このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、厚生年金法から老齢厚生年金と加給年金額について見てみたいと思います。
老齢厚生年金は、原則として65歳から支給されます。
ですが、このご時世、65歳になっても会社で働いている人もいるわけで、
その場合の老齢厚生年金の額の計算についてどうなっているのか、まずは見ていくことにしましょう。
老齢厚生年金の金額を計算するタイミング
(令和元年問1C)
老齢厚生年金の額の計算において、受給権者がその権利を取得した月以後における被保険者であった期間は、その計算の基礎としないこととされているが、受給権取得後の受給権者の被保険者であった期間については、被保険者である受給権者がその被保険者の資格を喪失し、かつ、被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1か月を経過したときは、その被保険者の資格を喪失した月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとする。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
65歳になって老齢厚生年金の受給権者になっても、会社で働いていて被保険者である期間は、老齢厚生年金の額の計算の基礎となりません。
で、退職すると被保険者であった期間の分を老齢厚生年金の額を計算し直すわけですが、
資格を喪失して1か月を経過した場合である必要があります。
このようにして老齢厚生年金の額を計算することを「退職時改定」と言います。
さて、老齢厚生年金の受給権者の中には、配偶者や子がいたりするケースもあります。
その場合、一定の要件に該当すると「加給年金額」が加算されます。
その加給年金額の金額がどのように計算されるのか見てみましょう。
加給年金額の計算方法
(令和2年問1E)
老齢厚生年金の加給年金額の加算の対象となる妻と子がある場合の加給年金額は、配偶者及び2人目までの子についてはそれぞれ224,700円に、3人目以降の子については1人につき74,900円に、それぞれ所定の改定率を乗じて得た額(その額に50円未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときは、これを100円に切り上げるものとする。)である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
加給年金額の金額は、
- 配偶者 → 224,700円 × 改定率
- 子のうち2人目まで → 224,700円 × 改定率
- 子のうち3人目以降 → 74,900円 × 改定率
となっています。
この加給年金額の金額については、社労士試験でちょくちょく形を変えて出題されます。
どのような表現になっているのか、下の問題文を読んでみましょう。
加給年金額の計算方法 その2
(平成26年問5B)
加給年金額の対象となる子が3人いる場合は、対象となる子が1人のときに加算される加給年金額の3倍の額の加給年金額が加算される。
解説
解答:誤り
子に対する過給年金額は、2人目までは224,700円ですが、3人目以降になると74,900円となるので誤りです。
と、このように加給年金額だけでなく、表現を変えられると「あれ?どうだったかな」ということが試験では出てきやすいですので、知識を少しずつでもしっかりと固めていきましょう。
では最後に、加給年金額がもらえるタイムリミットについて見てみましょう。
過給年金額は、いつまでももらえるわけではなく、所定の要件に該当すると受給権が消滅してしまいます。
下の問題では配偶者について問われていますので読んでみましょう。
配偶者に対する加給年金額のタイムリミット
(平成26年問5A)
加給年金額の対象となる配偶者(昭和24年4月2日生まれ)が受給資格期間を満たさないため老齢基礎年金を受給できない場合には、当該配偶者が65歳に達した日の属する月の翌月以後も引き続き加給年金額が加算される。
解説
解答:誤り
配偶者に対する加給年金額は、「65歳未満」と規定されているので、65歳に達すると受給権はなくなってしまいます。
老齢基礎年金の受給権があれば振替加算という形で引き継がれるのですが、加給年金額という形での支給は65歳に達するまでとなっています。
今回のポイント
- 「退職時改定」は、資格を喪失して1か月を経過した場合に行われ、老齢厚生年金の額を計算し直すことになります。
- 加給年金額の金額は、
- 配偶者 → 224,700円 × 改定率
- 子のうち2人目まで → 224,700円 × 改定率
- 子のうち3人目以降 → 74,900円 × 改定率
となっています。
- 配偶者に対する加給年金額は、「65歳未満」と規定されているので、65歳に達すると受給権はなくなってしまいます。
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