「社労士試験 国民年金法 遺族基礎年金の受給権者についてのポイント」過去問・国-61

遺族基礎年金の支給要件には、被保険者側と受給権者側に分かれます。

今回は、受給権者側から見た支給要件を見てみましょう。

最初の問題では、配偶者の国内居住要件について問われていますがどうなのでしょうか?

 

遺族基礎年金の支給要件に国内居住要件がある?

(令和元年問2C)

被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持していた配偶者は、その当時日本国内に住所を有していなかった場合でも、遺族基礎年金を受けることができる子と生計を同じくしていれば遺族基礎年金を受けることができる遺族となる。なお、死亡した被保険者又は被保険者であった者は遺族基礎年金の保険料納付要件を満たしているものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

遺族基礎年金を受けることができる遺族の範囲は、国内居住要件についての規定がありませんので、

問題文の配偶者の場合は、生計維持などの要件を満たしていれば遺族基礎年金の受給権者になることができます。

第2号被保険者の仕事の都合で海外赴任についていっている時に、不幸にして被保険者が亡くなられた場合などが想定できそうですね。

ただ、配偶者に対する要件として考えた場合、単に被保険者によって生計を維持されていただけでは足りないです。

他にどんな要件があるのか次の問題で確認しましょう。

 

妻への遺族基礎年金には子への加算が?

(令和2年問2E)

被保険者である夫が死亡し、その妻に遺族基礎年金が支給される場合、遺族基礎年金には、子の加算額が加算される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、配偶者が遺族基礎年金の受給権者になった場合、配偶者本人だけでなく、子への加算額もあります。

というのも、遺族基礎年金の配偶者に対する支給要件は、

  • 被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し かつ
  • 所定の要件を満たした子と生計を同じくすること

ということになっており、配偶者が遺族基礎年金の受給権者になるためには、生計が同じである「子」の存在がいなければならないということですね。

ちなみに、「子」の支給要件は、

  • 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあるか、20歳未満であつて障害等級に該当する障害の状態にあり かつ
  • 現に婚姻をしていないこと

ですので、合わせて押さえておきましょう。

さて、配偶者の遺族基礎年金の支給要件についてもう少し見てみましょう。

配偶者が遺族基礎年金を受け取るためには、生計が同じ「子」の存在が必要ですが、

被保険者の死亡後に、子と生計が同じになった場合は遺族基礎年金は支給されるのでしょうか。

下の問題で確認しましょう。

 

配偶者が遺族基礎年金の権利を取得した後に子と生計を同じになった場合は?

(平成23年問2B)

配偶者に対する遺族基礎年金については、配偶者がその権利を取得した当時、遺族の範囲に属し、かつ、その者と生計を同じくしていなかった子が生計を同じくするに至ったときは、その至った日の属する月の翌月から当該年金額が改定される。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、年金額が改定される事はありません。

問題文の場合は、すでに配偶者が遺族基礎年金の受給権を持っていて、生計が同じ子が増えた、という想定かと思いますが、

配偶者の遺族基礎年金は、被保険者または保険者であった者の死亡「当時」のタイミングで子と生計が同じ子が対象になりますので、

死亡後に生計が同じになった子は遺族基礎年金の対象外となり、配偶者の遺族基礎年金が改定されることはありません。

ただ、これには例外があります。

被保険者または被保険者であった者が死亡したときに胎児であった者が出生した場合は、将来に向かって受給権が発生します。

次の問題ではその場合の遺族基礎年金の請求方法が論点になっていますので見てみましょう。

 

胎児だった子が出生した時の遺族基礎年金の手続き

(令和元年問7B)

被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したことにより、被保険者又は被保険者であった者の妻及び子が遺族基礎年金の受給権を取得した場合においては、当該遺族基礎年金の裁定の請求書には連名しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者または被保険者であった者の死亡時点で胎児だった子が出生して遺族基礎年金の請求ができることになったときは、

遺族基礎年金の請求書に連名して年金機構に提出することになります。

では最後に、子に支給される遺族基礎年金の額を確認しておきましょう。

子の人数によって金額が変わってきますが、どのように規定されているのでしょうか。

 

子に対する遺族基礎年金の額は?

(平成28年問3E)

受給権者が子3人であるときの子に支給する遺族基礎年金の額は、780,900円に改定率を乗じて得た額に、224,700円に改定率を乗じて得た額の2倍の額を加算し、その合計額を3で除した額を3人の子それぞれに支給する。

 

解説

解答:誤り

遺族基礎年金の遺族が子だけの場合、3人目以降の子については、「74,900円に改定率を乗じて得た額」の合計額を子の数で割ることになります。

遺族が子だけの場合は、

  • 1人目 → 本体の遺族基礎年金(780,900円×改定率)
  • 2人目 → 224,700円 × 改定率
  • 3人目以後 → 74,900円 × 改定率

を子の数で割った金額となります。

また、配偶者がいる場合の子への加算は、

  • 1人目 → 224,700円 × 改定率
  • 2人目 → 224,700円 × 改定率
  • 3人目以後 → 74,900円 × 改定率

となっています。

 

今回のポイント

  • 遺族基礎年金を受けることができる遺族の範囲は、国内居住要件についての規定がありません
  • 遺族基礎年金の配偶者に対する支給要件は、
    • 被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持し かつ
    • 所定の要件を満たした子と生計を同じくすること

    です。

  • 配偶者の遺族基礎年金は、被保険者または保険者であった者の死亡「当時」のタイミングで子と生計が同じ子が対象になります。
  • 被保険者または被保険者であった者の死亡時点で胎児だった子が出生して、遺族基礎年金の請求ができることになったときは、遺族基礎年金の請求書に連名して年金機構に提出することになります。
  • 遺族が子だけの場合は、
    • 1人目 → 本体の遺族基礎年金(780,900円×改定率)
    • 2人目 → 224,700円 × 改定率
    • 3人目以後 → 74,900円 × 改定率

    を子の数で割った金額となります。

  • 配偶者がいる場合の子への加算は、
    • 1人目 → 224,700円 × 改定率
    • 2人目 → 224,700円 × 改定率
    • 3人目以後 → 74,900円 × 改定率

    となっています。

 

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