過去問

社労士勉強法 過去問攻略!「労基法 解雇予告と児童の関係は?」 労基-2

労働基準法では、労働者を保護するための規定が色々定められています。

その一つに「解雇の予告」があります。

概要としては、使用者は、労働者を解雇しようとするとき、少くとも30日前にその予告をしなければなりません。

また、30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。

というのも、労働者が「はい、キミ明日から来なくていいよ」と言われたらどうでしょう。

明日からの生活がたちまち行き詰まってしまいますよね。

ですから、使用者は労働者を解雇するときは、少なくとも30日以上の猶予を持たせてくださいね、ということです。

もし、「明日から来なくていいよ」ということにしたい場合は、30日分以上の平均賃金を渡して、労働者の生活を保証してあげてください、ということになります。

それでは、タイトルにある「児童の場合」はどうなるのでしょうか??

 

児童に解雇の予告をする場合は?

労働基準法第56条の最低年齢違反の労働契約のもとに就労していた児童については、そもそも当該労働契約が無効であるから、その違反を解消するために当該児童を解雇する場合には、労働基準法第20条の解雇の予告に関する規定は、適用されない。(平成24年問2B)

 

解説

解答:誤

この場合、30日分以上の平均賃金を支払って即時解雇しなければなりません。

それでは順番に見ていきましょう。

まず、「労働基準法第56条」とはどんな内容なのでしょう。

第56条 
使用者は、児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで、これを使用してはならない。
2 前項の規定にかかわらず、別表第一第一号から第五号までに掲げる事業以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする。

つまり、第2項を除いて、いわゆる中学校を卒業していない人(児童)を雇ってはいけないよ、ということです。

ですので、問題文が言いたいことは、働かせてはいけない人をそのまま雇う訳にはいかないし、そもそも契約自体が無効なので、解雇の予告の規定も適用されないんじゃない?と言っている訳です。

ここで、「???」と思うことができれば労働基準法についての理解が深まってきていると思ってもらって大丈夫ですよ。

労働基準法は、「労働者を守る」ためにあります。

問題文のように、契約が無効だからって、「キミ明日から来なくていいよ」と、30日分の平均賃金ももらわずに放り出されたらたまったもんじゃないですよね?

ですから、「昭和23年10月18日基収3102号」の通達にも、未就学児童をやめさせねばならない時は、30日分以上の平均賃金を支払ってすぐに解雇しなければなりません、とあります。

ということは、違法状態のまま雇い続けることができないので、すぐに解雇(契約を解除)しなければならないけど、ちゃんと30日分以上の平均賃金も忘れずに渡してね、ということになります。

 

今回のポイント

働かせてはいけない児童を雇っている場合は、30日分以上の平均賃金を渡して、すぐに解雇(契約を解除)しなければなりません。

もう一度確認です。

労働基準法は、「労働者を守る」ためにあります。

これをイメージしておくと、初見の問題文でも対応しやすくなりますよ。

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