「厚生年金法 過去問で読み解く特別支給の老齢厚生年金の支給要件」過去問・厚-34

特別支給の老齢厚生年金は、65歳から支給される本来の老齢厚生年金の前に支給する「特別」な年金ということです。

以前は、60歳から老齢厚生年金が支給されていたので、元々はこっちが「本来の」老齢厚生年金だったはずですが、

支給開始年齢だったのを65歳に段階的に引き上げるために、特別支給の老齢厚生年金は移行期間として支給されるためのものになってしまったのです。

そこへ、国家公務員の方々が加入していた共済年金も厚生年金に統合されたので、余計ややこしいですよね。苦笑

今回はそんな特別支給の老齢厚生年金についての支給要件支給開始年齢についての過去問を集めましたので一つずつ見ていきましょう。

最初の過去問は、2種以上の被保険者期間がある場合に、特別支給の老齢厚生年金の支給要件である、被保険者期間「1年以上」を算定するうえで合算してくれるのか?という論点になっています。

 

「1年以上」の要件に2種以上の被保険者の月は合算できる?

(平成28年問7ウ)

国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間が25年ある昭和31年4月2日生まれの女性が、60歳となった時点で第1号厚生年金被保険者期間を8か月及び第4号厚生年金被保険者期間を10か月有していた場合であっても、それぞれの種別の厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ないため、60歳から特別支給の老齢厚生年金を受給することはできない。

 

解説

解答:誤

特別支給の老齢厚生年金の支給要件である、被保険者期間「1年以上」は2種以上の被保険者期間を合算できるので、問題文の場合は、合計すると18か月になるので、特別支給の老齢厚生年金を受給できます。

まあ、そうですよね。

そうでないと厚生年金と共済年金を統合しても被保険者側にメリットが感じられなくなりそうですね。苦笑

でも、2種以上の被保険者の合算は万能ではなく、合算できないパターンもあるようです。

次の過去問で確認しましょう。

 

長期加入者の特例の場合、2種以上の被保険者期間は合算できる??

(平成28年問7エ)

第1号厚生年金被保険者期間を30年と第2号厚生年金被保険者期間を14年有する昭和29年10月2日生まれの現に被保険者でない男性は、両種別を合わせた被保険者期間が44年以上であることにより、61歳から定額部分も含めた特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。

 

解説

解答:誤

問題文の場合、特別支給の老齢厚生年金を受給することができません。

2種以上の被保険者期間を合算は、長期加入者の特例には適用されないので、第1号厚生年金被保険者ならそれだけの被保険者期間で44年以上あることが条件になります。

なので、問題文のように第1号と第2号の厚生年金の被保険者期間を合わせて44年あったとしても、長期加入者の特例は受けられないのです。

次はいよいよ、生年月日の違いによる定額部分や報酬比例部分の支給開始年齢について見ていくことにしましょう。

イメージ的には、男子と、第2号〜4号の女子の場合、昭和16年からスタートして、2年ごと定額部分の支給開始年齢の階段が上がっていきます。

で、昭和24年4月2日から昭和28年4月1日の4年間は定額部分が60歳から支給される、支給開始年齢の階段の踊り場のようなものですね。

そして、昭和28年4月2日から、今度は報酬比例部分の階段が上がっていくことになります。

最後には、昭和36年4月2日以降がゴールになってしまうわけですね。

では、実際に過去問で確認しましょう。

 

生年月日による特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢の違い

(平成26年問9A)

特別支給の老齢厚生年金は報酬比例部分と定額部分で構成されるが、厚生年金保険の第1号被保険者期間(第3種被保険者期間はない)が30年ある、昭和28年4月2日生まれの男性(障害等級に該当しない。)には定額部分は支給されず、60歳から報酬比例部分のみが支給される。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:誤

問題文のように、昭和28年4月2日生まれの男性は、定額部分は支給はなく、報酬比例部分も61歳からの支給になります。

昭和28年4月2日から昭和30年4月1日までの間に生まれた男子は、報酬比例部分の老齢厚生年金が61歳から支給されます。

さて、先ほどの定額部分や報酬比例部分の支給開始年齢のイメージで、女子の第1厚生年金被保険者が抜けていましたが、第1号の女子男子より支給開始年齢が遅れて引き上げられることになっています。

では一体何年遅れて引き上げられるのかをチェックしましょう。

 

第1号厚生年金被保険者の女性は男性より、、、

(平成26年問9C)

特別支給の老齢厚生年金について、厚生年金保険の第1号被保険者期間(第3種被保険者期間はなし)だけが30年ある、昭和39年4月2日生まれの女性(障害等級に該当しない。)には定額部分は支給されず、63歳から報酬比例部分のみが支給される。(問題文を一部補正しています)

解説

解答:誤

問題文の場合、厚生年金保険の第1号被保険者期間だけがある女子は定額部分の支給はなく、報酬比例部分も64歳から支給されます。

女子の第1厚生年金被保険者は男子よりも5年遅れて定額部分や、報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げられる仕組みになっているのです。

つまり、昭和39年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた第1号の女子は、64歳から報酬比例部分が支給されることになります。

というわけで、第1号の女子の引き上げ年齢は男子の分を覚えておけば対応できますね。

では、特別支給の老齢厚生年金は65歳になると受給権がなくなってしまい、本来の老齢厚生年金の受給権を得るわけですが、それってあらためて請求をしないともらえないのか、という論点の過去問を確認しましょう。

 

65歳になったらまた老齢厚生年金の請求?

(平成30年問2ウ)

特別支給の老齢厚生年金の受給権者(第1号厚生年金被保険者期間のみを有する者とする。)が65歳に達し、65歳から支給される老齢厚生年金の裁定を受けようとする場合は、新たに老齢厚生年金に係る裁定の請求書を日本年金機構に提出しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、65歳から支給される本来の老齢厚生年金の裁定を受けようとする場合は、新たに請求書を提出する必要があります。

こうなると、特別支給の老齢厚生年金と、65歳からの本来の老齢厚生年金はまったくの別物ということですね。

まあ、ひょっとしたら65歳からの年金は繰り下げしよっかな、なんてことがあるかもしれませんしね。。。

 

今回のポイント

  • 特別支給の老齢厚生年金の支給要件である、被保険者期間「1年以上」は、2種以上の被保険者期間を合算できます。
  • 2種以上の被保険者期間を合算は、長期加入者の特例には適用されません。
  • 女子の第1厚生年金被保険者は男子よりも5年遅れて定額部分や、報酬比例部分の特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げられます。
  • 65歳から支給される本来の老齢厚生年金の裁定を受けようとする場合は、新たに請求書を提出する必要があります。

 

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