過去問

「国民年金法 無理なく理解できる保険料についての論点」過去問・国-31

国民年金に加入していると、会社勤めのサラリーマンと違って保険料をお給料から天引きしてくれるわけではないので、自分で払う必要があります。

それも、自分の分だけではなく、家族の分の保険料も面倒を見る必要があるわけです。

今回は、そんな国民年金の保険料についての過去問を集めてみました。

社労士試験で、国民年金の保険料についてどのような論点が出題されているのでしょうか。

最初の問題は、国民年金の被保険者には第1号から第3号まで3種類の被保険者がいますが、どの被保険者が国民年金保険料を納める必要があるのか、という論点になっています。

下の過去問で確認しましょう。

 

国民年金の保険料を納付しなければならないのは、どの被保険者?

(平成30年問7C)

被保険者は、第1号被保険者としての被保険者期間及び第2号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付しなければならないが、第3号被保険者としての被保険者期間については国民年金保険料を納付することを要しない。

 

解説

解答:誤

第3号被保険者だけでなく、第2号被保険者としての被保険者期間についても、国民年金の保険料を納付する必要はありません。

第2号被保険者は、厚生年金の被保険者でいわゆる一般的なサラリーマンなどにあたりますが、給与明細を見ても、「国民年金保険料」という文字は見当たらず、「厚生年金保険料」の名目で保険料が引かれています。

で、第2号被保険者の配偶者である第3号被保険者も保険料を納めていません。

なので、国民年金保険料を納めているのは、第1号被保険者だけなんですね。

ただ、厚生年金全体のお財布から基礎年金拠出金という形で国民年金のお財布にお金を渡しているので、第1号被保険者だけが保険料を負担している、というわけではありません。

もちろん国庫負担もありますしね。

さて次は、保険料の連帯責任についての問題です。

国民健康保険については世帯主が保険料を納付する義務がありますが、国民年金の場合はどうなっているのでしょうか。

 

妻が夫の保険料を納付する??

(平成26年問3ア)

第1号被保険者である夫の妻は、夫の保険料を連帯して納付する義務を負う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これについては、条文で確認しましょう。

(保険料の納付義務)
法88条
1 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料連帯して納付する義務を負う。

となっています。

つまり、夫婦は協力して保険料を納付しましょうね、ということです。

ちなみに、たとえば20歳以上の大学生のお子さんがいる場合などは、上記の2項によると世帯主が、第1号被保険者であるお子さんの保険料を連帯して払う義務がある、ということになりますね。

さて、保険料を納付するにあたって、保険料の額や納付の期限を毎年通知されるわけですが、それを誰がやっているのか、というのが次の過去問になります。

 

保険料についての通知は誰が行っている??

(平成28年問6C)

第1号被保険者に対しては、市町村長から、毎年度、各年度の各月に係る保険料について、保険料の額、納期限等の通知が行われる。

 

解説

解答:誤

第1号被保険者に対しての保険料額や納期限についての通知は、市町村長ではなく、厚生労働大臣が行っています。

ただ、その通知に関する事務は日本年金機構へ委託されています。

下の参考記事に日本年金機構の案内のリンクを貼っておきますので、自由にご参考になさってください。

 

参考記事:国民年金保険料納付の案内

 

で、保険料を納付するときは、納付書を添付するのが原則なのですが、次の過去問は口座振替の場合どうするか、ということが問われています。

 

口座振替のときは納付書は要らない?

(平成23年問3D)

第1号被保険者は、保険料を納付しようとするときは、厚生労働大臣が交付する納付書を添付しなければならないが、厚生労働大臣より、口座振替による保険料の納付の申出の承認を受けた場合には、この限りではない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、口座振替で保険料を納付するときは、納付書は必要ありません

口座振替というのは、銀行引き落としのことですから、自動的にお金が引き落とされるのに納付書の出番はありませんよね。

なので、口座振替に納付署は要らないという規定になっているのですね。

では最後に、「納付受託者」についての過去問を確認しましょう。

納付受託者というのは、国民年金の保険料の納付事務を行うもの、ということになるのですが、言い換えると保険料の納付の受付などの業務をしてくれるところ、ということです。

たとえば、今では国民年金の保険料の納付は銀行だけでなく、コンビニなどでも行うことができます。

このコンビニなどが国民年金の保険料の納付事務を行う「納付受託者」というわけです。

で、下の過去問は、納付受託者が納付事務に関する記録を何年保管しなければならないのか、という論点になっています。

 

納付受託者の記録保存期間は?

(平成30年問1E)

保険料の納付受託者は、国民年金保険料納付受託記録簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、当該記録簿をその完結の日から5年間保存しなければならない。

 

解説

解答:誤

保険料の納付受託者は、国民年金保険料納付受託記録簿を5年間ではなく、「3年間」保存しなければなりません。

ちなみに、この納付受託者は、保険料の納付受付をする会社ばかりではなく、保険料の未納者に対する督促に関することを委託されている民間業者さんもいます。

 

今回のポイント

  • 国民年金の保険料を納付しているのは、第1号被保険者だけです。

  • 保険料の納付について、世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料連帯して納付する義務を負い、配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料連帯して納付する義務を負います。
  • 第1号被保険者に対しての保険料額や納期限についての通知は、市町村長ではなく、厚生労働大臣が行っています。
  • 保険料を納付するときは、納付書を添付するのが原則ですが、口座振替で保険料を納付するときは、納付書は必要ありません
  • 保険料の納付受託者は、国民年金保険料納付受託記録簿「3年間」保存しなければなりません。

 

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