労働保険事務組合は、事業主の委託を受けて事業主の代わりに労働保険料の納付などをしてくれるところです。
ただ、委託をするのにも事業の規模が決まっていたり、委託をしているからといって事業主の責任を逃れることができないなどの規定があります。
それでは、社労士試験ではどのように出題されているのか確認していきましょう。
金融業が労働保険事務組合に委託できる労働者の数は?
(令和元年雇用問9A)
金融業を主たる事業とする事業主であり、常時使用する労働者が50人を超える場合、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することはできない。
解説
解答:正
金融業の場合、委託できるのは50人以下が要件です。
50人以下→金融業・保険業・不動産業・小売業
100人以下→卸売業・サービス業
上記以外の業種は300人以下となっています。
それでは、継続事業や有期事業などの違いで委託できないこともあるのでしょうか?
継続事業しか委託しちゃダメなの?
(平成29年雇用問10B)
労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができる事業主は、継続事業(一括有期事業を含む。)のみを行っている事業主に限られる。
解説
解答:誤
問題文のような規定はなく、継続事業はもちろん、有期事業をしている事業主も労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができます。
それでは最後に、責任の範囲について確認しましょう。
知らぬ存ぜぬでは済まされない??
そんなん聞いてませんけど??
(平成25年雇用問8D)
労働保険徴収法第19条第4項の規定により委託事業主に対してする認定決定の通知が労働保険事務組合に対してなされた場合、その通知の効果については、当該労働保険事務組合と当該委託事業主との間の委託契約の内容によっては当該委託事業主に及ばないことがある。
解説
解答:誤
委託事業主に対してする認定決定の通知が労働保険事務組合に対してなされた場合は、契約の内容がどうであれ、委託事業主にその通知の効果が及びます。
ですから、お役所としては、事務組合に通知したらそれでオッケーということですね。
逆に事業主と事務組合はきちんと連携をとっておく必要がありますね。
今回のポイント
- 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託できるのは、金融業・保険業・不動産業・小売業は常時使用する労働者が50人以下、卸売業・サービス業は100人以下、それ以外の業種は300人以下となっています。
- 継続事業はもちろん、有期事業をしている事業主も労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託することができます。
- 委託事業主に対してする認定決定の通知が労働保険事務組合に対してなされた場合は、契約の内容がどうであれ、委託事業主にその通知の効果が及びます。
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