このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、厚生年金法から「特別支給の老齢厚生年金」について見てみたいと思います。
本来の老齢厚生年金は、65歳以上から支給されますが、所定の要件に該当すると65歳未満でも支給されるのが、特別支給の老齢厚生年金です。
ですが、元々は、老齢厚生年金は60歳から支給されていた時代もあったのですが、
法改正が行われ、本来の老齢厚生年金の支給開始を65歳からとし、
現在、移行期間として徐々に支給開始年齢が上がっている老齢厚生年金が特別支給である、という立ち位置になっています。
それでは、特別支給の老齢厚生年金の支給要件を見てみましょう。
特別支給の老齢厚生年金の支給要件
(令和元年問1D)
老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合であっても、1年以上の厚生年金保険の被保険者期間を有していない場合には、特別支給の老齢厚生年金の受給権は生じない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
特別支給の老齢厚生年金を受け取るためには、厚生年金としての被保険者期間が1年以上あることが条件となります。
あと、「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている場合」というのは、保険料納付済期間などの期間が10年以上あることを指します。
さて、厚生年金としての被保険者期間が1年以上必要というお話でしたが、
現在、厚生年金の被保険者は、一般的な会社員から公務員まで4種類あります。
もし、被保険者期間が複数の種類あるとしたら、「1年」をどのように取り扱うのでしょうか。
下の問題で確認しましょう。
もし2つの種類の被保険者期間があったら、、、?
(平成28年問7ウ)
国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間が25年ある昭和31年4月2日生まれの女性が、60歳となった時点で第1号厚生年金被保険者期間を8か月及び第4号厚生年金被保険者期間を10か月有していた場合であっても、それぞれの種別の厚生年金保険の被保険者期間が1年以上ないため、60歳から特別支給の老齢厚生年金を受給することはできない。
解説
解答:誤り
特別支給の老齢厚生年金を受給するために必要な「1年以上の被保険者期間」については、2種以上の被保険者期間を合算することができます。
なので、問題文のケースですと、合計した被保険者期間が18ヶ月あるので、特別支給の老齢厚生年金の支給要件を満たしています。
さて、この特別支給の老齢厚生年金には特例があります。
どういったものかというと、特別支給の老齢厚生年金には、報酬比例部分と定額部分の2つがあるのですが、
被保険者期間が44年以上あると、報酬比例部分だけの受給対象だった人が定額部分も受給できることになります。
これを「長期加入の特例」というのですが、特例が適用されるための「被保険者期間44年」には、先ほどの複数の種類の被保険者期間があっても合算してくれるのでしょうか。
これを最後に確認しましょう。
2以上の種別の被保険者期間は長期特例にも有効?
(平成28年問7エ)
第1号厚生年金被保険者期間を30年と第2号厚生年金被保険者期間を14年有する昭和29年10月2日生まれの現に被保険者でない男性は、両種別を合わせた被保険者期間が44年以上であることにより、61歳から定額部分も含めた特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。
解説
解答:誤り
特別支給の老齢厚生年金に適用される長期加入の特例は、2以上の種類の被保険者期間を合算することができないため、
単独の種類の被保険者期間が44年以上あることが条件となります。
つまり、特別支給の老齢厚生年金を受け取るために必要な最低条件(1年)については、2以上の被保険者期間を合算することができますが、
長期加入の特例のようなオプションの場合には合算ができない、ということですね
今回のポイント
- 特別支給の老齢厚生年金を受け取るためには、厚生年金としての被保険者期間が1年以上あることが条件となります。
- 特別支給の老齢厚生年金を受給するために必要な「1年以上の被保険者期間」については、2種以上の被保険者期間を合算することができます。
- 特別支給の老齢厚生年金に適用される長期加入の特例は、2以上の種類の被保険者期間を合算することができないため、単独の種類の被保険者期間が44年以上あることが条件となります。
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