過去問

【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 厚生年金法 老齢厚生年金の支給繰下げ・繰り上げ」過去問・厚-85

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、厚生年金法から老齢厚生年金の支給繰り下げ・繰上げについて見てみたいと思います。

老齢厚生年金の支給タイミングを後ろにずらして繰下げを行うと、少し増額されて支給されますが、

逆に支給繰り上げを行うと、減額されることになります。

国としては支給タイミングを後ろにずらしてくれる方が負担が少ないので繰下げを行うと増額してくれるんですね。

では、老齢厚生年金の支給繰下げができるようになる条件について見てみましょう。

 

老齢厚生年金の支給繰下げの要件

(平成28年問4C)

障害基礎年金の受給権者が65歳になり老齢厚生年金の受給権を取得したものの、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかった場合、その者は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出を行うことができる。なお、その者は障害基礎年金、老齢基礎年金及び老齢厚生年金以外の年金の受給権者となったことがないものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

老齢厚生年金の支給繰下げをするには、

  • 老齢厚生年金の受給権を取得してから1年を経過していること
  • 原則として他の年金の受給権がないこと

が条件となっています。

ただ、老齢基礎年金(付加年金含む)や障害基礎年金の受給権については大丈夫です。

あと、もう一つ老齢厚生年金の支給繰下げとなるタイミングがあります。

それは、他の年金と関係があるのですが、どういうことなのか次の問題で確認しましょう。

 

老齢厚生年金の支給繰下げの要件 その2

(平成26年問6D)

65歳で老齢厚生年金の受給権を取得したが請求していなかった者が、67歳になったときに遺族厚生年金の受給権者となった場合、当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることはできず、65歳の時点に遡って老齢厚生年金が支給される。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、老齢厚生年金の支給繰下げの申し出をすると、遺族厚生年金の受給権者になった日に支給繰下げの申し出があったものとみなされます。

老齢厚生年金の受給権を得て1年を経過してから他の年金の受給権者になった場合、老齢厚生年金の支給繰下げの申し出をすると、申し出をした時点ではなく、他の年金の受給権を得た日に申し出をしたことになります

他の年金と足並みを揃えるということですね。

ちなみに、老齢厚生年金の受給権を取得してから5年経ってから上記の状態になった場合は、

5年を経過した日が老齢厚生年金の支給繰下げの申し出をした日とみなされます。

さて、先ほど老齢基礎年金の受給権があっても老齢厚生年金の支給繰下げができると述べましたが、

老齢基礎年金が1階部分だとすると老齢厚生年金は2階部分にあたります。

老齢厚生年金の支給繰下げの申し出をするなら老齢基礎年金の支給繰下げはしなくていいのでしょうか?

次の問題文を読んでみましょう。

 

老齢厚生年金の支給繰下げの申し出は老齢基礎年金と同じでなくてOK?

(平成28年問4A)

平成19年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した者の支給繰下げの申出は、必ずしも老齢基礎年金の支給繰下げの申出と同時に行うことを要しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

老齢厚生年金と老齢基礎年金の支給繰下げの申し出を同時にしなければならないという規定がありませんので、必ずしも同時に申し出を行う必要はありません

では、支給繰り上げの場合はどうでしょう。

支給繰下げと同じく同時でなくてもいいのでしょうか。

 

支給繰り上げの場合は?

(平成27年問8A)

老齢厚生年金の支給繰上げの請求は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

老齢厚生年金と老齢基礎年金の支給繰上げは、老齢基礎年金の支給繰上げができる場合は、

同時に行わなければならないという規定があるので、こちらはセットでの繰り上げということになります。

 

今回のポイント

  • 老齢厚生年金の支給繰下げをするには、
    • 老齢厚生年金の受給権を取得してから1年を経過していること
    • 原則として他の年金の受給権がないこと

    が条件となっていますが、老齢基礎年金(付加年金含む)や障害基礎年金の受給権については大丈夫です。

  • 老齢厚生年金の受給権を得て1年を経過してから他の年金の受給権者になった場合、老齢厚生年金の支給繰下げの申し出をすると、申し出をした時点ではなく、他の年金の受給権を得た日に申し出をしたことになります
  • 老齢厚生年金と老齢基礎年金の支給繰下げは、必ずしも同時に申し出を行う必要はありません
  • 老齢厚生年金と老齢基礎年金の支給繰上げは、老齢基礎年金の支給繰上げができる場合は、同時に行わなければならないという規定があるので、こちらはセットでの繰り上げということになります。

 

各科目の勉強法の記事をまとめました

労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください

リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」

 

科目ごとにまとめて記事を見ることができます!

スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。

もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。

ぜひご活用ください!

関連記事

  1. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労働に関する一般常識 育児介護…

  2. 「国民年金法 あっという間に理解できる!障害基礎年金の支給要件」過去問…

  3. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労働に関する一般常識 労働組合…

  4. 社労士試験勉強法 過去問攻略!「社一 船員保険法と健康保険法で違うとこ…

  5. 「社労士試験 雇用保険法 もう悩まない!不服申立ての要件を押さえるる方…

  6. 「社労士試験 健康保険法 訪問看護療養費(家族訪問看護療養費)で最初に…

  7. 「健康保険法 一般被保険者の規定はここがポイント!」過去問・健保-27…

  8. 「社労士試験 労基法 賃金の支払」労基-197

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。