「労基法 5分で理解する労働契約の終了(解雇)」過去問・労基-42

今回は労働契約の終了のなかでも「解雇」についての論点についてみていきたいと思います。

解雇に対して法律がどのように規定しているのか、さらには解雇制限解雇予告についての過去問を集めてみました。

それぞれどのように規定されているのか、順番に見ていくことにしましょう。

最初の問題は、「不当解雇」に対して罰則があるのかについて確認していきますね。

 

不当な解雇に対しては罰則がある?

(平成23年問3B)

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇をした使用者は、労働基準法に基づき、罰則に処される。

 

解説

解答:誤

「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇」を無効にする規定は、「労働基準法」ではなく、「労働契約法」に規定されていますが、「罰則はありません」。

ちなみに、労働契約法には下記のように規定されています。

(解雇)
労働契約法16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

しかし、罰則までは規定されていないのです。

次は解雇制限についてのお話です。

規定では、

「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない」

とあります。

それを具体的な数字で出題している過去問がありますので見てみましょう。

 

産前産後の女性に対する解雇制限の期間

(平成26年問2D)

労働基準法第19条第1項に定める産前産後の女性に関する解雇制限について、同条に定める除外事由が存在しない状況において、産後8週間を経過しても休業している女性の場合については、その8週間及びその後の30日間が解雇してはならない期間となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

産後の女性の場合、原則は、

  • 産後8週間を経過した日から30日まで解雇制限がかかります。

ただ、産後6週間経過後に、女性が請求して仕事をしている場合は

  • 産後6週間経過後に仕事を開始した日から30日まで解雇制限となります。

それでは解雇制限のもう一つの論点になっている、業務中のケガや病気のために休業している場合を取り扱っている過去問がありますので、そちらも見ておきましょう。

 

解雇予告期間中に業務上の負傷等を負った場合に解雇制限はかかる?

(平成30年問2エ)

労働基準法では、使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないと規定しているが、解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合には、この解雇制限はかからないものと解されている。

 

解説

解答:誤

解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合にも解雇制限がかかります

つまり、解雇予告期間中にたとえ1日でも業務上の負傷などで療養のために休業した場合は、解雇制限が適用されて、休業後30日間は解雇できません。

ただ、休業が長期になる場合を除いて、治ゆした時にあらためて解雇予告をする必要はありません。

さて、使用者が解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をするか、即時解雇の場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要がありますね。

で、その中間を取って、解雇予告の日数を30日から短くしたい場合に、お金を払ってその日数を短縮することができます。

ではどのような手順で解雇予告の日数を短縮するのか、次の過去問で見てみましょう。

 

解雇予告の日数を短縮する場合の解雇予告手当の金額

(平成24年問3ウ)

使用者は、ある労働者を8月31日の終了をもって解雇するため、同月15日に解雇の予告をする場合には、平均賃金の14日分以上の解雇予告手当を支払わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

解雇予告の日数を30日から短縮する場合は、1日につき、1日分の平均賃金を支払えば、その日数分を短縮できます。

で、実際の計算方法ですが、解雇予告の30日には解雇予告した日は含まないので、問題文の場合、

8月16日から30日間の解雇予告期間が生じることになります。

なので、8月16日から8月31日までの日数は16日間ありますから、8月末で解雇しようと思えば、あと14日分の平均賃金を支払えば可能ということになります。

さて、解雇制限については、ある状況の場合は解雇予告手当を支払うことなく、労働者を即時解雇することができるのですが、それを実現するためにはやはり条件を満たさないと無効になります。

さて、解雇予告を支払わずに労働者を即時解雇する要件とは何なのでしょうか。

 

解雇予告手当なしに即時解雇するための要件とは

(平成23年問3E)

天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても、使用者は、労働基準法第20条所定の予告手当を支払うことなく、労働者を即時に解雇しようとする場合には、行政官庁の認定を受けなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

解雇予告手当を支払わずに労働者を即時解雇できるのは、

  • 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
  • 労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合

の二つのケースにあてはまった時ですが、

どちらも行政官庁の認定が必要となります。

本当に天災事変で事業ができなくなったのか、本当に労働者の責なのか、きちんと認定をするということですね。

 

今回のポイント

  • 「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇」を無効にする規定は、「労働契約法」に規定されていますが、「罰則はありません」。
  • 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が休業する期間及びその後30日間は、解雇してはなりません。
  • 産後の女性の場合、原則は、産後8週間を経過した日から30日まで解雇制限がかかりますが、産後6週間経過後に、女性が請求して仕事をしている場合は、産後6週間経過後に仕事を開始した日から30日まで解雇制限となります。
  • 解雇予告期間中に業務上負傷し又は疾病にかかりその療養のために休業した場合にも解雇制限がかかります
  • 使用者が解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をするか、即時解雇の場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。
  • 解雇予告の日数を30日から短縮する場合は、1日につき、1日分の平均賃金を支払えば、その日数分を短縮できます。
  • 解雇予告手当を支払わずに労働者を即時解雇できるのは、
    • 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合
    • 労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合

    の二つのケースにあてはまった時ですが、どちらも行政官庁の認定が必要となります。

 

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