に遭った場合は、業務災害が発生した事業場だけにメリット制が適用されることになります。

それはそうですよね、自分の事業場で発生した業務災害じゃないのにメリット制が適用されて労働保険率が上がってはたまりませんもんね。笑

さて、次はメリット制収支率から導かれた労働保険率がいつから反映されるのかを次の問題で見てみましょう。

 

メリット制で算定されたものはいつから反映される?

(令和2年労災問9B)

労災保険率をメリット制によって引き上げ又は引き下げた率は、当該事業についての基準日の属する保険年度の次の次の保険年度の労災保険率となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、メリット制で算定された労災保険率は、基準日の属する保険年度の次の次の保険年度の労災保険率から適用されます。

 

今回のポイント

  • 継続事業の一括では、指定事業以外の一括された方の事業の保険関係は消滅してしまいますので、一括前の保険料や給付については、指定事業のメリット収支率の算定に影響はありません
  • メリット制で保険料率が上下するのは労災保険率だけで、雇用保険率には影響ありません。
  • メリット制は、連続する3保険年度中の最後の保険年度に属する3月31日(基準日)において労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上経過したものについて算定されます。
  • メリット収支率の計算に特別支給金で業務災害分も含まれます。
  • メリット制で算定された労災保険率は、基準日の属する保険年度の次の次の保険年度の労災保険率から適用されます。

 

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