国民年金の「保険料の免除」といっても色々な種類があります。
法定免除から全額免除、学生の納付特例、保険料納付猶予制度などがあり、それぞれに要件があります。
社労士試験では、その要件についてよく出題されています。
ここでは、すべての過去問を見ることはできませんが、代表的なものをご紹介しますね。
医療扶助を受けてますけど法定免除の対象になる?
(平成27年問6エ)
第1号被保険者が生活保護法の保護のうち、医療扶助のみを受けた場合、保険料の法定免除の対象とされる。
解説
解答:誤
医療扶助のみの場合は、法定免除の対象にはなりません。
法定免除の対象になるのは、生活保護法の「生活扶助」を受けた場合です。
「生活に困るほど収入がない」、というイメージで覚えると良いと思います。
では、次の場合はどうでしょう。
夫婦連帯責任??
(平成24年問3E)
法第90条第1項に定めるいわゆる保険料の申請免除については、同一世帯における世帯主又は配偶者のいずれかが免除事由に該当しないときであっても、免除の対象となる。
解説
解答:誤
世帯主または配偶者のいずれかが免除事由に該当しない場合は、対象になりません。
法第90条第1項とは全額免除のことですが、全額免除は同一世帯における世帯主又は配偶者のいずれかが免除事由に該当しないときは対象になりません。
夫婦のどちらかがそれなりの収入があるのなら、夫婦助け合って保険料を納めましょう、ということなのでしょうね。
さらに、全額免除と学生納付特例の関係について見ていきましょう。
学生でも全額免除を受けることができる??
(平成28年問1ア)
国民年金法第90条第1項に規定する申請による保険料の全額免除の規定について、学生である期間及び学生であった期間は、その適用を受けることができない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
法第90条第1項とは全額免除のことですが、保険料の全額免除期間に学生の期間は除かれます。
全額免除の場合、国庫負担があるのですが、学生納付特例にはありません。受給資格期間に参入されるだけです。
学生まで全額免除の対象にしてしまうと、国庫負担が本当に「負担」になるのでしょうね。
今回のポイント
- 法定免除の対象になるのは、生活保護法の「生活扶助」を受けた場合です。
- 全額免除は同一世帯における世帯主又は配偶者のいずれかが免除事由に該当しないときは対象になりません。
- 保険料の全額免除期間に学生の期間は除かれます。
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