「社労士試験 労基法 再確認しておきたい労働契約の解約のポイント」過去問・労基-58

社労士試験の労働基準法で、解雇や退職に関する「労働契約の解約」は本当によく出題されます。

解雇制限(法19条)にはじまって、解雇の予告(法20条)、解雇予告の適用除外(法21条)など論点が満載なのが要因としてあると思いますが、

社労士の仕事をしていく上で、避けて通れない項目でもあるからと推測しています。

なので、重要項目として意識しておかれると良いと思います。

それでは最初の問題に進みましょう。

1問目は、労働者側からの労働契約の解約について問われています。

労働者が労働契約を解約をするには、どれほどの期間をもって予告をすればいいのでしょうか。

 

労働者が労働契約を解約する時のルール

(平成23年問3A)

労働基準法第20条は、雇用契約の解約予告期間を2週間と定める民法第627条第1項の特別法に当たる規定であり、労働者が一方的に労働契約を解約する場合にも、原則として30日前に予告することを求めている。

 

解説

解答:誤り

労働者労働契約を解約するときの予告は30日前でなく2週間前で大丈夫です。

労基法第20条では、

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。」

とありますので、使用者が労働契約を解除(解雇)しようとするときは、少なくとも30日前に予告をする必要があります。

ちなみに、上記の2週間前の予告が適用されるのは、期間の定めのない労働契約の場合です。

有期雇用契約の場合は、労働者と使用者は、「やむを得ない事由」がなければ労働契約を解除することができません。

無期雇用の場合と違い、労働契約の期間に終わりがあることを労働者と使用者は、はじめから承知の上で契約しているので、

気安く契約を解除することができないということですね。

さて、次は解雇予告の適用除外について見てみましょう。

使用者が労働者を解雇をするためには、少なくとも30日以上前に予告をする必要がありますが、

場合によっては、予告が必要ないケースがあります。

それはどのようなケースがあるのか、次の問題で見てみましょう。

 

解雇予告が適用除外になる要件とは?

(平成23年問3D)

労働基準法第20条所定の予告期間及び予告手当は、6か月の期間を定めて使用される者が、期間の途中で解雇される場合には適用されることはない。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、解雇予告が必要となります。

規定としては、「2か月」以内の期間を定めて使用される者に対しては解雇予告が適用除外になります。

解雇予告が適用除外になるケースとしては、

  • 日日雇い入れられる者1箇月を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
  • 2か月以内の期間を定めて使用される者所定の期間を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
  • 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者所定の期間を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
  • 試の使用期間中の者14日を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)

がありますので、この機会に押さえておきましょう。

しかし、使用者が所定の要件を満たせば解雇できるといっても、そもそも「解雇してはいけない期間」があり、

これを「解雇制限」と言いますが、たとえば業務上負傷して休業している期間とその後30日であったり、

産前産後の女性が休業する期間とその後30日、というものがあります。

ただ、次の問題のように解雇の予告をしてから仕事でケガをしてしまったときはどうなるのでしょうか、、、?

 

解雇予告と解雇制限の関係

(平成24年問3エ)

使用者が労働者を解雇しようとする日の30日前に解雇の予告をしたところ、当該労働者が、予告の日から5日目に業務上の負傷をし療養のため2日間休業した。当該業務上の負傷による休業期間は当該解雇の予告期間の中に納まっているので、当該負傷については労働基準法第19条の適用はなく、当該解雇の効力は、当初の予告どおりの日に発生する。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、解雇の効力は予告どおりの日に発生するわけではありません。

解雇の予告を30日前にしたとしても、その後に業務上のケガをして休業した場合、

まだ解雇日より前で労働契約が生きているのであれば、

解雇制限が適用されるので、休業期間とその後30日は解雇することはできません。

ただ、解雇をする意思に変わりがないのであれば、あらためて解雇の予告をする必要はなく、

休業期間と30日間の日数だけ解雇日が先延ばしになるということになります。

ところで、解雇予告は30日以上前に予告をするか、30日分以上の平均賃金にあたる解雇予告手当を支払うことで成立しますが、

天災事変などやむを得ない事由のために事業の継続が不可能になったり、労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、

解雇予告の必要がありません。

次の問題では、「天災事変」がテーマになっているのですが、果たして解雇予告は必要ないのか見ておきましょう。

 

解雇予告が適用除外になるためには、、、?

(令和2年問5エ)

使用者は、労働者を解雇しようとする場合において、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」には解雇の予告を除外されるが、「天災事変その他やむを得ない事由」には、使用者の重過失による火災で事業場が焼失した場合も含まれる。

 

解説

解答:誤り

解雇予告が適用除外になる「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」には、

使用者の重過失による火災は対象になりません

天災事変と言うからには、落雷にあったとか、地震で工場が倒壊するといった、不可抗力の要素が必要になってきますね。

なので、たとえば税金を納めていなくて機材が差し押さえされて事業ができなくなった場合などは、天災事変には該当しません。

では最後に、解雇予告除外認定について確認しましょう。

解雇予告が適用除外になる「天災事変」や「労働者の責に帰すべき事由」で労働者を解雇するときは、

行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定が必要になるのですが、「解雇の効力」という視点で見た場合、

どの時点で解雇の効力が発生するのかを見てみましょう。

 

即時解雇の効力は解雇予告除外認定に影響される?

(平成24年問3イ)

労働者によるある行為が労働基準法第20条第1項ただし書の「労働者の責に帰すべき事由」に該当する場合において、使用者が即時解雇の意思表示をし、当日同条第3項の規定に基づいて所轄労働基準監督署長に解雇予告除外認定の申請をして翌日その認定を受けたときは、その即時解雇の効力は、当該認定のあった日に発生すると解されている。

 

解説

解答:誤り

解雇の効力は、「認定のあった日」ではなく「即時解雇の意思表示をした日」ということになります。

所轄労基署長に解雇予告除外認定の申請をすることは必要なのですが、認定自体は解雇予告が除外になる事実があるかどうかの確認をする手続きになるので、

認定されたから解雇が有効になるというわけではなく、解雇自体は、解雇の意思表示をした日に効力が発生します。

 

今回のポイント

  • 労働者労働契約を解約するときの予告は2週間前で大丈夫です。
  • 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をするか、30日分以上の平均賃金にあたる解雇予告手当を支払うことで成立しますが、天災事変などやむを得ない事由のために事業の継続が不可能になったり、労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、解雇予告の必要がありません。
  • 解雇予告が適用除外になるケースとしては、
    • 日日雇い入れられる者1箇月を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
    • 2か月以内の期間を定めて使用される者所定の期間を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
    • 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者所定の期間を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)
    • 試の使用期間中の者14日を超えて引き続き使用 → 解雇予告が必要)

    があります。

  • 解雇予告が適用除外になる「天災事変」や「労働者の責に帰すべき事由」で労働者を解雇するときは、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の認定が必要になりますが、解雇の効力は、「即時解雇の意思表示をした日」ということになります。

 

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