このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労災保険法の「業務災害」について見てみたいと思います。
業務災害の要件や事例について過去問で確認しましょう。
業務災害に該当するための要件
(平成26年問7D)
労働者が業務に起因して負傷又は疾病を生じた場合に該当すると認められるためには、業務と負傷又は疾病との間に相当因果関係があることが必要である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
業務災害が認められるための前提として労働者が労働契約に基づいて事業主の支配下にある状態であることが必要となります。
これを「業務遂行性」といいます。
業務遂行性があるなかで、業務と、負傷や疾病との間に相当因果関係があることも求められます。
これを「業務起因性」といいます。
業務災害に該当するかどうかは、業務遂行性と業務起因性の側面から判断されることととなります。
ただ、実際に業務災害かどうか判断するときに、はっきり白黒つけられるものばかりではありません。
たとえば、次の過去問を読んでみることにしましょう。
業務中でなくても業務災害になることがある?
(平成26年問1C)
事業場施設内における業務に就くための出勤又は業務を終えた後の退勤で「業務」と接続しているものは、業務行為そのものではないが、業務に通常付随する準備後始末行為と認められている。
したがって、その行為中の災害については、労働者の積極的な私的行為又は恣意行為によるものと認められず、加えて通常発生しうるような災害である場合は、業務上とされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
業務災害と認められるものは、必ずしも仕事中の起きた災害に限られるわけではありません。
業務に就くための準備や後始末の行為は業務に通常付随するものと認められ、業務災害となることがあります。
たとえば、出勤して作業着に着替えて作業場に向かう途中で転んでケガをしたようなケースですね。
では、休憩時間にケガなどをしてしまった場合はどうなるのでしょうか。
明らかに仕事をしているわけではありませんが、業務災害と認められることがあるのでしょうか?
休憩時間中に起きた災害はどうなる
(平成28年問2A)
道路清掃工事の日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚と作業場内の道路に面した柵にもたれて休憩していたところ、道路を走っていた乗用車が運転操作を誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車に挟まれて胸骨を骨折した場合、業務上の負傷と認められる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
仕事をしていなくても、休憩や用を足しにトイレに行く場合などについては、業務に付随するものとして、業務遂行性が認められることがあり、
作業場内にいたということは、事業主の管理下にあると判断され業務起因性が認められることがあります。
ただ、本試験対策としては、一つ一つの事例を丸暗記しても全く同じ問題が出ることはないと思いますので、
問題文を読んだときに、業務起因性・業務遂行性と照らし合わせて理解を深める方が応用が効くと思います。
今回のポイント
- 業務災害に該当するかどうかは、業務遂行性と業務起因性の側面から判断されることととなります。
- 問題文を読んだときに、業務起因性・業務遂行性と照らし合わせて理解を深めるようにしましょう。
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