「社労士試験 雇用保険法 被保険者資格に関する論点を覚えていますか?」過去問・雇-56

今回は、雇用保険の「被保険者資格」について取り上げたいと思います。

一口に被保険者資格と言っても、資格を取得するタイミングや、届出期限、資格喪失まで色々と論点がありますので一つ一つ押さえていきたいですね。

それでは最初の問題に行きたいと思います。

1問目は、被保険者資格を取得する日について問われています。

問題文では、適用事業所に雇用された場合の資格取得日が論点になっているので見ていきましょう。

 

被保険者資格を取得する日とは

(令和2年問1D)

適用事業に雇用された者で、雇用保険法第6条に定める適用除外に該当しないものは、雇用契約の成立日ではなく、雇用関係に入った最初の日に被保険者資格を取得する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

適用事業における被保険者の資格を取得する日というのは、雇用関係に入った最初の日を指しますですが、

雇用関係というのは、労働者が事業主の支配を受けて、その規律の下に労働を提供し、

その提供した労働の対償として事業主からお給料をもらっている関係のことを指します。

なので、コロナなどの影響により、出勤日初日に事業主の指示で自宅待機を命じられた場合、

事業主から指示があり「支配」を受けているのであれば、被保険者の資格取得日は自宅待機開始日(初出勤予定日)となります。

さて、上記は「適用事業」のお話でしたが、暫定任意適用事業の場合はどうなるのでしょうか。

次の過去問で確認してみましょう。

 

暫定任意適用事業に雇用される場合の被保険者資格の取得日

(令和2年問1E)

暫定任意適用事業の事業主がその事業について任意加入の認可を受けたときは、その事業に雇用される者は、当該認可の申請がなされた日に被保険者資格を取得する。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、暫定任意適用事業の認可の申請がなされた日ではなく、「認可があった日」が被保険者資格の取得日になります。

「あ、知ってる!」となって問題文を読み飛ばさないよう、注意することが大切ですね。

ちなみに、暫定任意適用事業について被保険者資格を取得するタイミングは、

個人事業の暫定任意適用事業だったのが、法人に変更したり、常時雇用する労働者数が5人以上になって「適用事業になった日」も資格取得日となります。

では、被保険者資格の取得届はいつまでに提出する必要があるのでしょうか。

下の問題で確認してみましょう。

 

資格取得届の提出期限

(平成24年問2B)

事業主は、その雇用する労働者が当該事業主の行う適用事業に係る被保険者となったことについて、当該事実のあった日の属する月の翌月10日までに、雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号又は様式第2号の2。)に必要に応じ所定の書類を添えて、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:正

雇用保険の場合、被保険者資格取得届は、「翌月10日まで」に提出することになっています。

で、提出先は、これまで公共職業安定所だけでしたが、

令和2年の法改正により、「様式第2号」の資格取得届のフォーマットで提出する場合は年金事務所を経由して提出することができ、

「様式第2号の2」のフォーマットを使えば、年金事務所はもちろん、労働基準監督署長を経由して提出することができます。

これがいわゆる「ワンストップ」と呼ばれる制度ですね。

で、届出についてですが、「介護休業」についての届出を見ておきましょう。

次の問題文では、高年齢被保険者と介護休業について問われていますが、高年齢被保険者に介護休業って関係ありましたっけ??

 

高年齢被保険者に介護休業は関係ある?

(平成26年問4E)

事業主は、その雇用する高年齢被保険者が介護休業を開始しても、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に雇用保険被保険者休業開始時賃金証明書を提出する必要はない。(問題文を一部補正しています。)

 

解説

解答:誤り

高年齢被保険者介護休業給付金の対象になっているので、介護休業を開始することになった場合、休業開始時賃金証明書を提出する必要があります

介護休業給付金は、一般被保険者だけでないんですね。

対象外なのは、短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者です。

で、介護休業給付金の支給申請は、休業終了時から2ヶ月を経過する日の属する月の末日までですね。

ちなみに、育児休業給付金の対象者も、一般被保険者と高年齢被保険者ですので、一緒に押さえておきましょう。

では最後に、国や都道府県などの事業で働いていた人が被保険者資格を喪失するケースについて確認しましょう。

資格喪失日も大切ですが、条件面にも意識を向けてみましょう。

 

国などで雇用されている人が雇用保険の被保険者資格を喪失する時とは

(令和2年問1C)

雇用保険の被保険者が国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が法の規定する求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められるものであって雇用保険法施行規則第4条に定めるものに該当するに至ったときは、その日の属する月の翌月の初日から雇用保険の被保険者資格を喪失する。

 

解説

解答:誤り

雇用保険の被保険者が都道府県市町村などの事業に雇用されていて、

離職した場合に求職者給付や就職促進給付を超える諸給与を受けることができるときは、

雇用保険の給付を受ける必要がないので、所定の要件に該当するその日に雇用保険の被保険者の資格を喪失することになります。

 

今回のポイント

  • 適用事業における被保険者の資格を取得する日というのは、雇用関係に入った最初の日を指しますですが、雇用関係というのは、労働者が事業主の支配を受けて、その規律の下に労働を提供し、その提供した労働の対償として事業主からお給料をもらっている関係のことを指します。
  • 暫定任意適用事業の場合は、「認可があった日」が被保険者資格の取得日になります。
  • 被保険者資格取得届は、「翌月10日まで」に提出することになっています。
  • 高年齢被保険者が介護休業を開始することになった場合、休業開始時賃金証明書を提出する必要があります。
  • 雇用保険の被保険者が、都道府県市町村などの事業に雇用されていて、離職した場合に求職者給付や就職促進給付を超える諸給与を受けることができるときは、所定の要件に該当するその日に雇用保険の被保険者の資格を喪失することになります。

 

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