年金科目の併給の調整については、厚生年金法のところで触れたことがありますので、下の記事もご覧になっていただければと思います。
参考記事:社労士試験勉強法 過去問攻略!「厚生年金法 併給の調整を効率的に押さえる方法とは?」 厚-19
では、ちょっとおさらいしておきましょう。
いっぺんに全部覚えようとすると大変なので、まずは以下の3つを押さえておきます。
- × 「老基・障厚」
- 遺基は全部アウト
- 65歳未満は全部アウト
で、「1」は最初に覚える併給できない年金の組み合わせです。
次の「2」の遺族基礎年金は、他のすべての年金と併給することができません。
最後の「3」については、65歳未満の場合は、支給事由の違う年金の併給はできないということになります。
では上記をふまえて過去問をチェックしましょう。
65歳以降になれば、、、
(平成30年問9D)
繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者に遺族厚生年金の受給権が発生した場合、65歳に達するまでは、繰上げ支給の老齢基礎年金と遺族厚生年金について併給することができないが、65歳以降は併給することができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
ポイントは、「65歳以降は」老齢基礎年金と遺族厚生年金の併給ができる、ということです。
先述した「3」で「65歳未満はアウト」ということを思い出せれば大丈夫です。
では併給調整になる年金の種類についての過去問を見てみましょう。
どの年金が併給調整になるんだったっけ?
(平成25年問3A)
65歳以上の者に支給される障害基礎年金と老齢厚生年金は併給されるが、65歳以上の老齢基礎年金の受給権者が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、併給の調整によりどちらか一方の年金給付は支給停止される。
解説
解答:誤
65歳以上であれば、老齢基礎年金と遺族厚生年金は併給の調整にはならず、支給停止にはなりません。
併給調整になるのは、「1」の老齢基礎年金と障害厚生年金です。
で、問題文には遺族基礎年金が入っていないので「2」もクリアですね。
次は、老齢基礎年金と障害厚生年金で出題された過去問を確認しておきましょう。
老齢基礎年金と障害厚生年金を組み合わせた出題
(平成29年問9B)
障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が65歳となり老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給権を取得した場合、この者は、障害等級3級の障害厚生年金と老齢基礎年金を併給して受けることを選択することができる。
解説
解答:誤
何度も言いますが、障害厚生年金と老齢基礎年金の併給をすることはできません。
さて、併給調整になる年金の組み合わせについての過去問は以上ですが、複数の年金を受給できるときに、選択しなかった方の年金はどうなるのでしょうか。
まさか、受給権がなくなる、なんてことは、、、?
受給しなかった年金の受給権はどうなる?
(平成23年問5E)
障害基礎年金の受給権者が老齢基礎年金の受給権を取得したときは、その者の選択によりどちらか一方の年金を支給し、他方の年金の受給権は消滅する。
解説
解答:誤
複数の受給権を取得して、選択されなかった方の受給権は「消滅」するのではなく、「支給停止」になるだけです。
なので、支給停止された年金は申出をすれば、選択替えをすることができます。
では、選択替えをしたいと思ったときに、申出をするタイミングは決まっているのでしょうか。
次の過去問でチェックしましょう。
選択替えの申出はいつできる?
(平成25年問3B)
併給の調整により支給を停止された年金給付について、いわゆる選択替えをすることができるのは、毎年、厚生労働大臣が受給権者に係る現況の確認を行う際に限られる。
解説
解答:誤
併給調整で支給停止された年金給付の選択替えは、「いつでも」将来に向かってすることができます。
『将来に向かって」というのもポイントです。
すでにもらった年金について「やっぱりあっちの年金方が良かったから取っかえてほしい」といった、「後出しジャンケン」のようなことはできませんよ
ということですね。
今回のポイント
- 併給調整の最初に抑えるべきポイントは以下の3つです。
- × 「老基・障厚」
- 遺基は全部アウト
- 65歳未満は全部アウト
- 複数の受給権を取得して、選択されなかった方の受給権は「消滅」するのではなく、「支給停止」になります。
- 併給調整で支給停止された年金給付の選択替えは、「いつでも」将来に向かってすることができます。
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