「社労士試験 国民年金法 ズバリ!振替加算をマスターするためのガイドはこれ!」過去問・国-55

振替加算というのは、いろいろと要件があって社労士試験でもよく出題されている項目ですが、

旧法の事情や厚生年金法の要素も絡んできたりするので、「よく分からない」というところもありますね。

なので、テキストを読んだり過去問を解いたりしていてもピンとこないかもしれません。

ですが、

国民年金法や厚生年金法を何度か往復していると「あ、なるほど!」と納得できるようになるので大丈夫です。

なので、最初のうちは「へ〜、そうなんだ〜」くらいの感じで十分ですので、繰り返し学習するようにしましょう。

それでは最初の問題を見てみましょう。

振替加算が加算されるためには「生計維持」という要件があります。

この生計維持がどのタイミングで判断されるのかが問われていますので確認しましょう。

 

振替加算にかかる生計維持の認定方法

(令和2年問7B)

老齢基礎年金のいわゆる振替加算の対象となる者に係る生計維持関係の認定は、老齢基礎年金に係る振替加算の加算開始事由に該当した日を確認した上で、その日における生計維持関係により行うこととなる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

そもそも、振替加算の加算要件は、

  • 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた人
  • 65歳に達した日の前日に配偶者の加給年金額の対象になっていたこと
  • 65歳に達した日に上記の配偶者によって生計を維持していたこと

となっていますが、

3つ目の生計維持はどの時点のことを指すのかというと、

「振替加算の開始事由に該当した日」

ということで、平たくいうと、65歳に達した時に生計維持要件を満たしていればオーケーということになりますね。

ちなみに、振替加算は65歳に達した月の翌月から支給されます。

では、振替加算の額はどのように計算するのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

振替加算の額は?

(平成28年問4ア)

振替加算の額は、その受給権者の老齢基礎年金の額に受給権者の生年月日に応じて政令で定める率を乗じて得た額として算出される。

 

解説

解答:誤

振替加算の額は、受給権者の老齢基礎年金の額ではなく、「224,700円」に改定率を乗じて得た額に、「受給権者の生年月日」に応じて定められた率を乗じて得た額ということになります。

つまり、

224,700円 × 改定率 × 受給権者の生年月日に応じて定められた率」

ですね

この、「受給権者の生年月日に応じて定められた率」は生まれた年が若い人ほど率は下がり、振替加算の額は少なくなります。

どういうことかというと、旧法時代は現在と違って、今でいう第3号被保険者の制度はなく、被扶養配偶者は任意加入だったので、

国民年金に入っていなかった人もいたりして、国民年金の加入期間が短く、老齢基礎年金の額が少ないことがありました。

なので、老齢厚生年金で支給されていた加給年金額を、配偶者の老齢基礎年金に振り替える「振替加算」が行われることになったんですね。

でも、昭和61年4月以降は第3号被保険者となるので、若い人ほど老齢基礎年金の額も安定してきますよね。

なので、生年月日によって率が変わるというわけです。

さて、そんな振替加算ですが、支給が停止される場合があるようです。

それはどんなケースなのか次の問題を見てみましょう。

 

振替加算の支給が停止されるケースとは

(平成30年問5イ)

振替加算の規定によりその額が加算された老齢基礎年金の受給権者が、障害厚生年金(当該障害厚生年金は支給停止されていないものとする。)の支給を受けることができるときは、その間、振替加算の規定により加算する額に相当する部分の支給を停止する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

振替加算の支給を受けている人が、障害基礎年金障害厚生年金障害共済年金などの支給を受けることができる場合は、老齢基礎年金の中の振替加算分が支給停止になります。

もともと振替加算が救済措置みたいなものですから、年金をちゃんともらえるなら振替加算は要らないよね、ということなんでしょうね。

では、次は事例問題を見てみましょう。

下の問題は、厚生年金の加給年金額の支給要件も絡んでいます。

加給年金額というのは、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上の場合に、生計を維持している配偶者または子がいるときに加算されるのですが、

240月未満でも、被保険者の生年月日によって中高齢の特例が適用されて加給年金額が加算されます。

それを踏まえたうえで問題を見ていくことにしましょう。

 

振替加算の事例問題

(平成30年問9B)

45歳から64歳まで第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を19年有し、このほかには被保険者期間を有しない老齢厚生年金の受給権者である68歳の夫(昭和25年4月2日生まれ)と、当該夫に生計を維持されている妻(昭和28年4月2日生まれ)がいる。当該妻が65歳に達し、老齢基礎年金の受給権を取得した場合、それまで当該夫の老齢厚生年金に加給年金額が加算されていれば、当該妻の老齢基礎年金に振替加算が加算される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、老齢厚生年金の受給権者である配偶者に加給年金額が加算されている時に、

65歳になって老齢基礎年金を受給することになった受給権者が、配偶者によって生計を維持されているときは、

老齢基礎年金に振替加算が加算されます。

問題文の場合、配偶者の老齢厚生年金には、中高齢者の特例によって、加給年金額が支給されるのは正しい記述です。

では最後に、振替加算の受給権が消滅してしまうケースを確認することにしましょう。

 

振替加算がなくなる??

(平成27年問9B)

67歳の夫(昭和23年4月2日生まれ)と66歳の妻(昭和24年4月2日生まれ)が離婚をし、妻が、厚生年金保険法第78条の2の規定によるいわゆる合意分割の請求を行ったことにより、離婚時みなし被保険者期間を含む厚生年金保険の被保険者期間の月数が240か月以上となった場合、妻の老齢基礎年金に加算されていた振替加算は行われなくなる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金などを受ける場合に、その被保険者期間が240月以上の場合は、振替加算は加算されません

で、離婚などをして、離婚時みなし被保険者期間を加えた厚生年金保険の被保険者期間の月数が240月以上になった時は振替加算がなくなるというわけです。

 

今回のポイント

  • 振替加算の加算要件は、
    • 大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれた人
    • 65歳に達した日の前日に配偶者の加給年金の対象になっていたこと
    • 65歳に達した日に上記の配偶者によって生計を維持していたこと

    となっています。

  • 振替加算は65歳に達した月の翌月から支給されます。
  • 振替加算の加算額は、「224,700円 × 改定率 × 受給権者の生年月日に応じて定められた率」です。
  • 振替加算の支給を受けている人が、障害基礎年金障害厚生年金障害共済年金などの支給を受けることができる場合は、老齢基礎年金の中の振替加算分が支給停止になります。
  • 老齢基礎年金の受給権者が、老齢厚生年金などを受ける場合に、その被保険者期間が240月以上の場合は、振替加算は加算されません。(離婚時みなし被保険者期間を加えて240月以上になった場合も同様です。)

 

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