このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労災保険法より「遺族(補償)等一時金」について触れてみたいと思います。
遺族(補償)等一時金の支給要件や対象となる遺族について見てみましょう。
遺族保障一時金の支給要件
(平成28年問6エ)
遺族補償年金の受給権を失権したものは、遺族補償一時金の受給権者になることはない。
解説
解答:誤り
遺族補償年金の受給権を失権したものでも所定の要件を満たせば、遺族補償一時金の受給権者になることがあります。
遺族補償一時金の支給要件とは、
- 労働者の死亡の当時に遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合。
- 遺族補償年金の受給権が消滅した場合に、他に遺族補償年金を受けることができる遺族がおらず、かつ、これまで支給されていた遺族補償年金の額が、遺族補償一時金の額に足りない場合。
となっています。
なので、問題文のように遺族補償年金の受給権を失権しても、
他に遺族補償年金を受ける遺族がいなくて、しかも受給してきた遺族補償年金の額が遺族補償一時金の額に達していなければ、
遺族補償一時金が支給されるということになります。
さて、次に遺族補償一時金の受給権者について見てみましょう。
遺族補償一時金の受給権者
(平成25年問1B)
労働者が業務災害により死亡した場合、その祖父母は、当該労働者の死亡当時その収入により生計を維持していなかった場合でも、遺族補償一時金の受給者となることがある。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
遺族補償一時金の受給権者は、
- 配偶者
- 労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた子、父母、孫および祖父母
- 前号に該当しない子、父母、孫および祖父母並びに兄弟姉妹
となっていますので、生計維持がなかった祖父母でも遺族補償一時金の受給権者になることがあります。
では最後に、遺族補償一時金の受給権者となる順位について確認しておきましょう。
遺族補償一時金にかかる受給権者の順位
(令和3年問6E)
労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた兄弟姉妹は、労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していなかった父母より後順位となる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
上記の受給権者のリストは、そのまま受給権者の順位となります。
兄弟姉妹は、生計維持の有無関係なく順位が一番最後となっています。
今回のポイント
- 遺族補償一時金の支給要件とは、
- 労働者の死亡の当時に遺族補償年金を受けることができる遺族がない場合。
- 遺族補償年金の受給権が消滅した場合に、他に遺族補償年金を受けることができる遺族がおらず、かつ、これまで支給されていた遺族補償年金の額が、遺族補償一時金の額に足りない場合。
となっています。
- 遺族補償一時金の受給権者は、
- 配偶者
- 労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持していた子、父母、孫および祖父母
- 前号に該当しない子、父母、孫および祖父母並びに兄弟姉妹
となっています(順位も上記のとおりです)。
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