社会復帰促進等事業は、労災保険法の最後のヤマですね。
事業の種類も多いですし、特別支給金もありますからね。
今回は、特別支給金については別の機会を設けることにして、
過去問を使って社会復帰促進等事業の概要について見ていきたいと思います。
最初の過去問は、社会復帰促進等事業の対象者が論点になっています。
社会復帰促進等事業の対象になっているのは、どのような人なのでしょう。
社会復帰促進等事業の対象者
(平成29年問3ア)
社会復帰促進等事業は、業務災害及び複数業務要因災害を被った労働者に関する事業であり、通勤災害を被った労働者は対象とされていない。
解説
解答:誤り
社会復帰促進等事業は、通勤災害を被った労働者も対象となっているので誤りです。
規定では、業務災害や複数業務要因災害、通勤災害を被った労働者を「被災労働者」と記載していますので、
通勤災害を被った労働者もちゃんとフォローしています。
社会復帰促進等事業全体としては、労災保険の適用事業にかかる労働者とその遺族となっています。
では、社会復帰促進等事業の内容を見ていきましょう。
社会復帰促進等事業には、療養の施設などの設置や運営などがありますが、
次の問題文は正しいのでしょうか?
社会復帰促進等事業に「賃金」に関する事業が?
(平成26年問4A)
政府が行うことができる社会復帰促進等事業には、賃金の支払の確保を図るために必要な事業が含まれる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
社会復帰促進等事業には、安全衛生確保等事業として「賃金の支払の確保」の事業も含まれています。
具体的には、未払賃金の立替払事業で、労災保険の適用事業の労働者を対象として行われています。
では、次に「葬祭」についてはどうでしょう。
社会復帰促進等事業に含まれているのでしょうか。
葬祭料の給付は社会復帰促進等事業の対象?
(令和元年問7A)
政府が労災保険の適用事業に係る労働者及びその遺族について行う社会復帰促進等事業として、被災労働者に係る葬祭料の給付は含まれる。(問題文を再構成しています)
解説
解答:誤り
葬祭料の給付は、社会復帰促進等事業に含まれていないので誤りです。
社会復帰促進等事業は、基本的に、労働者に社会復帰してもらうための事業なので、葬祭料は違うイメージですね。
未払賃金の立替払については、会社が倒産して生活に困窮している労働者を救済して早期に社会復帰してもらう、ということで説明が付きますよね。
さて、次は業務災害についての事業が論点になっています。
業務災害の「防止」についての事業は、社会復帰促進等事業に含まれているのでしょうか。
社会復帰促進等事業には業務災害の防止に関する活動も?
(平成26年問4C)
政府が行うことができる社会復帰促進等事業には、業務災害の防止に関する活動に対する援助を図るために必要な事業が含まれる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
こちらも、未払賃金の立替と同じく安全衛生等確保事業として、事業主に対する労働災害の防止に関する啓蒙指導ということで、
業務災害の防止に関する活動に対する援助も社会復帰促進等事業に含まれています。
業務災害を予防することで、社会復帰をせざる得なくなる労働者を減らそうということですね。
では最後に、「機構」について見てみましょう。
所定の社会復帰促進等事業については、ある「機構」に行わせています。
災害の予防などに関する事項の調査や研究などがあるのですが、どこに行わせるのか確認しましょう。
総合的な調査・研究はどこに行わせる?
(平成29年問3イ)
政府は、社会復帰促進等事業のうち、事業場における災害の予防に係る事項並びに労働者の健康の保持増進に係る事項及び職業性疾病の病因、診断、予防その他の職業性疾病に係る事項に関する総合的な調査及び研究を、独立行政法人労働者健康安全機構に行わせる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
社会復帰促進等事業のうち、一部の事業は「労働者健康安全機構」に行わせていますが、
年金を担保にしてお金を貸す福祉医療機構と混同しないようにしておきましょう。
今回のポイント
- 社会復帰促進等事業は、業務災害や複数業務要因災害だけでなく、通勤災害を被った労働者も対象となっています。
- 社会復帰促進等事業には、安全衛生確保等事業として「賃金の支払の確保」の事業があり、具体的には、未払賃金の立替払事業となっています。
- 葬祭料の給付は、社会復帰促進等事業に含まれていないません。
- 業務災害の防止に関する活動に対する援助も、安全衛生等確保事業として社会復帰促進等事業に含まれています。
- 社会復帰促進等事業のうち、一部の事業を「労働者健康安全機構」に行わせています。
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