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【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労基法 労働契約の締結」過去問・労基-99

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なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、労基法から「労働契約の締結」について見てみたいと思います。

労働条件の明示や契約期間、退職について扱った過去問がありますのでチェックしていきましょう。

 

「就業の場所」や「従事すべき業務」はどこまで明示すればいい?

(令和3年問2B)

労働契約の締結の際に、使用者が労働者に書面により明示すべき「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項」について、

労働者にとって予期せぬ不利益を避けるため、将来就業する可能性のある場所や、将来従事させる可能性のある業務を併せ、網羅的に明示しなければならない。

 

解説

解答:誤り

「就業の場所」や「従事すべき業務」の明示については、基本的には雇入れ直後の就業の場所や従事すべき場所を明示すれば大丈夫なので、将来の分まで網羅的に明示しなければならないわけではありませんが、

将来の就業場所や従事させる業務を併せて網羅的に明示することは「差し支えない」ということになっています。

こちらは、通達からの問題ですので、下にその通達のリンクを貼っておきますからご自由にご参考になさってくださいね。

(「第二 労働条件の明示(法第一五条第一項関係)」のところに記載されています)

 

参考URL:労働基準法の一部を改正する法律の施行について 平成一一年一月二九日 基発第四五号

 

では次に、契約期間について見てみましょう。

通常、一度の有期労働契約では、契約期間が3年を超えることができませんが、

「満60歳以上」の人と「専門的知識を持っている人」に対しては5年までの有期労働契約を結ぶことができます。

では、下の過去問を読んでみて正しいかどうか見てみましょう。

 

専門的な知識を持っていても専門的業務についていなかったら

(令和2年問5ア)

専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」という。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者との間に締結される労働契約については、

当該労働者の有する高度の専門的知識等を必要とする業務に就く場合に限って契約期間の上限を5年とする労働契約を締結することが可能となり、

当該高度の専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間の上限は3年である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

専門的知識を持った人と有期労働契約を結んでも、その専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間は、原則どおり3年までとなります。

さて、いわゆる正社員のような無期労働契約の場合は、民法627条の規定により2週間以上の期間を確保すればいつでも退職できますが、

有期労働契約の場合は、やむを得ない理由がなければ労働契約を解除することができません(民法628条)。

ただ、労基法では、1年を超える有期労働契約を結んだ場合、働きはじめてから1年を経過すればいつでも退職できることになっています(労基法137条)。

とは言っても、上記の規定は誰にでも適用されるわけではないようです。

下の過去問を読んでみましょう。

 

満60歳以上の者が専門的業務についてなかったら??

(平成24年問2C)

満60歳以上で薬剤師の資格を有する者が、ある事業場で3年の期間を定めた労働契約を締結して薬剤師以外の業務に就いていた場合、

その者は、民法第628条の規定にかかわらず、労働基準法第137条の規定に基づき、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

 

解説

解答:誤り

満60歳以上の者」と、「専門的知識を持った者」については、労基法137条の規定は適用されないため、労働契約の期間の初日から1年を経過したとしても、いつでも退職できるわけではありません。

問題文では、薬剤師という専門的知識を持った人が、薬剤師「以外」の業務に就いていたということですが、「満60歳以上」の方なので、労基法137条は適用されないということになります。

 

今回のポイント

  • 専門的知識を持った人と有期労働契約を結んでも、その専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間は、原則どおり3年までとなります。
  • 専門的知識を持った人と有期労働契約を結んでも、その専門的知識を必要とする業務に就いていない場合の契約期間は、原則どおり3年までとなります。
  • 満60歳以上の者」と、「専門的知識を持った者」については、労基法137条の規定は適用されないため、労働契約の期間の初日から1年を経過したとしても、いつでも退職できるわけではありません。

 

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