「社労士試験 社会保険に関する一般常識 医療制度についての確認です」過去問・社一−23

社会保険には年金に関するものや医療制度、介護制度などいろいろな分野がありますが、

今回は「医療制度」について取り扱った一般常識の過去問を見ていきたいと思います。

多くは、後期高齢者医療制度に関するものになっていて、歴史についても出題されていますので見ていくことにしましょう。

最初の問題は、健康保険法にも出てきましたが、紹介状なしで大病院などを受診したときに徴収される特別料金が論点になっていますので見てみましょう。

 

紹介状なしで大病院で受診したら、、、

(平成28年問10B)

主治医と大病院に係る外来の機能分化をさらに進めるとともに、病院勤務医の負担軽減を図るため、平成28年度から、特定機能病院等において、紹介状なく受診する患者に対して、原則として療養に要した費用の2割の負担を求めることとされた。

 

解説

解答:誤り

紹介状なし特定機能病院大病院で受診した場合、2割の負担ではなく、初診の場合は5000円以上特別の費用を徴収されることになります。

ちなみに、歯科の場合は初診で3000円以上となりますが、

特定機能病院というのは、高度な医療の提供や技術の開発などを提供できる病院のことを言います。

ただし、救急の患者などは特別の費用の対象外となります。

ちょっとしたケガや風邪の場合は、近所のクリニックなどでまずは受診してね、ということで大病院の負担を軽減するための措置ですね。

さて、現在は高齢者医療確保法で後期高齢者医療制度がありますが、その前身には老人保健法がありました。

この法律が制定されたのがいつなのか確認しておきましょう。

 

老人保健法が制定されたのはいつ?

(平成26年問10C)

高齢者の医療費の負担の公平化を目指して、老人保健法が昭和47年に制定され、翌年2月から施行された。同法においては、各医療保険制度間の負担の公平を図る観点から老人保健拠出金制度が新たに導入された。また、老人医療費の一定額を患者が自己負担することとなった。

 

解説

解答:誤り

老人保健法が制定されたのは、昭和47年ではなく、「昭和57年」でその翌年の2月に施行されました。

当初、老人の医療費は無料の時期がありましたが、オイルショックを機に日本の高度経済成長は終わりを告げ、医療財政における高齢者の医療費の負担が重くなったため、

高齢者の医療費の負担の公平化を目指して老人保健法が昭和57年に制定されたのです。

このようにスタートした老人保健法でしたが、後期高齢者医療制度にバトンタッチされることになります。

次の問題では後期高齢者医療制度がいつスタートしたのかが論点になっていますので見てみましょう。

 

後期高齢者医療制度のスタート

(平成26年問10D)

老人保健法が全面改正された「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、後期高齢者医療制度が平成10年4月から実施された。本制度は、現役世代と高齢者の費用負担のルールを明確化するとともに、都道府県単位で全ての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合を運営主体とすることにより、運営責任の明確化及び財政の安定化を図り、75歳以上の者等を対象とする、独立した医療制度として創設された。

 

解説

解答:誤り

後期高齢者医療制度が実施されたのは、平成10年ではなく、「平成20年」の4月です。

高齢者の医療制度が独立したものになり、さらに、これまでの運営主体が市町村だったのに対し、都道府県単位ですべての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合になったのが大きな特徴の一つですね。

ちなみに、全国健康保険協会が設立されたのも平成20年(10月)です。

では、この後期高齢者医療制度における保険料がどうなっているのか見ておきましょう。

次の問題では国民健康保険も並んで記載されていますが仕組みとしては同じなのでチェックしていきますね。

 

国民健康保険と後期高齢者医療の保険料

(平成27年問9C)

国民健康保険及び後期高齢者医療の保険料(税)は、被保険者の負担能力に応じて賦課される応能分と、受益に応じて等しく被保険者に賦課される応益分から構成され、世帯の所得が一定額以下の場合には、応益分保険料(税)の7割、5割又は2割を軽減している。低所得者の保険料(税)負担を軽減するため、平成26年度の保険料(税)から、5割軽減と2割軽減の対象世帯を拡大することとした。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

国民健康保険と後期高齢者医療の保険料は、被保険者の所得(負担能力)によって決まる「応能分」と、被保険者が均等に負担すべき部分である「応益分」で構成されています。

問題文中にある「保険料」と「保険税」の違いですが、保険者によってどちらを採用しているか異なります。

保険税の方が時効が長いなど、細かな違いはありますが、社労士試験ではそこまで突っ込んで出題される可能性は低いと思いますので、深堀はしなくて良いかと思います。

では最後に、後期高齢者支援金について取り扱った過去問を見ておきましょう。

後期高齢者支援金というのは、75歳以上の後期高齢者医療制度を支えるために、

74歳までの現役世代が属している被用者保険や国民健康保険から支援を受けている仕組みのことです。

この後期高齢者支援金の負担を決める方法として、総報酬割という、被用者保険の被保険者の所得によって負担額を決める方法があるのですが、

これがどのように導入されていったのかが論点になっていますので見ていきましょう。

 

後期高齢者支援金の仕組み

(平成28年問10A)

75歳以上の方々の医療給付費は、その約4割を現役世代からの後期高齢者支援金によって賄われている。この支援金は、加入者数に応じた負担から負担能力に応じた負担とする観点から、被用者保険者間の按分について、平成22年度から3分の1を総報酬割(被保険者の給与や賞与などすべての所得で按分)、残りの3分の2を加入者割とする負担方法を導入した。また、より負担能力に応じた負担とするために、平成26年度には総報酬割を2分の1、平成27年度には3分の2と段階的に引き上げ、平成28年度からは全面総報酬割を実施することとされた。

 

解説

解答:誤り

総報酬割への段階的な引き上げについては、問題文は1年ずれており、

平成27年度には総報酬割を2分の1平成28年度には3分の2へと段階的に引き上げてから、

平成29年度からは全面総報酬割を実施することになりました。

また、後期高齢者医療制度の医療費は、約5割公費約4割を現役世代からの後期高齢者支援金、残りの約1割保険料になっていることにも注目しておきたいですね。

 

今回のポイント

  • 紹介状なし特定機能病院大病院で受診した場合、2割の負担ではなく、初診の場合は5000以上の特別の費用を徴収されることになります。
  • 老人保健法が制定されたのは、「昭和57年」でその翌年の2月に施行されました。
  • 後期高齢者医療制度が実施されたのは、「平成20年」の4月です。
  • 国民健康保険と後期高齢者医療の保険料は、被保険者の所得(負担能力)によって決まる「応能分」と、被保険者が均等に負担すべき部分である「応益分」で構成されています。
  • 総報酬割への段階的な引き上げは、平成27年度には総報酬割を2分の1平成28年度には3分の2へと段階的に引き上げてから、平成29年度からは全面総報酬割を実施することになりました。

 

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