「雇用保険法 再就職手当(就職促進給付)の理解に役立つ過去問5選」過去問・雇-33

再就職手当で引っかかりやすいのは、数字と要件ですね。

早期に再就職したらどれだけもらえるのか、1ヶ月以内に再就職した時の注意点、独立した場合にも支給してもらえるのか、など色々とありますよね。

その一つ一つは複雑なものではないのですが、丁寧に押さえていくことが大切です。

最初の過去問は、早期の再就職者に対する再就職手当の金額についての論点から見ていきましょう。

 

早期に再就職者した場合の再就職手当の額は?

(令和元年問5D)

早期再就職者に係る再就職手当の額は、支給残日数に相当する日数に10分の6を乗じて得た数に基本手当日額を乗じて得た額である。

 

解説

解答:誤

「10分の6」ではなく、早期再就職者に対する再就職手当の額は、支給残日数に相当する日数に「10分の7」を乗じて得た数に基本手当日額を乗じて得た額になります。

早期再就職者というのは、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上の場合が対象になります。

なので、早期再就職者の再就職手当の額は、

「基本手当日額 × 支給残日数 × 7/10」

ということになります。

さて次は、離職して再就職せずに、独立して事業を始めた場合に再就職手当が支給されるのかを確認しましょう。

できれば欲しいですよね笑

 

事業を開始した場合に再就職手当は支給される?

(平成30年問1エ)

事業を開始した基本手当の受給資格者は、当該事業が当該受給資格者の自立に資するもので他の要件を満たす場合であっても、再就職手当を受給することができない。

 

解説

解答:誤

「再就職手当を受給できない」のではなく、事業を開始した基本手当の受給資格者には、その事業で事業を開始した受給資格者が自立することができる公共職業安定所長が認めた場合に、再就職手当が支給されます。

ここで再就職手当の支給要件を確認しておきましょう。

  • 職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数が3分の1以上ある場合
  • 厚生労働省令で定める安定した職業に就いた場合

となっています。

上記の「厚生労働省令で定める安定した職業」というのは、

  1. 1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる職業
  2. 事業を開始した場合で、その事業で受給資格者が自立することができると公共職業安定所長が認めたもの

になります。

先ほどの問題は、「2」のケースになりますね。

で、上記の再就職手当の支給要件で、「所定給付日数が3分の1以上」とありましたが、もし3分の1も残っていなかったらどうなるのでしょうか。

次の過去問でチェックしましょう。

 

所定給付日数が3分の1未満のときはどうなる?

(令和元年問5C)

身体障害者その他就職が困難な者として厚生労働省令で定めるものが基本手当の支給残日数の3分の1未満を残して厚生労働大臣の定める安定した職業に就いたときは、当該受給資格者は再就職手当を受けることができる。

 

解説

解答:誤

問題文の場合、「再就職手当」ではなく、「常用就職支度手当」が支給される可能性があります。

「常用就職支度手当」は、

基本手当の受給資格者高年齢受給資格者特例受給資格者日雇受給資格者であって、

身体障害者や就職日において45歳以上である受給資格者その他の就職が困難な者が、

安定した職業に就いた場合に、一定の要件に該当すると支給されるものです。

なので、基本手当の支給残日数が3分の1未満の場合は、再就職手当ではなく、常用就職支度手当が支給される可能性があるのです。

さて、再就職手当が支給されないケースの過去問をもう一つ見てみましょう。

キーワードは、「待期期間満了後1か月」です。

 

待期期間後1か月以内に事業を開始したら再就職手当が支給されない?

(平成26年問6B)

受給資格者が離職理由による給付制限を受け、雇用保険法第21条に定める待期の期間満了後の1か月の期間内に事業を開始したときは再就職手当を受給することができない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

待期期間満了後1か月以内再就職手当が支給されるのは、公共職業安定所又は職業紹介事業者等の紹介により職業に就いた場合です。

なので、問題文のように、事業を開始した場合に再就職手当をもらうには、待期期間満了後1か月経った後である必要があるのです。

また、離職前の事業主に再び雇われた場合も再就職手当は支給されませんし、求職の申込の前に就職先が決まっていた場合も同様です。

では、さっきの問題の論点になった「公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介」についての過去問をもう一問みておきましょう。

 

再就職手当をもらうには、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介でないとダメ?

(平成23年問5C)

受給資格者が離職理由による給付制限を受けた場合、再就職手当の受給のためには、公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介により安定した職業に就いたことが必要であり、友人の紹介で安定した職業に就いたとしても再就職手当が支給されることはない。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:誤

公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介でないと支給されないわけではありません。

公共職業安定所又は職業紹介事業者の紹介が再就職手当の支給要件になるのは、「待期期間の満了後1か月の期間内」の話で、

1か月経過してしまえば、友人の紹介で就職したとしても、所定の要件を満たせば再就職手当が支給されます。

 

今回のポイント

 

  • 再就職手当の支給要件は、①職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が当該受給資格に基づく所定給付日数が3分の1以上ある場合、②厚生労働省令で定める安定した職業に就いた場合となっています。
  • 早期再就職者に対する再就職手当の額は、支給残日数に相当する日数に「10分の7」を乗じて得た数に基本手当日額を乗じて得た額になります。
  • 「再就職手当を受給できない」のではなく、事業を開始した基本手当の受給資格者には、その事業で事業を開始した受給資格者が自立することができる公共職業安定所長が認めた場合に、再就職手当が支給されます。
  • 待期期間満了後1か月以内再就職手当が支給されるのは、公共職業安定所又は職業紹介事業者等の紹介により職業に就いた場合です。
  • 待期期間の満了後1か月の期間を経過すれば、友人の紹介で就職したとしても、所定の要件を満たせば再就職手当が支給されます。
  • 「常用就職支度手当」は、基本手当の受給資格者高年齢受給資格者特例受給資格者日雇受給資格者であって、身体障害者や就職日において45歳以上である受給資格者その他の就職が困難な者が、安定した職業に就いた場合に、一定の要件に該当すると支給されるものです。

 

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