「社労士試験 国民年金法 5分で再確認!給付制限の要点とは」過去問・国-69

給付制限には「故意」、「重大な過失」、「支給停止」、「一時差し止め」などいろいろなキーワードが出てきます。

これらは、国民年金法に限らず、他の科目でも出てきますし、微妙に使われ方が違ったりしますので、横断的に確認なさってみてくださいね。

それでは、最初の問題を見てみましょう。

この問題では、「故意」による給付制限について問われています。

いわゆる絶対的給付制限ですが、どのような内容になっているのでしょうか。

 

「故意」による給付制限は?

(令和元年問6C)

被保険者又は被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金又は死亡一時金の受給権者となるべき者を故意に死亡させた者には、遺族基礎年金又は死亡一時金は支給しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

故意」の場合は絶対的給付制限となり、遺族基礎年金または死亡一時金は「支給されません。」

遺族基礎年金・死亡一時金の場合は規定が2種類あり、

  • 被保険者または被保険者であった者故意に死亡させた者
  • 被保険者または被保険者であった者の死亡前に、その者の死亡によって遺族基礎年金または死亡一時金の受給権者となるべき者故意に死亡させた者

には遺族基礎年金または死亡一時金は支給されません。

障害基礎年金の場合は、故意に障害またはその直接の原因となった事故を生じさせた者の障害について、これを支給事由とする障害基礎年金は支給されません

さて、次は「差し止め」と「支給停止」について見てみましょう。

差し止め」は年金給付を差し止める理由がなくなれば、さかのぼって年金給付が行われますが、

支給停止」の場合は、停止された期間の年金は支給されることはありません

では、「一時差し止め」と「支給停止」が行われる理由について下の問題で確認しましょう。

 

「一時差し止め」と「支給停止」の違い

(令和元年問5E)

受給権者が、正当な理由がなくて、国民年金法第107条第1項に規定する受給権者に関する調査における命令に従わず、又は当該調査における職員の質問に応じなかったときは、年金給付の額の全部又は一部につき、その支給を一時差し止めることができる。

 

解説

解答:誤り

受給権者に関する調査による物件の提出命令に従わなかったり、職員の質問に応じなかったときは「一時差し止め」ではなく「支給停止」となります。

また、障害基礎年金で正当な理由がないのに受診命令に従わなかったり、職員の診断を拒んだときも「支給停止」となります。

では「一時差し止め」になる事由はどのようなものなのでしょうか。

 

「一時差し止め」と「支給停止」の違い その2

(平成23年問2D)

受給権者は、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令の定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令の定める書類その他の物件を提出しなければならないが、受給権者が正当な理由がなくて届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないとき、厚生労働大臣は年金給付の支払を停止することができる。

 

解説

解答:誤り

届出や書類などの提出をしない場合は、支給停止ではなく、「一時差し止め」となります。

支給停止の場合は、命令に従わなかった結果ですので悪質性が見られますが、

一時差し止めでは、書類の提出をしないという「うっかり」の要素も見られると思いますがいかがでしょう。

で、この「一時差し止め」については、少し形を変えて再度出題されていますので確認してみましょう。

 

出題は繰り返される

(令和2年問7C)

遺族基礎年金の受給権者である配偶者が、正当な理由がなくて、指定日までに提出しなければならない加算額対象者と引き続き生計を同じくしている旨等を記載した届書を提出しないときは、当該遺族基礎年金は支給を停止するとされている。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、届出をしていないケースですので支給停止ではなく、「一時差し止め」となります。

出題の形を変えられても「支給停止」と「一時差し止め」のニュアンスを押さえていれば対応できますので大丈夫です。

では最後に、第三者の行為によって生じた年金給付について見ておきましょう。

もし、受給権者が第三者から損害賠償を受けた場合、年金給付はどうなるのでしょうか。

 

第三者の行為によって生じた障害基礎年金の取り扱い

(平成27年問5C)

20歳前傷病による障害基礎年金の受給権者の障害が第三者の行為によって生じた場合に、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたとき、当該障害基礎年金との調整は行われない。

 

解説

解答:誤り

第三者の行為によって障害基礎年金や遺族基礎年金などの給付が行われる場合、受給権者が第三者から損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度給付を行う責を免れます

ちなみに、死亡一時金については、受給権者が損害賠償を受けた場合でも調整は行われません。

逆に、給付の方が早い場合は、政府は第三者に対して給付の価額の限度で損害賠償の請求権を取得します。

 

今回のポイント

  • 故意」の場合は絶対的給付制限となり、遺族基礎年金または死亡一時金は「支給されません。」
  • 受給権者に関する調査による物件の提出命令に従わなかったり、職員の質問に応じなかったときは「支給停止」となります。
  • 届出や書類などの提出をしない場合は、「一時差し止め」となります。
  • 第三者の行為によって障害基礎年金や遺族基礎年金などの給付が行われる場合、受給権者が第三者から損害賠償を受けたときは、政府はその価額の限度給付を行う責を免れます

 

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