このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労災保険法から「業務災害」について見てみようと思います。
仕事場でケガをしてしまったといっても、それがすべて業務災害として認められるわけではありません。
業務災害として認められるには、要件を満たす必要があります。
それは何なのか、早速過去問を読んで確認していきましょう。
派遣労働者の業務遂行性の判断
(令和元年問4A)
派遣労働者に係る業務災害の認定に当たっては、派遣労働者が派遣元事業主との間の労働契約に基づき派遣元事業主の支配下にある場合及び派遣元事業と派遣先事業との間の労働者派遣契約に基づき派遣先事業主の支配下にある場合には、一般に業務遂行性があるものとして取り扱うこととされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
業務災害として認められるためには、業務起因性と業務遂行性が必要です。
業務起因性は、普通に仕事をしていたら起こりそうなケガや病気が現実化することで、
業務遂行性は、事業主の支配下にあって業務に従事しようとしている行動を言います。
派遣労働者の場合、雇用主は派遣元の事業主ですが、実際に仕事をする場所は派遣先の事業場です。
なので、派遣元と派遣先のいずれかの支配下にある場合は、業務遂行性が認められる可能性が高くなります。
それでは次は具体的な例をあげて業務災害として認められるかどうかを判断してみましょう。
ポイントは、やはり業務起因性と業務遂行性があるかどうかですね。
草むらで蛇にかまれたらどうなる??
(平成27年問3C)
配管工が、早朝に、前夜運搬されてきた小型パイプが事業場の資材置場に乱雑に荷下ろしされていたためそれを整理していた際、材料が小型のため付近の草むらに投げ込まれていないかと草むらに探しに入ったところ、その草むらの中に棲息していた毒蛇に足を咬まれて負傷した場合、業務上の負傷に該当する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
今回、ケガをされたのは小型パイプを整理していたときで、材料が草むらの中にないかどうかを確認しに入ったので、業務遂行性があり、草むらに蛇が潜んでいて咬まれる危険はありそうな話ですから、業務起因性もありそうですね。
では、次のケースはどうでしょう。
下の過去問では、運転手の顔見知りの人が運転しているときに運転手がケガをしてしまいました。
果たして、業務遂行性や業務起因性はありそうでしょうか?
顔見知りに運転させてケガを負わされたら業務災害になる?
(平成26年問1B)
自動車運転手Aは、道路工事現場に砂利を運搬するよう命ぜられ、その作業に従事していた。砂利を敷き終わり、Aが立ち話をしていたところ、顔見知りのBが来て、ちょっと運転をやらせてくれと頼んで運転台に乗り、運転を続けたが、Aは黙認していた。
Bが運転している際、Aは車のステップ台に乗っていたが、Bの不熟練のために電柱に衝突しそうになったので、とっさにAは飛び降りようとしたが、そのまま道路の外側にはね飛ばされて負傷した。このAの災害はAの職務逸脱によって発生したものであるため、業務外とされている。
解説
解答:正
問題文のとおり、業務災害とは認められません。
まず、運転していたのは顔見知りの人で、「ちょっと運転をやらせてくれ」ということで運転をしたわけなので、業務とは関係ないですよね。
なので、業務遂行性がある中での事故とは言えず、運転手の人がケガをしてしまっても業務外のケガとなってしまいます。
今回のポイント
- 業務起因性は、普通に仕事をしていたら起こりそうなケガや病気が現実化することで、
- 業務遂行性は、事業主の支配下にあって業務に従事しようとしている行動を言います。
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