「社労士試験 徴収法 労働保険料の負担と不服申立てのポイントを整理しましょう」過去問・徴-63

今回は、労働保険料の負担不服申立てについて取り扱った過去問を集めてみました。

労働保険料は事業主と被保険者でどのように負担して納付するのか、その流れについて確認しましょう。

不服申立てでは、他の法律とは違った規定になっていますから、その違いを意識しながら読んでいただけたら嬉しいです。

それでは最初の問題に入っていきましょう。

1問目は、被保険者が負担する保険料の範囲が論点になっています。

問題文をよく読んでイメージしてみてくださいね。

 

被保険者が負担する保険料は?

(令和2年雇用問10C)

労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業に係る被保険者は、「当該事業に係る一般保険料の額」から、「当該事業に係る一般保険料の額に相当する額に二事業率を乗じて得た額」を減じた額の2分の1の額を負担するものとする。

 

解説

解答:誤り

被保険者は、労災保険料を負担しませんので問題文は誤りです。

なので、被保険者が負担するのは、一般保険料の中の雇用保険料の部分ということになるのですが、

雇用保険料から二事業にかかる額を引いた金額を事業主と半分ずつ負担するわけですね。

二事業というのは、雇用保険二事業のことで、雇用安定事業と能力開発事業です。

こちらは、事業主が負担します。

次は、日雇労働被保険者が負担する保険料について見てみましょう。

日雇労働被保険者は、雇用保険料に加えて印紙保険料も負担します。

その印紙保険料はどれだけ負担するのでしょうか。

 

日雇労働被保険者の印紙保険料負担は?

(令和2年雇用問10D)

日雇労働被保険者は、労働保険徴収法第31条第1項の規定によるその者の負担すべき額のほか、印紙保険料の額が176円のときは88円を負担するものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

基本的に、印紙保険料は事業主と半分ずつ負担することになります。

賃金の日額によって印紙保険料は、176円・146円・96円の3種類があるわけですが、どの印紙保険料に該当したとしても折半するわけですね。

ここまで、被保険者が負担する保険料について見てきましたが、

被保険者は、自分で保険料を納付するわけではなく、事業主が被保険者の分もまとめて納付するのですね。

ということは、事業主は被保険者から保険料を徴収する必要があるわけです。

では、事業主が被保険者の賃金から保険料を控除するときのルールについて次の問題で確認しましょう。

 

事業主が被保険者分の保険料を控除するときは

(平成25年雇用問10D)

事業主は、雇用保険の被保険者が負担すべき労働保険料相当額を被保険者の賃金から控除することが認められているが、この控除は、被保険者に賃金を支払う都度、当該賃金に応ずる額についてのみ行うことができるものとされているので、例えば、月給制で毎月賃金を支払う場合に、1年間分の被保険者負担保険料額全額をまとめて控除することはできない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

事業主は、被保険者が負担する保険料についてまとめて控除することは認められておらず、

賃金を支払う都度、その賃金に応じた額について控除することができます

また、事業主は被保険者の賃金から保険料を控除したときは、計算書を作成してその額を被保険者に知らせる必要があります。

では、次は不服申立てについて見ていきましょう。

こちらは、法改正があり、他の法律とは違う申立て方法になりました。

それはどのような制度になったのか、次の問題を見てみましょう。

 

事業主が認定決定に対して異議申立てをするのは誰?

(平成28年労災問9ア)

事業主は、概算保険料に係る認定決定について、その処分庁である都道府県労働局歳入徴収官に対し、異議申立てを行うことができる。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:誤り

概算保険料の認定決定のように、徴収法の規定による処分に不服がある場合、歳入徴収官に異議申立てをすることはできず、

不服申立てを行う場合は、行政不服審査法によって、厚生労働大臣に対して審査請求をすることとなります。

もしくは、審査請求をせずに、処分取消しの訴えを提起することもできます。

ただ、厚生労働大臣に対して審査請求をする場合、他の法律と同じように期限が設けられています。

もし、その期限を過ぎてしまったら、もう審査請求はできないのでしょうか。

最後に下の問題で確認しましょう。

 

期限を過ぎたら審査請求できない?

(令和2年雇用問10B)

労働保険徴収法の規定による処分に不服がある者は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内であり、かつ、処分があった日の翌日から起算して1年以内であれば、厚生労働大臣に審査請求をすることができる。ただし、当該期間を超えた場合はいかなる場合も審査請求できない。

 

解説

解答:誤り

いかなる場合も審査請求できないわけではありません。

審査請求は、

  • 処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したとき
  •  処分についての審査請求は、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したとき

はすることができません。

が、正当な理由があるときはその限りではありませんので、問題文の「いかなる場合も」という部分が誤りというわけです。

 

今回のポイント

  • 被保険者は、労災保険料を負担せず、負担するのは雇用保険料で、雇用保険料から二事業にかかる額を引いた金額を事業主と半分ずつ負担することになります。
  • 印紙保険料は事業主と半分ずつ負担することになります。
  • 事業主は、被保険者が負担する保険料についてまとめて控除することは認められておらず、賃金を支払う都度、その賃金に応じた額について控除することができます
  • 不服申立てを行う場合は、行政不服審査法によって、厚生労働大臣に対して審査請求をするか、審査請求をせずに、処分取消しの訴えを提起することもできます。
  • 審査請求は、
    • 処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したとき
    •  処分についての審査請求は、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したとき

    はすることができません。

    が、正当な理由があるときはその限りではありません。

 

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