「社労士試験 社会保険に関する一般常識(社会保障制度) 年金科目のおさらいです!」過去問・社一-22

社会保険に関する一般常識では、社会保険科目について横断的に出題されることもあります。

たとえば、国民年金法や厚生年金法、健康保険法、国民健康保険法など、色々取り混ぜて問題にしてくるのですね。

受験する側としては、少々とまどうこともありますが、知識を横断的にアウトプットすることになるので、

勉強をするときには、力だめしの感覚で取り組まれると良いと思います。

それでは早速問題を見ていきましょう。

1問目は、国民年金法から法定免除について問われています。

法定免除の状態でも、保険料を納付することができるのでしょうか?

 

法定免除でも保険料を納付することはできる?

(平成23年問9B)

国民年金法では、障害基礎年金の受給権者は、法定免除事由に該当するため、国民年金保険料を納付する義務を有しないが、自発的に保険料納付の意志があるときは、日本年金機構に法定免除の取り下げ申請を行い、以後の期間につき保険料を納付することができる、と規定している。

 

解説

解答:誤り

法定免除の対象者が、保険料の納付をするとき、法定免除の取り下げ申請までは必要なく、「申出」をすればその期間について保険料を納付することができます

国民年金の法定免除は、障害基礎年金の受給権者生活保護の生活扶助を受けている場合などに適用されますが、

将来の老齢基礎年金の受給額は下がってしまいます。

なので、老齢基礎年金の受給額を増やすために、保険料を納付することができます。

その際、法定免除の取り下げ申請をするのではなく、

保険料納付する旨の申出をすることで、保険料の納付ができます

また、追納によっても納付することができますね。

では、厚生年金の被保険者資格について、次の問題で確認しましょう。

会社に入ったときに、「試用期間」を設けているところもありますが、厚生年金の被保険者資格の取得はいつになるのでしょうか。

 

試用期間がある場合に被保険者資格を取得するのはいつ?

(平成23年問9A)

厚生年金保険法では、適用事業所に使用される70歳未満の者は、試用期間の長短にかかわらず、その試用期間終了後に被保険者資格を取得するものとする、と規定している。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、被保険者資格を取得するのは、試用期間終了後ではなく、

雇入れ時」から被保険者の資格を取得することになります。

規定では、「適用事業所に使用されるに至った日」に被保険者の資格を取得する、となっています。

つまり、試用期間といえども、労働者として雇われていることには変わりありませんから、資格取得の手続きが必要になるということですね。

で、被保険者の資格を取得したとなると、保険料を納付することになるのですが、

標準報酬月額に保険料率をかけることで保険料が決まり、それを事業主と被保険者で半分ずつ負担するわけです。

では、この保険料率がいまどうなっているのかを見ておきましょう。

 

第1号厚生年金被保険者の保険料率は?

(平成30年問9B)

厚生年金保険法では、第1号厚生年金被保険者に係る保険料率は、平成16年10月分から毎年0.354%ずつ引き上げられ、平成29年9月分以後は、19.3%で固定されている。

 

解説

解答:誤り

第1号厚生年金被保険者保険料率は、現在、19.3%ではなく、「18.3%」で固定されています。

第1号の保険料率は段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月に「18.3%」で固定されました。

ちなみに、国家公務員である第2号厚生年金被保険者と、地方公務員である第3号厚生年金被保険者については、

翌年の平成30年に「18.3%」で固定されました。

残りの、私立学校教職員の第4号厚生年金被保険者は、令和9年(2027年)に「18.3%」になる予定です。

さて、国民年金の第1号被保険者の場合、保険料を前納できる制度があります。

最大で2年前納できるのですが、この前納の制度は、他の被保険者でもできるものなのでしょうか。

次の問題を読んでみましょう。

 

保険料の前納ができるのは??

(平成30年問9E)

国民年金第1号被保険者、健康保険法に規定する任意継続被保険者、厚生年金保険法に規定する適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者及び船員保険法に規定する疾病任意継続被保険者は、被保険者自身が保険料を全額納付する義務を負い、毎月の保険料は各月の納付期限までに納付しなければならないが、いずれの被保険者も申出により一定期間の保険料を前納することができる。

 

解説

解答:誤り

高齢任意加入被保険者については、前納することができません

国民年金の第1号被保険者は、先ほども述べたように、最大「2年」分の保険料を前納できますし、

任意継続被保険者疾病任意継続被保険者も、「12ヶ月分」の保険料を前納することができます。

高齢任意加入被保険者については、適用事業所に使用されている人の場合、国民年金の第1号被保険者などと同様、原則としては自分で保険料を納付することになります。

ただ、事業主が同意すれば、保険料は折半になり事業主が納付します。

また、適用事業所以外の事業所の場合は、そもそも事業主と保険料は折半、事業主が保険料を納付することになります。

で、なぜ高齢任意加入被保険者が前納できないのかというと、任意加入といえども厚生年金の被保険者であって、保険料は標準報酬月額によって決まるわけで、金額が変動する可能性もありますよね。

もしお給料が上がって随時改定したなんてことがあると、1年のうちに何度も保険料が変わる可能性もあるわけです。

国民年金や、任意継続被保険者、疾病任意継続被保険者の場合、基本的に保険料額は固定です。

(任意継続被保険者や疾病任意継続被保険者の場合は、健康保険料率などの変更がありますが、原則年1回ですよね)

というように考えれば、高齢任意加入被保険者が保険料の前納ができない理由が納得できそうですがいかがでしょう。笑

では最後に、ねんきん定期便について取り扱った過去問を見てみましょう。

ねんきん定期便では、保険料の納付状況や、将来もらえる年金の見込み額を教えてくれるものですが、

それを踏まえながら、ねんきん定期便の対象者はどうなっているのか問題文を確認しましょう。

 

ねんきん定期便の対象者はだれ?

(平成28年問10E)

日本年金機構では、毎年誕生月に送付している「ねんきん定期便」によって、国民年金・厚生年金保険の全ての現役加入者及び受給権者に対し、年金加入期間、年金見込額、保険料納付額、国民年金の納付状況や厚生年金保険の標準報酬月額等をお知らせしている。

 

解説

解答:誤り

ねんきん定期便の対象者は、受給権者は対象になっておらず、「全ての現役加入者」が対象になっています。

ねんきん定期便の内容は、先ほど述べたように、保険料の納付状況や年金の見込み額なわけですので、すでに年金をもらっている受給権者にお知らせする必要はありませんね。

ちなみに、ねんきん定期便は、毎年、加入者の誕生月にハガキで送られますが、

35歳、45歳、59歳の人には、封書で送られてくることになっていて、より細かい情報を知らせることになっています。

 

今回のポイント

  • 法定免除の対象者が、保険料の納付をするとき、「申出」をすればその期間について保険料を納付することができます
  • 試用期間の制度を採用していても、被保険者資格を取得するのは、試用期間終了後ではなく、「雇入れ時」からです。
  • 第1号、2号、3号厚生年金被保険者保険料率は、現在「18.3%」で固定されています。(第4号厚生年金被保険者は、令和9年(2027年)に「18.3%」になる予定です。)
  • 高齢任意加入被保険者については、保険料を前納することができません
  • ねんきん定期便の対象者は、受給権者は対象になっておらず、「全ての現役加入者」が対象になっています。

 

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