このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は労基法の「賃金の支払」について見てみたいと思います。
ここでは全額払の原則に関連した過去問を取り上げましたので見てみましょう。
賃金全額払の原則の例外??
(平成26年問3オ)
労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当であるが、その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因としたものである場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。
解説
解答:誤り
使用者に対する債権が、
労働者の故意や過失による不法行為を原因としたものであっても
賃金との相殺は許されず、労基法24条の全額払の原則が適用される、という最高裁判例があります。
では、労働者の方から退職金の受け取りを辞退した場合はどうなるのでしょうか。
下の過去問を読んでみましょう。
退職金債権の放棄はすべて無効になるのか
(平成27年問4C)
退職金は労働者の老後の生活のための大切な資金であり、労働者が見返りなくこれを放棄することは通常考えられないことであるから、労働者が退職金債権を放棄する旨の意思表示は、それが労働者の自由な意思に基づくものであるか否かにかかわらず、労働基準法第24条第1項の賃金全額払の原則の趣旨に反し無効であるとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:誤り
労働者の自由な意思に基づくものであることが明確である場合、
賃金債権(退職金を受ける権利)の放棄の意思表示は有効である、
とする最高裁判所の判例があります。
今回のポイント
- 使用者に対する債権が、労働者の故意や過失による不法行為を原因としたものであっても賃金との相殺は許されず、労基法24条の全額払の原則が適用される、という最高裁判例があります。
-
労働者の自由な意思に基づくものであることが明確である場合、賃金債権(退職金を受ける権利)の放棄の意思表示は有効である、とする最高裁判所の判例があります。
各科目の勉強法の記事をまとめました
労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください
リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」
科目ごとにまとめて記事を見ることができます!
スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。
もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。
この記事へのコメントはありません。