社労士試験で健康保険法の傷病手当金は非常によく出題されています。
労災保険法の休業(補償)給付で似たような要件があったり、出産手当金や、厚生年金法の障害厚生年金との調整など、ツッコミどころが多いからかもしれませんね。
なので、この傷病手当金の要件は丁寧に押さえておくようにしましょう。
出題数が多いので、過去問でチェックしていけば十分対応できますから、積極的にチャレンジしていきましょう。
傷病手当金の額は?
(平成25年問9B)
被保険者(任意継続被保険者又は特例退職被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して5日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金として、1日につき、標準報酬日額の5分の2に相当する金額を支給する。
解説
解答:誤
・「5日」ではなく、「3日」です。
・「標準報酬日額の5分の2に相当する金額」ではなく、「傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額」です。
次は、待期期間についての過去問を見てみましょう。
待期期間に休日は含まれる?
(平成28年問8C)
傷病手当金の支給要件として継続した3日間の待期期間を要するが、土曜日及び日曜日を所定の休日とする会社に勤務する従業員が、金曜日から労務不能となり、初めて傷病手当金を請求する場合、その金曜日と翌週の月曜日及び火曜日の3日間で待期期間が完成するのではなく、金曜日とその翌日の土曜日、翌々日の日曜日の連続した3日間で待期期間が完成する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
待期期間は、所定休日を含めることができるので、問題文の場合、土曜日と日曜日も待期期間となります。
ちなみに、祝日や有給休暇も待期期間に含めることが可能です。
また、健康保険法の傷病手当金の待期期間は、連続した3日間ですが、労災保険法の休業(補償)給付の待期期間は通算して3日ですので合わせて確認しておきましょう。
では、他の給付と支給が重なったときの調整についての過去問です。
出産手当金も出るんですけど??
(平成30年問9E)
出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合、いずれかを選択して受給することができる。
解説
解答:誤
出産手当金と同時期に傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金が優先されます。
もし、傷病手当金の方が出産手当金よりも多い場合は、差額が支給されます。
また、厚生年金法の障害厚生年金の支給が受けることができる場合は、障害厚生年金が優先されます。
つまり、傷病手当金の立場が一番弱い、というイメージですね。
今回のポイント
- 被保険者(任意継続被保険者を除く。)が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給します。
- 傷病手当金の額は、1日につき、傷病手当金の支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12月間の各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2に相当する金額となります。
- 待期期間は、所定休日、祝日や有給休暇を含めることができます。
- 出産手当金と同時期に傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金が優先されます。
この記事へのコメントはありません。