このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働基準法から「労働時間」について見てみようと思います。
一口に労働時間といっても、そもそも労働がどういう状態のことを指すのか、1日の労働とはどういうことなのか、などについて過去問を読みながら確認していきましょう。
そもそも「労働」とはどういう状態?
(平成26年問5D)
労働基準法第32条にいう「労働」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件とはしない。
したがって、例えば、運転手が2名乗り込んで交替で運転に当たる場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠をとっているときであってもそれは「労働」であり、その状態にある時間は労働基準法上の労働時間である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働時間に該当するかどうかについてのポイントは、その時間が使用者の指揮命令下にあるかどうかです。
問題文のように、労働者が助手席で仮眠を取っていたとしても、車から降りて自由に行動ができないということであれば労働時間に該当する可能性が高くなります。
たとえば、訪問看護に従事している労働者について考えてみましょう。
訪問看護労働者が、事業場や利用者の家などを移動している時間に注目してみると、
使用者が業務に従事するために必要な移動を命じていて、
その移動時間について、労働者が自由に使えるものではなく、もっぱら移動に費やしている場合は、労働時間に該当します。
では次に、「1日」という時間について見てみましょう。
労働基準法では、1日の労働時間が休憩時間を除いて8時間を超えてはならないと規定しています(法32条)。
しかし、そもそも「1日」というのは何時から何時までを指しているのでしょうか?
労働基準法でいうところの「1日」の定義
(令和元年問6A)
労働基準法第32条第2項にいう「1日」とは、午前0時から午後12時までのいわゆる暦日をいい、
継続勤務が2暦日にわたる場合には、たとえ暦日を異にする場合でも1勤務として取り扱い、
当該勤務は始業時刻の属する日の労働として、当該日の「1日」の労働とする。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法でいうところの「1日」は、午前0時から午後12時までの暦日を指します。
ただ、朝から働いて残業になり、深夜0時を超えて働いていても、勤務自体は継続しているので、1日分の労働とみなされます。
あと、年次有給休暇についても、1日分の有休は、午前0時から午後12時までの時間を言いますので、
たとえば午前9時が夜勤明けでそのまま有休を取ります、ということは成り立たないということになります。
それでは、「1週間」についても見てみましょう。
労働基準法では、1週間について40時間を超えて労働をさせることができないことになっていますが、
1週間の起点になる曜日はどのように規定されているのでしょうか。
1週間のスタートとなる曜日は?
(平成30年問1オ)
労働基準法第32条第1項は、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。」と定めているが、
ここにいう1週間は、例えば、日曜から土曜までと限定されたものではなく、何曜から始まる1週間とするかについては、就業規則等で別に定めることが認められている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法で1週間のスタートとなる日については規定されていませんので、就業規則などで会社ごとに定めることができますが、
もし決めていないのであれば、日曜日が1週間の起点にするよ、ということが通達に出ています。
この通達については、リンクを貼っておきますので、ご自由にご参考になさってくださいね。
参考記事:改正労働基準法の施行について 昭和六三年一月一日 基発第一号、婦発第一号
今回のポイント
- 労働時間に該当するかどうかについてのポイントは、その時間が使用者の指揮命令下にあるかどうかです。
- 労働基準法でいうところの「1日」は、午前0時から午後12時までの暦日を指します。
- 1週間のスタートとなる日については、就業規則などで会社ごとに定めることができますが、もし決めていないのであれば、日曜日が1週間の起点になります。
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