「徴収法 口座振替の適用要件について正誤を判断する方法とは」過去問・徴-44

口座振替については、社労士試験でちょくちょく出題されています。

主な論点は、口座振替できる保険料とできない保険料の区別ですね。

それほどややこしいものではないのですが、「あれ?どうだったかな?」と思ってしまうかもしれません。

口座振替は基本的には銀行引き落としのようなものですので、「イレギュラーなイベントには対応できない」という基準を一つ持っておくと良いかもしれませんね。

この「イレギュラー」という言葉はこの記事で何回か出てきますので覚えておいていただけら嬉しいです。

それでは最初の問題を見てみましょう。

労働保険料の納付を口座振替する時の手続きについての過去問になっています。

 

口座振替をしたい時の申出方法

(令和2年雇用問9A)

事業主は、概算保険料及び確定保険料の納付を口座振替によって行うことを希望する場合、労働保険徴収法施行規則に定める事項を記載した書面を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出することによって、その申出を行わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

まず、労働保険料で口座振替できるのは、概算保険料確定保険料です。

で、それらは「納付書で納付するもの」に限られています。

なので、認定決定された確定保険料は納入告知書で行いますので口座振替できません。

ただ、概算保険料の認定決定は納付書で行われますが、こちらも口座振替ができません。

つまり、認定決定による概算保険料や確定保険料は口座振替ができないんですね。

先ほど、「口座振替はイレギュラーなイベントには対応できない」と書きましたが、認定決定はイレギュラーに発生しますよね。

ここで、口座振替についての規定を確認しておきましょう。

ちょっと長いので、赤字だけ読んでいただければと思います。

(口座振替による納付等)
法21条の2
1 政府は、事業主から、預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による印紙保険料以外の労働保険料(以下この条において単に「労働保険料」という。)の納付(厚生労働省令で定めるものに限る。)その預金口座又は貯金口座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があつた場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その申出を承認することが労働保険料の徴収上有利と認められるときに限り、その申出を承認することができる

いかがでしょう。

口座振替については、申出すればオーケーというわけではなく、政府にとって有利と判断したときに限って承認する、ということも一緒に押さえておきましょう。

次の問題は、口座振替ができる保険料の種類についてです。

キーワードは、「延納」です。

 

概算保険料の延納を口座振替することはできる?

(平成24年雇用問8E)

労働保険徴収法第18条の規定により延納する場合における概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおり、延納する概算保険料口座振替による納付の対象になっています。

延納というのは、要は労働保険料の分割払いのことですが、概算保険料の申告書に延納する場合の金額を書く欄がありますので、イレギュラーにはならず、口座振替で対応できるということなんでしょうね。

この、概算保険料の延納については、別の視点で出題されていますので、そちらでも確認しておきましょう。

 

概算保険料の延納を口座振替することはできる? その2

(平成30年労災問10A)

口座振替により納付することができる労働保険料は、納付書により行われる概算保険料(延納する場合を除く。)と確定保険料である。

 

解説

解答:誤り

カッコ内の「延納する場合を除く。」の部分が誤りです。

このように、同じ論点でも違った書き方で出題されることは大いにありますので、きっちりと原則を押さえておくようにしましょう。

つまり、問題を解いたときに、解きっぱなしにするのではなく、テキストの該当箇所を確認するのですね。

自分の頭の中の記憶のよりどころをテキストにすることで、原則を押さえることができ、角度を変えた出題にも対応できるようになります。

というのも、繰り返しテキストで確認していくうちに、原則の知識が「知っている」から「使える」に変わっていくんですね。

原則の知識を「使える」レベルまで上げることができれば、その知識は、問題を解くときの「道具」として使えるようになるわけです。

さて、次の労働保険料は「増加概算保険料」についての出題です。

増加概算保険料が、どんなときに納付するのかを思い出していただくと、「イレギュラー」かどうか見えてきますよ。

 

増加概算保険料は口座振替で納付できる?

(平成24年雇用問8A)

労働保険徴収法第16条の規定による増加概算保険料の納付については、口座振替による納付の対象とならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、増加概算保険料口座振替での納付ができません

増加概算保険料は、年度の途中で、事業規模の拡大などで賃金総額の見込額が、100分の200を超えて増加し、かつ、

その賃金総額によって、概算保険料の額が申告済の概算保険料よりも13万円以上増加する場合に納付するものですので、

イベント的には「イレギュラー」と言えると思いますので口座振替の対象にならないんでしょうね。

では最後に「追徴金」について見ておきましょう。

こちらも先ほどと同じように、「追徴金」がどのような場合に発生するのかをイメージしてみてくださいね。

 

追徴金を口座振替で納付できる?

(平成24年雇用問8D)

労働保険徴収法第21条の規定による追徴金の納付については、口座振替による納付の対象とならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおり、追徴金口座振替による納付の対象ではありません

追徴金は、事業主が確定保険料や印紙保険料を納付しなかったときのペナルティの要素がありますので、こちらもイベント的には「イレギュラー」といって良いでしょう。

ちなみに、印紙保険料そのものも口座振替の対象ではありませんので、一緒に押さえておきましょう。

 

今回のポイント

  • 労働保険料で口座振替できるのは、概算保険料確定保険料です。
  • 延納する概算保険料口座振替による納付の対象になっています。
  • 問題文のとおりで、増加概算保険料口座振替での納付ができません
  • 追徴金口座振替による納付の対象ではありません

 

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