「国民年金法 一度は読んでおくべき遺族基礎年金の支給要件ハンドブック」過去問・国-39

社労士試験で遺族基礎年金の支給要件についての出題は事例問題が多いです。

亡くなられた方の年齢だったり、保険料納付要件の年数など数字に関することが目立ちますね。

大切なことは、遺族基礎年金の支給要件にはどのようなものがあるのかを、きっちり押さえることですね。

では、過去問に入る前に遺族基礎年金の支給要件を条文で確認しておきましょう。

 

(支給要件)
法37条
遺族基礎年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の配偶者又は子に支給する。

ただし、第1号又は第2号に該当する場合にあつては、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、

かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2に満たないときは、この限りでない。

  1. 被保険者が死亡したとき。
  2. 被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。
  3. 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。
  4. 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。

ですね。

ただ、「3」と「4」については、合算対象期間を足して25年になるのであればそれでもOKです。

で、保険料納付要件については、原則は上記のように、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上必要です。

それに加えて特例として、死亡日が令和8年4月1日前の場合、65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納がなければ大丈夫です。

上記の支給要件をひと通り読んだうえで過去問を見ていくことにしましょう。

 

保険料納付要件には2種類ある

(平成29年問2ウ)

死亡した被保険者について、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料が未納である月があったとしても、保険料納付済期間を25年以上有していたときには、遺族基礎年金を受けることができる配偶者又は子がいる場合、これらの者に遺族基礎年金の受給権が発生する。

 

解説

解答:正

問題文のケースでは、問題文の保険料納付要件を満たしていなくても、

保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。」

の要件を満たしているので遺族基礎年金の受給権が発生します。

問題文に記載されている保険料納付要件は特例の分ですね。

特例の要件を満たしていなくても原則の方で満たしてるので遺族基礎年金の受給権を得ることができるのですね。

で、先ほど出た特例の保険料納付要件ですが、具体的にどのように判断するのか次の問題で確認しましょう。

 

保険料納付要件の判断の仕方は?

(平成30年問3A)

平成30年4月2日に第1号被保険者が死亡した場合、死亡した者につき、平成30年4月1日において、平成29年3月から平成30年2月までの期間に保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないときは、遺族基礎年金の保険料納付要件を満たす。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

考え方としては、

  1. 死亡日の前日 → 平成30年4月1日
  2. 平成30年4月1日の前々月までの1年間 → 平成30年2月〜平成29年3月

ということで、上記の1年間の間に滞納がなければ大丈夫ということですね。

さて、次の問題は事前情報なしでどの支給要件があてはまるのか見てみましょう。

老齢基礎年金の受給権者がキーワードになっています。

 

老齢基礎年金の受給者の場合の遺族基礎年金の支給要件とは

(平成30年問8A)

第1号被保険者としての保険料納付済期間を15年有し、当該期間以外に保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を有しない老齢基礎年金を受給中の66歳の者が死亡した。死亡の当時、その者に生計を維持されていた子がいる場合は、当該子に遺族基礎年金が支給される。(問題文の「子」は18歳に達した日以後の最初の3月31日に達していないものとします)

 

解説

解答:誤

問題文のケースでは遺族基礎年金は支給されません。

老齢基礎年金の受給権者が死亡した時の支給要件は、

老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。」

でしたね。

問題文の場合は、第1号被保険者としての保険料納付済期間15年のみしかないので25年の要件に満たないということになりますね。

ちなみに、老齢基礎年金の受給権者でなくても、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上」必要なので、「25年」を目安にするといいですね。

では「被保険者期間」に関連した支給要件の問題をもう1問チェックしましょう。

 

合算対象期間しかなくても遺族基礎年金は支給される?

(令和元年問9B)

合算対象期間を25年以上有し、このほかには被保険者期間を有しない61歳の者が死亡し、死亡時に国民年金には加入していなかった。当該死亡した者に生計を維持されていた遺族が14歳の子のみである場合、当該子は遺族基礎年金を受給することができる。

 

解説

解答:誤

問題文の場合は遺族基礎年金を受給することはできません。

支給要件の「25年」については、保険料納付済期間と保険料免除期間、合算対象期間の3つを足して25年以上ならいいのですが、合算対象期間だけしかない場合は、支給要件からは外れます。

まあ、上記の場合は保険料をまったく払っていないわけで、老齢基礎年金の受給もできないですし、遺族基礎年金だけOKというわけにはいかないでしょうね。

では最後に受給権者側の要件についても触れておきましょう。

次の問題では、「事実婚」が論点になっています。

 

事実婚の場合でも遺族基礎年金の受給権者になれる?

(令和元年問9D)

平成31年4月に死亡した第1号被保険者の女性には、15年間婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある第1号被保険者の男性との間に14歳の子がいた。当該女性が死亡時に当該子及び当該男性を生計維持し、かつ、所定の要件が満たされている場合であっても、遺族基礎年金の受給権者は当該子のみであり、当該男性は、当該子と生計を同じくしていたとしても遺族基礎年金の受給権者になることはない。

 

解説

解答:誤

問題文の場合は遺族基礎年金の受給権者になり得ます。

遺族基礎年金の受給権者には「配偶者」と「子」がなることができますが、配偶者には事実婚の場合も含みます

ちなみに、配偶者が受給権者になるには、問題文の被保険者によって生計を維持され、被保険者によって生計を維持されていた子と生計が同じである必要があります。

 

今回のポイント

  • 遺族基礎年金の支給要件
    1. 被保険者が死亡したとき。
    2. 被保険者であつた者であつて、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものが、死亡したとき。
    3. 老齢基礎年金の受給権者(保険料納付済期間と保険料免除期間、合算対象期間を合算した期間が25年以上である者に限る。)が、死亡したとき。
    4. 保険料納付済期間と保険料免除期間、合算対象期間とを合算した期間が25年以上である者が、死亡したとき。
  • 保険料納付要件については、原則は上記のように、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上必要です。
  • それに加えて特例として、死亡日が令和8年4月1日前の場合、65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間に保険料の滞納がなければ大丈夫です。
  • 遺族基礎年金の受給権者には「配偶者」と「子」がなることができますが、配偶者には事実婚の場合も含みます

 

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