教育訓練給付金にも、いろいろな種類があり、一般教育訓練給付金から専門実践教育訓練だけでなく、特定一般教育訓練というのまで出てきましたね。
今回は、一般教育訓練給付金について見てみることにしましょう。
対象者や必要な支給要件期間など一つ一つ確認しますね。
まずは高年齢被保険者も教育訓練給付金を受けることができるのか、という論点になっています。
高年齢被保険者も教育訓練給付金を受け取ることができる?
(平成29年問5C)
雇用保険法第60条の2に規定する支給要件期間が2年である高年齢被保険者は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合、他の要件を満たしても教育訓練給付金を受給することができない。
解説
解答:誤
問題文の高年齢被保険者の場合は、教育訓練給付金を受給することができます。
高年齢被保険者も一般被保険者と同様、教育訓練給付金を受けることができます。
はじめて教育訓練給付金の支給を受ける場合の支給要件期間は1年以上あれば大丈夫なので、問題文の高年齢被保険者がはじめて教育訓練を受けようとする場合はOKということになります。
ちなみに、通常の支給要件は3年以上です。
次の問題も支給要件になるのですが、傷病手当を受けていても教育訓練給付金を受給することはできるのでしょうか。
傷病手当を受けていても教育訓練給付金を受給できる?
(平成27年問4オ)
適用事業Aで一般被保険者として2年間雇用されていた者が、Aの離職後傷病手当を受給し、その後適用事業Bに2年間一般被保険者として雇用された場合、当該離職期間が1年以内であり過去に教育訓練給付金の支給を受けていないときには、当該一般被保険者は教育訓練給付金の対象となる。
解説
解答:正
問題文のとおりで、傷病手当を受給していたとしても、教育訓練給付金の支給要件期間には影響ありません。
また、離職期間が1年以内ですのでこちらの支給要件も問題ありません。
さて、教育訓練給付金の支給額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額になるのですが、どこまでの費用が対象になるのでしょうか。
次の過去問で確認しましょう。
教育訓練給付金の支給対象となる費用の範囲は?
(平成27年問4エ)
一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給の対象となる費用の範囲は、入学料、受講料及び交通費である。
解説
解答:誤
「交通費」ではなく、一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給の対象となる費用の範囲は、入学料と最大1年分の受講料と「キャリアコンサルティングを受けた場合の費用」となります。
一般教育訓練の受講開始日前1年以内にキャリアコンサルタントが行うキャリアコンサルティングを受けた場合は、上限2万円までの費用が対象です。
で、教育訓練給付金の支給額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額とありましたが、これは上限額です。
下限額は設定されているのでしょうか。
教育訓練給付金の額に最低ラインはあるの?
(平成25年問4エ)
教育訓練給付金の額として算定された額が5,000円となるときは、教育訓練給付金は、支給されない。
解説
解答:誤
教育訓練給付金の額として算定された額が4,000円を超えないときには、教育訓練給付金は支給されないので、問題文の場合は大丈夫です。
では最後に教育訓練給付金の支給申請を行う際の必要書類について確認しましょう。
それは、教育訓練実施者による終了の証明についての問題になっています。
教育訓練の終了の証明って要るの?
(平成25年問4イ)
一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けるためには、教育訓練を受け、当該教育訓練を修了したことが必要であるが、当該教育訓練を行った指定教育訓練実施者によりその旨の証明がされていない場合にも、所定の要件を満たすことにより、支給を受けることができる。(問題文を一部補正しています)
解説
解答:誤
教育訓練を行った指定教育訓練実施者による修了の証明がされた場合に限って一般教育訓練給付金が支給されることになっています。
ちなみに、受講修了日の翌日から起算して1ヶ月以内に申請する必要があります。
今回のポイント
- 高年齢被保険者も一般被保険者と同様、教育訓練給付金を受けることができます。
- 傷病手当を受給していたとしても、教育訓練給付金の支給要件期間には影響ありません。
- 一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給の対象となる費用の範囲は、入学料と最大1年分の受講料と「キャリアコンサルティングを受けた場合の費用」となります。
- 教育訓練給付金の額として算定された額が4,000円を超えないときには、教育訓練給付金は支給されません。
- 教育訓練を行った指定教育訓練実施者による修了の証明がされた場合に限って一般教育訓練給付金が支給されることになっています。
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