「労基法 年少者の労働について押さえておきたいポイントとは?」過去問・労基-34

年少者に対する規定は色々あり、社労士試験でもちょくちょくと出題されています。

まず、「年少者」や「児童」の定義を押さえたうえで、各規定を見ていくと良いでしょう。

たとえば、年少者は「18歳未満」の者で、児童は「15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了」するまでの者ということになりますが、

「児童」と聞くと、私は小学生をイメージしてしまうので、労基法上での定義を自分の頭に定着させるのに苦労しました。苦笑

それでは年少者(児童)に関する過去問を見ていくことにしましょう。

最初の問題の論点は、「児童を使用するための条件」です。

 

児童を使用するための条件とは?

(平成29年問7B)

使用者は、児童の年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けることを条件として、満13歳以上15歳未満の児童を使用することができる。

 

解説

解答:誤

「戸籍証明書を事業場に備え付けること」が条件になっているわけではなく、満13歳以上満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童(いわゆる中学生)を使用するためには、行政官庁の許可が必要となっています。

ちなみに、問題文の「満13歳以上15歳未満」というところも誤りです。

で、行政官庁の許可を取るためには、製造業や建設業など「以外の」非工業的な職業で、

  • 健康及び福祉に有害でなく

かつ

  • その労働が軽易なもの

である必要があります。

ちなみに、13歳未満(いわゆる小学生以下)の児童は、映画・演劇の事業を除いて働かせることができません。

次は、年少者と変形労働時間制についての論点をチェックしましょう。

下の過去問では、フレックスタイム制の是非について問われています。

 

年少者に変形労働時間制は適用できる?

(平成23年問7A)

満18歳に満たない年少者については、労働基準法第32条の2のいわゆる1か月単位の変形労働時間制を適用することはできないが、同法第32条の3のいわゆるフレックスタイム制を適用することはできる。

 

解説

解答:誤

年少者については、1か月単位の変形労働時間制もフレックスタイム制を適用することもできません。

基本的に、年少者についてはどの変形労働時間制も適用することができません。

ただ、例外的に、

1週間について48時間1日について8時間を超えない範囲内であれば、1か月単位の変形労働時間制及び1年単位の変形労働時間制の例によって労働させることができます。

でも、児童は基本的に中学生(例外的に小学生)ですから、学校で勉強もしてもらわなければ困るわけですが、平日に1日8時間も働かせるということは、学校に行くなと言っていることになります。

労基法では学校の時間と労働時間をどのようにとらえているのでしょうか。

 

児童の労働時間と修学時間との関連は?

(平成23年問7B)

満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者について、労働基準法第56条による所轄労働基準監督署長の許可を受けて使用する場合の労働時間は、修学時間を通算して、1週間について40時間以内、かつ、1日について7時間以内でなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者の労働時間は、修学時間を通算して、1週間に40時間以内かつ1日に7時間以内である必要があります。

ただ、例外的に

「1週間の法定労働時間の範囲内で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮した場合には、他の日を10時間まで延長すること」

ができますので、一緒に押さえるようにしましょう。

さて、学生のアイドルがNHKの紅白歌合戦などで出演できる時間が決まっているので出演の順番が早い、なんて話を聞いたことはありませんか?

先ほどのべたとおり、児童に深夜業務をさせることができませんが、何時から深夜になるのでしょうか。

一般的に、労働者に深夜の割増賃金がつくのは、午後10時から翌午前5時までですよね。

はたして、児童の場合の深夜の時間帯の定義はどうなっているのでしょう。

 

児童に対する深夜業禁止の時間帯は?

(平成23年問7C)

満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者について、労働基準法第56条による所轄労働基準監督署長の許可を受けて使用する場合には、午後8時から午前5時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合に地域又は期間を限って午後9時から午前6時までとする場合には午後9時から午前6時まで)の間は使用してはならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

年少者の場合は、午後10時から午前5時までの間において使用できないことになっているのですが、児童については更に時間帯が早くなって、午後8時から午前5時までの間は使用することはできません。

ただ、厚生労働大臣が必要であると認める場合は、午後9時及び午前6時にずらすことができます。

その、厚生労働大臣が認める場合というのは、「演劇の事業に使用される児童が演技を行う業務に従事する場合」ということになっています。

いわゆる、劇場で演技をする場合は午後9時まではオッケーと言うことですね。

こちらは通達がありますので、ご興味のある方はご自由にご参考になさってくださいね。

 

さて、原則として年少者には時間外労働などをさせることができません。

次の過去問では、災害時などの臨時の必要がある時は年少者に時間外労働をさせることができるのか?という論点になっています。

臨時の必要があれば年少者に残業をしてもらうことができるのか確認しましょう。

 

年少者に臨時の時間外労働をさせることができるか

(平成30年問1エ)

使用者は、労働基準法第56条第1項に定める最低年齢を満たした者であっても、満18歳に満たない者には、労働基準法第36条の協定によって時間外労働を行わせることはできないが、同法第33条の定めに従い、災害等による臨時の必要がある場合に時間外労働を行わせることは禁止されていない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、年少者に対して、「災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働」をさせることができます。

こちらは、通達(平成11年3月31日 基発168号)にあるのですが、それによると、

年少者を法第33条第1項(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)の規定により、労働時間を延長し又は休日に労働させる場合には、年少者に関する労働時間、休日労働及び深夜業の規制は適用されない。」

とあります。

なので、災害などで臨時の必要があるときは、時間外労働だけでなく、休日労働や深夜業をしてもらうことができるのです。

 

今回のポイント

  • 年少者は「18歳未満」の者で、児童は「15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了」するまでの者を指します。
  • 満13歳以上満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童(いわゆる中学生)を使用するためには、行政官庁の許可が必要となっています。
  • 13歳未満(いわゆる小学生以下)の児童は、映画・演劇の事業を除いて働かせることができません。
  • 基本的に、年少者についてはどの変形労働時間制も適用することができません。
  • 満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者の労働時間は、修学時間を通算して、1週間に40時間以内かつ1日に7時間以内である必要があります。
  • 年少者の場合は、午後10時から午前5時までの間において使用できないことになっているのですが、児童については更に時間帯が早くなって、午後8時から午前5時までの間は使用することはできません。
  • 年少者に対して、災害等による臨時の必要がある場合には、時間外労働や休日労働、深夜労働をさせることができます

 

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