過去問

「社労士試験 厚生年金法 押さえておきたい3号分割のポイントとは」過去問・厚-69

今回は、3号分割について取り上げたいと思います。

先日、合意分割についての記事を書きましたので、合わせて読んでいただけたら嬉しいです。

 

参考記事:「社労士試験 厚生年金法 合意分割の効率的な学習の進め方」過去問・厚-68

 

では、最初に被扶養配偶者の定義について見てみましょう。

3号分割というのは「離婚をした時」に行われるイメージがありますが、事実婚の場合でも3号分割は可能なのでしょうか。

 

事実婚でも3号分割できる?

(平成26年問8A)

いわゆる事実婚関係であった期間については、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者となっていた場合には分割の対象となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

3号分割でいうところの「離婚をした時」というのは、

まず、たとえ事実婚の状態でも被保険者と被扶養配偶者の関係があり、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者であった期間があって、

被扶養配偶者でなくなった、つまり、国民年金の第3号被保険者の資格を喪失して事実婚でなくなったと認められれば、3号分割の対象となります。

ただ事実婚の状態から婚姻の届出をしたことで正式の夫婦になった場合は3号分割は行われません。

では実際に標準報酬の改定や決定が行われる「特定期間」について見ていきましょう。

簡単にいうと、第2号被保険者の被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者だった期間のことを言うのですが、

除外される期間もあるようですので下の問題で確認しましょう。

 

3号分割の特定期間とは

(平成26年問8B)

分割の対象となる特定期間とは、特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として国民年金の第3号被保険者であった期間をいい、平成20年4月1日前の期間を含まない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

特定期間というのは、特定被保険者の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者だった期間のことを指します。

つまり、この特定期間の報酬比例部分の半分を被扶養配偶者へ分割されるということになるのですが、

平成20年4月1日前の期間は特定期間に含まれません

ちなみに、3号分割は被扶養配偶者からの請求で行われ、特定被保険者の合意は必要ありません。

で、この特定期間については、時間軸以外にも対象外になる期間がありますので確認しましょう。

 

特定期間でも3号分割の対象外になる場合が?

(令和元年問3E)

障害厚生年金の受給権者である特定被保険者(厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者をいう。)の被扶養配偶者が3号分割標準報酬改定請求をする場合における特定期間に係る被保険者期間については、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となった特定期間に係る被保険者期間を改定又は決定の対象から除くものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

標準報酬を分ける側である特定被保険者が、障害厚生年金の受給権者の場合、

特定期間の中に障害厚生年金の額の根拠になる被保険者期間があるときは、

その被保険者期間は特定期間から外されることになります。

そうでないと、障害厚生年金の額が減ってしまって特定被保険者が生活できなくなってしまうかもしれないですからね。

ということで、次は3号分割を請求できる期限について下の問題で問われていますので読んでいきましょう。

 

3号分割をする場合のタイムリミット

(平成26年問8E)

原則として、離婚が成立した日等の翌日から起算して2年を経過したときは、被扶養配偶者からの特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求を行うことができない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

3号分割の請求は、離婚から2年以内に行う必要があります。

これは合意分割でも同じです。

ちなみに、この2年というのは脱退一時金の請求期限もそうでしたね。

このように、知識を色々な形でリンクさせていくと知識が定着しやすくなりますのでオススメです。

では最後に、3号分割によって標準報酬が改定・決定された結果、年金額の改定がいつ行われるのかを確認しておきましょう。

 

年金額の改定はいつから?

(平成26年問8D)

老齢厚生年金の受給権者について、分割の規定により標準報酬の改定又は決定が行われたときの年金額の改定は、当該請求があった日の属する月の翌月分から行われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

3号分割によって改定・決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かって効力が発生し、

老齢厚生年金の受給権者で3号分割が行われたときは、請求のあった月の翌月から年金額が改定されることになります。

 

今回のポイント

  • 3号分割でいうところの「離婚をした時」というのは、まず、たとえ事実婚の状態でも被保険者と被扶養配偶者の関係があり、被扶養配偶者が国民年金の第3号被保険者であった期間があって、被扶養配偶者でなくなった、つまり、国民年金の第3号被保険者の資格を喪失して事実婚でなくなったと認められれば、3号分割の対象となります。
  • 特定期間というのは、特定被保険者の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者だった期間のことを指しますが、平成20年4月1日前の期間は特定期間に含まれません
  • 標準報酬を分ける側である特定被保険者が、障害厚生年金の受給権者の場合、特定期間の中に障害厚生年金の額の根拠になる被保険者期間があるときは、その被保険者期間は特定期間から外されることになります。
  • 3号分割の請求は、離婚から2年以内に行う必要があり、合意分割も同じです。
  • 3号分割によって改定・決定された標準報酬は、請求のあった日から将来に向かって効力が発生し、老齢厚生年金の受給権者で3号分割が行われたときは、請求のあった月の翌月から年金額が改定されることになります。

 

毎日の勉強のヒントにどうぞ♫

記憶は、同じテキストなどを何度も頭に擦り込んで得られるものです。

たとえば使い込んだテキストを、新品の同じテキストと交換するだけでも違和感が生じるはずです。

ましてや別のテキストに手を出すのは勉強を1から始めることと同じなのです(^_^;)

 

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