「社労士試験 健康保険法 療養の給付」過去問・健保-64

今回は、療養の給付について取り扱った過去問を取り上げたいと思います。

療養の給付は、私たちの生活の中で結構身近なものだと思いますが、

療養の給付にはどんな種類のものがあり、何が対象になるのかなど社労士試験で問われていますので、

一つ一つ見ていくことにしましょう。

最初の問題は、療養の給付の値段を誰がどのように決めているのかが論点になっています。

自由診療であれば好きな値段をつけることができるのでしょうが、

医療保険を適用する場合は、きちんと統一する必要がありますので、早速見ていくことにしましょう。

 

療養の給付の費用などを定めるときは

(平成23年問8D)

厚生労働大臣は、療養の給付に要する費用の算定方法、評価療養(高度の医療技術に係るものを除く。)又は選定療養の定めをしようとするときは、社会保障審議会に諮問するものとされている。

 

解説

解答:誤り

療養の給付に要する費用の算定方法などの定めをしようとするとき、厚生労働大臣は、社会保障審議会ではなく「中央社会保険医療協議会」に諮問することになっています。

社会保障審議会は、医療保険ばかりでなく、年金などの社会保障全般を取り扱っているので、医療保険に特化した中央社会保険医療協議会に意見を聞いているのですね。

ここで、療養の給付にはどんなものがあるのか確認しておきましょう。

療養の給付には、

  • 診察
  • 薬剤または治療材料の支給
  • 処置、手術その他の治療
  • 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
  • 病院または診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

がありますので押さえておきましょう。

では、次は定期健康診断と療養の給付の関係を見てみましょう。

定期健康診断は、医療保険の適用外ですが、結果いかんによっては、精密検査などを行うこともあるでしょう。

そのような場合、これらの検査は療養の給付の対象となるのでしょうか。

下の問題で確認しましょう。

 

定期健康審査に関連した精密検査は療養の給付?

(平成28年問3B)

定期的健康診査の結果、疾病の疑いがあると診断された被保険者が精密検査を行った場合、その精密検査が定期的健康診査の一環として予め計画されたものでなくとも、当該精密検査は療養の給付の対象とはならない。

 

解説

解答:誤り

精密検査が定期健康審査の一環として「あらかじめ」計画されたものでなければ、療養の給付の対象となり得ます。

検査が定期健康審査のメニューに入っているのであれば、定期健康審査の一部とみなされて療養の給付の対象外になりますが、

定期健康審査の結果を踏まえて、治療方針などを決めるために行う精密検査であれば療養の給付として取り扱うことができます

さて、療養の給付は、疾病や負傷に関して行われるものですが、

災害などが起きたことによってケガをすることもあります。

そんな場合、ただでさえ災害が起きて大変なときに、自分もケガをしてしまったら医療費(一部負担金)の負担は相当なものになります。

このように、災害などが起きた場合に健康保険法では、どのように規定されているのか見てみましょう。

 

災害などが起きた時の療養の給付の取り扱い

(平成25年問4C)

災害その他の厚生労働省令で定める特別の事情により、保険医療機関又は保険薬局に支払う一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けようとする者は、あらかじめ保険者に対し申請書を提出しなければならない。保険者は、その徴収猶予又は減免の決定をした場合には、速やかに証明書を申請者に交付するものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

災害などが起きたとき、保険者は被保険者に対して一部負担金減額免除徴収の猶予の措置を採ることができます。

で、被保険者の方は、保険者に対して、一部負担金の減額などしてもらうために申請書を提出することになっていて、

保険者は被保険者に対して減額などの決定をしたら、速やかに被保険者に対して証明書を交付します。

証明書を受け取ったら、被保険者は、医療機関などに被保険者証と一緒に提出すれば上記の措置を受けることができるわけです。

では、この一部負担金の特例についてもう一問見ておきましょう。

表現は少し違いますが、内容は同じです。

 

災害などが起きた時の療養の給付の取り扱い その2

(令和2年問8D)

保険者は、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けた被保険者であって、保険医療機関又は保険薬局に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対し、一部負担金の支払いを免除することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

災害などによって、住宅や家財、自分自身の身体が一定の損害を受けた場合に、一部負担金の支払いの免除などを受けることができますが、

住宅については、持ち家でなくて借家であっても住めなくなってしまった場合は同様の措置を受けることができます。

しかし、ここで気になるのは、医療機関や保険薬局の方です。

たとえば、被保険者が一部負担金の免除を受けた場合、保険医療機関などにとっては、それだけ収入が減るわけです。

災害が起きて被保険者が大変な状況にあるとはいえ、保険医療機関などが肩代わりをするのも変な話です。

なので、健康保険法では、一部負担金の免除措置を受けた被保険者に対して療養の給付を行なった場合の手続きについて規定しています。

それがどんな流れなのか見ておきましょう。

 

保険医療機関などが行う手続きとは

(令和元年問3C)

保険者から一部負担金等の徴収猶予又は減免の措置を受けた被保険者が、その証明書を提出して保険医療機関で療養の給付を受けた場合、保険医療機関は徴収猶予又は減免された一部負担金等相当額については、審査支払機関に請求することとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者から一部負担金の免除などについての証明書の提出を受けた場合、

保険医療機関や保険薬局は、その一部負担金の特例分について、審査支払機関に請求することになっています。

ちなみに、審査支払機関というのは社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会のことを指します。

 

今回のポイント

  • 療養の給付に要する費用の算定方法などの定めをしようとするとき、厚生労働大臣は、「中央社会保険医療協議会」に諮問することになっています。
  • 精密検査が定期健康審査の一環として「あらかじめ」計画されたものでなければ、療養の給付の対象となり得ます。
  • 災害などが起きたとき、保険者は被保険者に対して一部負担金減額免除徴収の猶予の措置を採ることができます。
  • 被保険者から一部負担金の免除などについての証明書の提出を受けた場合、保険医療機関や保険薬局は、その一部負担金の特例分について、審査支払機関に請求することになっています。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

総復習の時に心がけることは、多くの種類の問題をこなすことではなく、

絞り込んだ基本問題を繰り返すことです。

繰り返せば繰り返すほど、知識を使いこなせるようになり、

応用問題にも対応できるようになるので、合格にグッと近づくことができます(^^)

 

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